
パソコン工房を運営するユニットコムから、14型モバイルノートパソコン「STYLE-14FH130-i5-UHCX」が登場した。1.41kgの持ち運び可能な軽量ボディーに、省電力&高性能プロセッサーや着脱式バッテリー、プライバシーシャッター付きWebカメラ、Copilotキーなどを搭載して使い勝手を高めているのが特徴。
今回その実機を試すことができたので、製品の外観や操作感、パフォーマンスなどを詳しく紹介していこう。
着脱式バッテリーを採用しつつポータビリティーと堅牢性も確保
55WHの大容量バッテリーもカスタマイズ可能
一般ユーザーからゲーマー、プロのクリエイターまで幅広いターゲットを対象に製品を展開しているユニットコムのブランド「iiyama PC」。そのなかでも、オーソドックスで万人向けのラインナップが「STYLE∞(インフィニティ)」だ。コスパのよいエントリー向けから、高負荷な作業もこなせるハイエンド向けまで、多彩なモデルが揃っている。
今回紹介する「STYLE-14FH130-i5-UHCX」は、ラインナップのうちミドルクラスに当たる「Hシリーズ」の製品。その特徴の1つに挙げられるのが、着脱式バッテリーを採用している点だ。
最近のノートパソコンはバッテリーを本体に内蔵しており、ユーザーが自分で交換できないタイプが多い。そのため充放電を繰り返して劣化が進んだ場合は修理が必要になる。修理中は端末がメーカー預かりになるため、当然修理を終えて戻ってくるまでは使用できなくなる。
その点、本製品は本体底面のロックスイッチをスライドするだけで、工具なしで簡単にバッテリーを取り外して交換することが可能。予備のバッテリーが手元にあれば、数分とかからずに交換が完了する。今回試した限りではホットスワップにも対応しているようで、電源につないだ状態なら稼働中の取り外し・取り付けも行なえた。バッテリー故障・修理時のダウンタイムを最小限に抑えられるのが非常に魅力的だ。
バッテリーを着脱式にすると本体サイズは大きく重くなりがちだが、本製品はポータビリティーを損なわない範囲にうまくまとめられている。本体のフットプリントは幅約325mm、奥行き216mmで、A4クリアファイルとほぼ同じ大きさ。厚みはゴム足や突起物を含んで約24.3mm、質量は約1.41kgとなっている。場所を移動して作業したい場合でも気軽に持ち運ぶことができるし、いざというときはカバンに入れて持ち出すことも十分可能だ。
ちなみにユニットコムのECサイト「パソコン工房」では、BTOオプションで交換用バッテリーを選ぶことができる。製品に付属するのは電力容量37WHの標準バッテリーだが、オプションの交換用バッテリーは55WHと大容量タイプで価格も1万3800円(税込)と比較的手頃。出先で使うことが多い人は、注文時に一緒に購入しておくことをおすすめする。
なお着脱式だと堅牢性との両立も難しくなるが、本製品は基準が厳しいことで知られる米国国防総省のMIL規格(MIL-STD-810H)に準拠したテストをクリアしており、標準的なノートパソコンに比べて衝撃や振動などにも強くなっている。そのため屋外で使用したり、混み合った電車で移動したりする際も、比較的安心して持ち運ぶことが可能だ。
本体カラーは黒が基調でデザインも洗練されており、ビジネスシーンでも違和感なく使用することができる。評価機は天板に「iiyama」のブランドロゴがあしらわれていたが、BTOオプションでロゴなしを選ぶことも可能。その場合、完全に無地のシンプルな天板になる。ロゴの有無による差額はないので、飽きのこないデザインが好みなら注文時にロゴなしを選んでおくのがよさそうだ。
インタフェースは、本体左側面に電源(DC端子)、HDMI、Thunderbolt 4(Type-C/USB PD対応)、USB3.1(Type-C)、USB3.1(Type-A)が、本体右側面にLAN、USB 2.0(Type-A)、ヘッドフォン出力/マイク入力、microSDカードスロットが搭載されている。このほか、通信機能はWi-Fi 6EとBluetooth 5に対応している。
製品付属のACアダプターはDC端子につなぐようになっているが、本体左側面のThunderbolt 4(Type-C)は、USB PD対応のため同規格に対応したサードパーティ製のUSB急速充電器などにつないで給電することもできる。また映像出力にも対応しているため、外付けディスプレーにつないで画面表示することも可能だ。
ディスプレーは画面サイズが14インチで、解像度がフルHD(1920×1080ドット)、アスペクト比が16:9となっている。特別色域が広いというわけではないが、ナチュラルな発色でビジネス用途には十分な表示品位を確保している。
ベゼル幅は左右が実測で約7mmと細く、画面を見ているときその存在が気にならないレベル。アンチグレアパネルを採用しており、表面の光沢が抑えられていて映り込みが少ないため、明るい場所でも画面が見やすく目が疲れにくい。ディスプレーは最大180度まで開くことができ、対面で打ち合わせする際に相手と画面を共有しやすいのが便利だ。
ディスプレー上部には 100万画素のWebカメラとマイクが内蔵されており、ビデオ通話やオンライン会議などに利用可能。このWebカメラにはプライバシーシャッターが内蔵されており、カメラ上部のスイッチをスライドさせるだけで機能をオフにすることができる。意図しない映り込みを確実に防げるのは好印象だ。
キーボードはキーとキーの間隔が適度に離れたアイソレーションタイプで、キーピッチは実測で約19mmを確保している。カンマやピリオド、スラッシュなどの一部のキーのみ幅が若干狭くキーピッチが16mm程度になっているが、慣れれば問題なくタイピングすることが可能だった。
MicrosoftのAIアシスタントサービス、Copilotを仕事やプライベートで活用している人も多いと思うが、その専用キーも用意されている。ワンタッチでCopilotを呼び出せるので、同アシスタントをよく使うという人にとってはうれしいポイントではないだろうか。
タッチパッドは、クリックボタン一体型で操作スペースが広く、指ざわりもサラッとして感触がよいためポインターの細かい操作がしやすかった。
省電力タイプのCPUながらパフォーマンスは十分
評価機の場合、CPUは第13世代のCore i5-1334U プロセッサーが採用されていた。同プロセッサーは、性能重視のPコアを2つ、高効率のEコアを8つ備えており、省電力と高性能を両立しているのが特徴。グラフィックスはCPU内蔵のインテル UHD グラフィックスで、メモリーは8GB、ストレージは500GBのNVMe対応M.2 SSDという構成だった。
そこで、実際にどのくらいのパフォーマンスがあるのか、いくつかベンチマークテストを実施して性能を測ってみることにした。なお評価機はメモリーが8GB×1のシングルチャネルという構成で、BTOでは16GB(16GB×1のシングルチャネル、または8GB×2のデュアルチャネル)に増設することが可能。メモリー構成によってベンチマーク結果も変わってくると思われるので留意してほしい。
まずCPU性能をざっくり把握するため「CPU-Z」のベンチマークを実施したところ、シングルスレッドが682.4、マルチスレッドが3724.5という結果だった。省電力タイプのプロセッサーとはいえ、現役世代だけあってパフォーマンスは十分高いことが分かる。
続いて、パソコンの総合的な性能をチェックするためベンチマークソフト「PCMark 10」を実施してみたところ、次のようになった。
快適さの目安は、基本性能を示すEssentialsが4100以上、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivityが4500以上、クリエイティブ系アプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationが3450以上となっているが、そのいずれも大きく上回っている。
オンライン会議や文書作成のような日常・ビジネス用途はもちろんだが、軽めの画像編集や動画編集のようなクリエイティブ系の用途にもある程度対応できる性能を持っていることがわかる。
次に、「3DMark」でグラフィックス性能をチェックしてみた。
内蔵GPUかつシングルチャネルメモリーということもあって、スコア自体はそれほど高くないが、一般的な用途には十分な性能を持っていることが分かる。
このほか、ストレージやバッテリーの性能もチェックしてみた。ストレージはPCIe4.0x4レーン接続のNVMe対応SSDが採用されていたが、CrystalDiskMarkでチェックしてみたところ、シーケンシャルリードが3500MB/s前後と高速。データの読み込みや書き込みが速いので、サイズの大きなファイルを扱う際も快適に作業することができるはずだ。
バッテリー駆動時間は、標準バッテリーの場合、カタログスペックでは動画再生時3.8時間、アイドル時 6.0時間(JEITA3.0準拠)となっている。そこで、ディスプレーの明るさを50%に設定し、バッテリー駆動時の電源モードを「最適な電力効率」にセットしてYouTubeのフルHD動画をフルスクリーン再生させたところ、公称値を大きく超える6時間51分の連続駆動が可能だった。
大容量バッテリーなら、さらに長時間の駆動ができると思われる。使い方や設定によっても変わってくるが、軽めの作業なら標準バッテリーでも電池持ちを必要以上に気にせず使うことができそうだ。
第13世代インテル Core i7 プロセッサーを搭載した上位モデルが販売中
7月7日現在、今回のレビュー機となる、第13世代インテル® Core i5 プロセッサーを搭載したモデルは完売となっているが、第13世代インテル Core i7 プロセッサーを搭載した上位モデルが販売中だ。
第13世代インテル Core™ i7 プロセッサーを搭載した上位モデルは、質量1.40kgという軽量ボディーに、省電力&高性能プロセッサーや着脱式バッテリー、プライバシーシャッター付きWebカメラ、Copilotキーなどを搭載。
11万4800円~という価格で販売されておりコスパも良好でおすすめできる。手頃で高性能なノートパソコンを探している人や、使い勝手のよいノートパソコンを探している人は、一度チェックしてみてはいかがだろうか。

コメント