
威圧感あるノーズに惚れ込んだオーナーのこだわりカスタム
サメのエラのようなサイドのスリットと印象的なフロントマスクから“サメブル”の愛称で親しまれている日産4代目610型「ダットサン・ブルーバード」。その威圧感あるノーズに惚れ込んだオーナーがこだわりのカスタムを施し、旧車ならではの魅力をたっぷり詰め込んでいます。唯一無二のスタイルを見ていきましょう。
サメのエラを想起させるスリットがサメブルの由来
旧車の魅力は現在のクルマのように車種ごとに均一化されたものではなく、そのクルマならではのアイデンティティが強く存在していたこと。とくに昭和車ならではの個性的かつインパクトを重視したチャレンジングなフロントマスクは、彫りの深い表情によってクルマのキャラクターを力強く示し、オーナーたちから親しみを込めた愛称が付けられた。
今回紹介する日産4代目610型「ダットサン・ブルーバード」は、1971年に登場した「ブルーバードU」をベースに、より発展させるべくマイナーチェンジ(1973年)によって誕生したモデルだ。非力だったパワーユニットを見直して、当時スカイラインに搭載されていたL20型6気筒エンジンを搭載させるべく、全長を伸ばしロングノーズ化。アメ車的な雰囲気を持つフロントマスクを採用した。
フロント側面のウインカーから後方に向かって入る2本のスリットが、まるでサメのエラのように見えることから「サメブル」という愛称も付けられた。
純正をベースに“当時風”カスタムで仕上げる
現代の便利で快適なクルマには興味がなく、本当に求めているのは旧車だと話す静岡県在住の“Sylveon”さんは、今から6年ほど前にサメブルに惹かれて購入。
「サメブルならではの威圧感のあるノーズが大好きなんです」
と話す。
丸目4灯に左右セパレートタイプのダブルグリルを持つサメブルはボリュームがある縦型柵形状が印象的で、よりロングノーズに見えるようにフロント部分を傾斜させ、角度を付けるなどの工夫によって唯一無二のフロントマスクを作り出している。ボディタイプは2ドアハードトップと4ドアセダンがあったが、“Sylveon”さんの愛車は4ドアハードトップで、グレードはGTX。つまり、当時のトップグレードということになる。
純正オリジナルで乗るよりも少しイジった当時の走り屋仕様として、クルマいじりも楽しみたい派だという“Sylveon”さん。フロントバンパーにはワンオフ製作のチンスポイラーを追加し、リアにはカモメの羽をモチーフにしたことから名付けられた2本足タイプのカモメウイングを装着。
フェンダーミラーをなくしてメイワ製ジャガードアミラーをセットし、サメブルならではの特徴であるハードトップ部のJラインには、ヘビ皮を貼るという遊び心も加えている。
ブローを機にL2.8改3.0Lエンジンを搭載
エンジンについては以前乗っていた際にブローさせてしまったことをきっかけに、亀有ピストンにハイカムを組んだL2.8換装改3.0L仕様を搭載。駆動系はハイパワー化に伴ってミッションを71Cに交換し、デフはR180を入れるというL型エンジン定番チューニングを施している。
かなり車高を低くしているが、これは車高調キットで作り出したダウンフォルム。ただ下げるだけではなく、アームやブッシュの変形も考慮して、すべて補正させているのもポイントだ。また、ブレーキも強化していて、キャリパーは日産「プレジデント」や「グロリア」に純正採用されていた4ポットのMK63キャリパーをセット。そのままだと容量不足でフカフカなペダルタッチになるため、ケンメリ用のマスターバックを流用して装着し、大容量化を図っている。
渋めのボディに映えるスターシャークホイール
落ち着いた大人の旧車好きであることを表現するボディカラーについては、「ブレイブカーキパール」という色で、スズキ「ワゴンR」や「ハスラー」用の純正ブラウンをベースにアレンジを加えているそうだ。このボディ色に対して、ゴールド・シルバーディスクのスターシャークホイールが抜群にカッコよくキマっている。ちなみにサイズは14インチで、フロント9J/リア10J、165/60+175/60のタイヤの組み合わせということだった。
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