
【明治安田J1リーグ】横浜FC 0-1 横浜F・マリノス(7月5日/ニッパツ三ツ沢球技場)
ファンへの感謝が詰まった特別な得点だった。移籍のために横浜FC戦がラストゲームとなった横浜F・マリノスFWアンデルソン・ロペスがPKで貴重な先制ゴールを記録。得点後に、涙を浮かべながら反対のゴール裏で声援を送るサポーターの元に駆け寄るシーンが感動を呼んでいる。
7月5日に最下位に沈む横浜F・マリノスは、アウェイで18位横浜FCと対戦。これは単なる「横浜ダービー」ではなく、J1残留に向けても互いに勝利が必須の大一番だった。
試合は両チームともに決定機が作れないまま終盤に差し掛かる。スコアレスの展開を動かす重要な役割を果たしたのが、ボランチで出場していた横浜FMのMF渡辺皓太だった。78分に相手ボックス内で横浜FCの守護神GK市川暉記のファウルを誘ってPKを獲得した。
勝敗に大きく関わる場面で、キッカーを任されたのはアンデルソン・ロペス。2023シーズンと2024シーズンに2年連続J1得点王に輝いたブラジル人FWは、今季のリーグ戦でチームと共に大苦戦。ここまでPKの1ゴールに留まっており、退団も噂される中で横浜FC戦を迎えていた。
ペナルティーエリアの外まで助走を取ると、独特のステップでボールとの距離を詰めてから左足でシュート。相手GKのタイミングを外した上でゴール左のコースに流しこむ技ありのPKで横浜FMが先制に成功した。
得点を決めたアンデルソン・ロペスは、目に涙を浮かべながら逆サイドのゴール裏で声援を送っていた横浜FMサポーターの元まで駆け寄った。
このエモーショナルなシーンはSNSでも話題を集め、ファンからは「アンロペさんのPKだいぶ変態やったな」「やっぱPK鬼上手いわ。タイミングをズラすのが本当に上手い」「結局PK成功率100%」と独特のPKを讃えるコメントとともに「アンデルソンロペスの涙にもらい泣き」「PK決めた後のロペスの表情で泣じゃん」「サポでもないけど来るものがあるな」「他サポだけどアンロペのゴールは泣ける」「マリノス愛が爆発してるロペス、最高だったよ」「間違いなくスーパーだった」「完璧な置き土産をありがとう」とエースの涙に対する感動と感謝の声が多く寄せられた。
なお、この得点が決勝点となり、横浜FMが5試合ぶりに勝利。試合終了のホイッスルが鳴ると、多くの選手がその場に突っ伏したと同時にアンデルソン・ロペスは再び涙を流した。この涙の理由は試合終了直後に明らかとなる。クラブはアンデルソン・ロペスが移籍を前提とした手続きと準備のため、チームを離脱することを発表した。
横浜FMで通算81ゴールを決めたエースは横浜ダービーでの勝利を置き土産に、新たなキャリアを歩むこととなった。

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