
この記事をまとめると
■三菱が「アジアクロスカントリーラリー(AXCR)」に挑むトライトンを公開した
■チーム三菱ラリーアートは2022年のAXCRより参戦を続けている
■2025年は3台体制となって新型トライトンでの初勝利を目指す
高い耐久性と悪路走破性が求められる過酷なラリー
三菱自動車の技術支援を受けて、ミッドサイズピックアップトラック「トライトン」をベースにしたクロスカントリーラリーカーで戦う「チーム三菱ラリーアート」が、2025年8月8〜16日にタイで開催される「アジアクロスカントリーラリー(AXCR)」に挑む。その参戦体制が7月1日に発表され、実車が報道陣へ順次公開された!
チーム三菱ラリーアートは、タイの「タントスポーツ」が運営するプライベートチームで、三菱自動車からは2002年と2003年に日本人初のダカールラリー総合優勝2連覇を果たした増岡 浩さんが総監督として参画。また、三菱の開発エンジニアが参戦車の開発を行うとともに、競技期間中はチームに帯同してテクニカルサポートを行う体制を採っている。
AXCRは、高温多湿なうえ山岳部、密林地帯、川渡りなど変化に富むタイ国内を主な走行ステージとする、FIA公認のクロスカントリーラリー。開催30回目の節目となる今回は、総走行距離が昨年の約2000kmから約2500kmへ、競技期間も昨年の7日間から9日間へ延長されるため、より高い耐久性と悪路走破性が参戦マシンに求められることになる。
チーム三菱ラリーアートは2022年のAXCRより参戦を開始。同年は先代トライトンT1仕様(改造クロスカントリー仕様)で、チャヤポン・ヨーター選手(ドライバー)/ピーラポン・ソムバットウォン選手(コドライバー)が、初参戦にして総合優勝を成し遂げた。
2023年からは現行モデルにスイッチして参戦するも、同年の最高順位は総合3位、翌2024年は総合5位に留まる。しかも昨2024年は、チャヤポン・ヨーター選手(ドライバー)/ピーラポン・ソムバットウォン選手(コドライバー)がレグ5でエンジントラブルにより総合1位から無念のリタイヤとなった。
だからこそ、今回の総合優勝に懸ける意気込みは、これまで以上に強い。実車披露の場に姿を見せた増岡監督も「昨年エンジントラブルで、トップに立ちながらもリタイヤし悔しい思いをしたので、1年間しっかり準備してきました」と前回を振り返りながら、「今年は新型トライトンでの参戦が3年目になるので、エンジンの信頼・耐久性向上をはじめ、軽量化や足まわりの熟成など、細かいところまで進化しているので、当然優勝を目指していく」と、力強く語っている。
MT車2台とAT車1台の3台体制に変更
今回は昨年の4台体制から再び3台体制へ戻り、チャヤポン・ヨーター選手(ドライバー)/ピーラポン・ソムバットウォン選手(コドライバー)と、2023年よりチーム三菱ラリーアートで参戦している田口勝彦選手/保井隆宏選手が6速シーケンシャルMT車で参戦。今回が昨年に続き2回目の参戦となる三菱のテストドライバー・小出一登選手/千葉栄二選手のコンビは6速AT車に乗り、市販車の高性能化の技術検証を行うとともに、チームメイトのサポートを行う。
同じく実車披露の場に登壇した田口選手は「昨年はミスコースをしてしまったため、5位という成績は自分としては納得いくものではありませんでした。昨年の本戦終了後に小出選手と現地へ練習しに行き、ミスの原因を追求し対策をしてきたので、今回は昨年以上の成績を収めたい」と、総合優勝を伺う勢いだ。
小出選手は「昨年はほぼ市販車に近いマシンで初参戦だったということもあり、なかなか田口選手の近くでサポートできませんでしたが、今年は戦闘力の高いクルマで、昨年の経験を活かしてサポートできるよう、チーム一丸となって優勝を目指し頑張りたいと思います」とコメント。
AT車で参戦する狙いを問うと、「テストコースでは出ないより過酷な状況でどのような不具合が出るかデータを取り、さらなる堅牢性向上を検証したり、よりラリー走行に適したシフトスケジュールに変更したりといったカスタマイズを行う」、という目的とのことなので、今後の市販車へフィードバックされることをぜひ期待したい。
チーム三菱ラリーアートのAXCR参戦に関する最新情報は、ラリーアートの特設サイト(https://www.mitsubishi-motors.com/jp/brand/ralliart/axcr/axcr2025/)や各SNSアカウントで随時公開される予定。とくに開催期間中の8月8〜16日は要チェックだ!

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