
今季のF1第12戦となるイギリスGPの決勝が、現地時間7月6日にシルバーストーン・サーキットで開幕。11番手からスタートしたレッドブルの角田裕毅は、完走した15台中で最下位に終わった。これで前週のオーストリアGPに続き、2週連続での最下位フィニッシュとなった。
大雨の影響で5台がリタイアする大波乱のレースにあって、角田はまたしても失速した。中盤から徐々にペースを落とし、ライバルとの差を付けられると、22週目にはハースのオリバー・ベアマンと接触。これで10秒のタイムペナルティを科され、ポイント獲得は絶望的に……。優勝したマクラーレンのランド・ノリスに1周遅れの大差をつけられる屈辱的な結果となった。
前回のオーストリアGPでもアルピーヌのフランコ・コラピントと接触し、10秒のタイムペナルティを科せられた角田は、優勝したノリスから2周遅れと失速。まるでそのハイライトを見ているかのような今回のイギリスGPであっただけに本人の失望は相当だ。
パワーユニットの問題によってQ2敗退の憂き目にあった前日の公式予選後に「少なくとも少しは前進できた。(FP2を終えて)レースで何を改善すべきかも分かっている。まだ楽観的な見通しは持っている」と前向きに語っていた角田。決勝後にF1公式のフラッシュインタビューに応じた際には、「急にペースが遅くなった。今日はなぜか僕だけが極端に遅く、走っていて頭が混乱するほどだった」と嘆くしかなかった。
「こんな感覚は初めて。ダウンフォースが低いマシンなのはわかっていたけど、それでも雨中の走行には自信があった。しかし、今日はペースがまったく上がらず、最後まで迷子になったような状態が続いた」
迷子のような状態の中で「ドライコンディションではポジティブな収穫がいくつかあったし、今日も序盤はけっこう良かった」と数少ない“光明”を語る角田は、「しかし、今日はタイヤの劣化が非常に激しく何もできなかった。ここ数レースは、同じような状況が続いている」と自身とマシンの課題を打ち明けている。
ポジティブな感触は得ている。しかし、今回の失速によって5戦連続でポイントを喪失し、更迭論がしきりに論じられる崖っぷちの状況に変わりはない。ゆえに海外メディアの評価も実にシビアだ。
オランダのモータースポーツ専門サイト『Racing News365』は、「ユウキ・ツノダはまたもペナルティを受け、新たな挫折を味わった」と屈辱的なレース内容を総括。また、英メディア『GP Blog』は3週連続で角田が課されたタイムペナルティを「レッドブルの悪夢」と表現し、こう論じた。
「ユウキ・ツノダのレッドブルでのパフォーマンスは一向に改善の兆しが見られない。今の彼らは、レース中に何かサプライズが起きない限り、スタート直前の期待とは裏腹に、レースを台無しにしてしまう」
F1はここから3週間の“夏休み”を迎える。厳しい状況に立たされたままの角田は、一部で囁かれる更迭をされるのか。シーズン中に2度のドライバー交代となれば、レッドブルにとっても批判は避けられない“荒療治”となるが……。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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