
俳優の上川隆也が主演を務める、テレビ東京 ドラマ9『能面検事』(7月11日スタート 毎週金曜21:00〜)の記者会見が7日、都内で行われた。
○吉谷彩子・大西流星ら『能面検事』のキャストが登壇
会見に登壇したのは、主演の上川と、吉谷彩子、大西流星(なにわ男子)、観月ありさ、寺脇康文の4人。大阪出身の寺脇が「全編大阪弁でお送りします、なにわ男子の寺脇康文です」と挨拶し、大西も「大、大、大先輩! ありがとうございます!」とすぐさま返して、笑いを誘うなど、会見は和やかな雰囲気でスタートした。そして、そのあとも、キャストそれぞれの魅力が感じられる掛け合いを見せ、終始大盛り上がりだった。
その中でも、記者が個人的に惹きつけられたのが、上川のコメントだ。以前、ドラマ『さよならの向う側』(読売テレビ・日本テレビ系)の取材で、インタビューをしたときも、その美しい言葉選びに感銘を受けたが、今回の会見でも端々にハッとするような表現が散りばめられていた。
○上川隆也 ドラマ『能面検事』記者会見コメント
――出演が決まったときの気持ちを聞かれて。
上川「最初にお声がけをいただいて、原作に触れまして。中山先生の作品はこれまでも出演させていただいた経緯があった上で、ほかの作品とは違う『能面検事』ならではの物語のダイナミズムに触れて、心から演じてみたいと思いました。不破俊太郎という男に魅力を感じました。ですので、今は、その役の中に没頭できる時間を満喫しております。この役に出会うことができて、ありがたいと心から思っています」
――撮影現場の雰囲気を聞かれて。
上川「『能面検事』という字面(じづら)から受ける印象の堅さが微塵もないというか。本当に話題の絶えない現場で、寺脇(康文)さんを筆頭に、何かしらの話題を常に現場にもたらしてくださって。いい大人がふざけ合って、真面目なものを作っているというような現場です」
――現場で、アニメ『ハクション大魔王』の最終回について寺脇と話していたというエピソードを聞いた観月ありさから「知らないから、聞きたいです!」と言われて。
上川「滔々(とうとう)とご説明いたします」
――このドラマで、観月が関西弁に挑戦していることに対して。
上川「僕も関西弁の役柄を頂戴して、務めたことがありますので、その時のことも思い出しながら、生半(なまなか)ではないことを今、過ごしていらっしゃるということを、痛切に感じております」
――不破のもとで働く新人事務官・惣領美晴役を演じる吉谷から、「普段は能面じゃない。お茶目なところもありますし、面白いですし、いっぱい笑わせてもらっていて、勉強もさせてもらっています」「二人で難しい漢字の出し合いをしたり、怖い話をしたり、じゃんけんをしたりとか」と明かされて。
上川「返す刀で話をさせていただいていいですか? (中略)事務官である惣領さんは、取り調べの経緯を常に記録していく係を務めていらっしゃるんですね。でも、どうやら、吉谷さんはプライベートでPCを持っていらっしゃらないそうで、キーボードで打つ速度が実際はとても遅くていらっしゃる。なかなか取り調べには追いつかないことが多いんですね。それはそれとして、チェックできるように、僕のモニターにも何を記録しているかが見えているんですよ。本番と本番の間の準備の時間に、モニターをパッと見たら、「う」から始まる、3文字の排泄物のアレが打ってあって。この人は本番中に何を打ってるんだろう? と。そんな現場です」
――中山氏のコメントを受けて。
上川「(映像化の)ハードルの高さを、中山先生ご自身が感じていらっしゃるのであれば、それは僕らにとっても挑むべきものになりうると思いますし、それが一つひとつ形を得ていく作業はやはり、ものづくりという場において、本来の在り方と言うんですかね。常に僕らが臨むに値するようなものと捉えています」
――七夕にちなみ、「ドラマのこんなところを見てほしい」と思うことを短冊に書く企画で、「初心忘るべからず」と記した理由を聞かれて。
上川「世阿弥さんの『風姿花伝』の中の言葉なのですが、実は、僕自身が映像のお仕事をさせていただくようになるにあたって、父が机の上にメモとして置いておいてくれた言葉なんですね。その父もすでに鬼籍に入っておりますが、それをこの作品では思い出させられるというか。これまでにないものに臨むのだからこそ、この言葉をどこかで携えていたいと思っているのと同時に、この言葉はどこかで不破という男の中にもあるのではないかと思ったりもするんです。彼がなぜ能面になったかというエピソードも後々明かされていくのですが、そこにも関連づけられるような言葉だと。不破でもあり、僕の中にもある言葉として、書かせていただきました」
【編集部MEMO】
大阪地検きってのエース検事・不破俊太郎の事務官となった惣領美晴。全くの無表情と歯に衣着せぬ不破の物言いに、着任早々に辟易してしまう。そんな不協和音ただよう二人が最初に担当する事件は、大阪市内で起きた女子高校生殺害事件。被疑者は殺害現場付近に住む引きこもりの男だった。特に差し障りなく起訴される事件のはずだったが、不破はある矛盾に気づく。一方、事件の管轄となった所轄署では、不可解な証拠品紛失事件が並行して起きていた……。
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