マイナビキャリア甲子園」第11回大会で存在感を放った奈良県・帝塚山高等学校。決勝に進出した3チームの生徒たちが6月30日奈良県庁を訪れ、知事への表敬訪問を行った。山下真知事は「奈良県民として皆さんの活躍をとても誇らしく思う」と、生徒たちの功績を称えた。
○■「マイナビキャリア甲子園」決勝3チームが県知事を訪問

帝塚山高等学校は奈良市・近鉄学園前駅前に立地し、男女併学のプログラムや高度な進学実績で知られる関西屈指の進学校。駅から徒歩1分という抜群の通学利便性に加え、広大なキャンパスからは若草山の景観も楽しめるなど、あらゆる環境が整備されている。

学業面では毎年約4割が京都大・大阪大などの国公立大学に現役合格しており、さらに東大や京大、一橋、医歯薬系、関関同立など難関大学への進学実績も豊富。部活動も充実し、学内は常に活気で溢れている。

そんな優秀な生徒たちが多く在籍する帝塚山高等学校は、「マイナビキャリア甲子園」にも毎年のようにエントリー。2020年に初めて決勝進出チームを輩出したものの、それ以降はしばらく決勝の舞台から遠ざかっていた。しかし第11回大会ではなんと一気に3チームが決勝戦に進出し、うち2チームが優勝、準優勝に輝くという偉業を達成した。

今回はこの功績を報告すべく、3チームの生徒らは校長先生らとともに奈良県庁を訪れ、山下知事を表敬訪問する運びとなった。

午後3時頃、キャンパス内の応接室に集合した生徒たち。出発前に、優勝チーム「ロックロック」の國嶋彩乃さんに今の心境を尋ねてみると、「県知事に功績を報告しに行くことになるなんてまったく予想していませんでした。こんなこと一生ないと思っていたので、少し緊張はしていますが、ワクワクもしています」と語った。
○■いざ、奈良県庁を訪問

この日の奈良の最高気温は35度超。蒸し暑さと戦いながら、近鉄奈良線に乗って奈良県庁を目指した。

県庁では奈良のアイコンである野生の鹿も生徒たちを歓迎! 厳しい猛暑だ。鹿も日陰で涼んでいたのかもしれない。

県庁到着後は、優勝チームのパートナー企業を務めた日本生命奈良支社の社員らも合流し、知事室前の待合室でしばし待機。県知事との対面を目前に控え、若干の緊張感が漂う。

午後4時、いよいよ知事室へ入場。表敬訪問、本番がスタート!

山下真知事が生徒たちを温かく迎え入れる。

まずは帝塚山高等学校の小林健学校長が訪問メンバーをそれぞれ紹介。

続いて、「マイナビキャリア甲子園」を指導する西川和宏先生が、大会の概要と帝塚山高等学校の成績について改めて報告した。

西川先生マイナビキャリア甲子園について、「全国から1万人以上、約3,000チームが参加し、決勝進出は倍率300倍。そんな中で3チームが決勝に進出したのは大会史上最高数であり、優勝・準優勝を同一校が同時に獲得したのも初の快挙です」と誇らしげに語った。

続いて「ロックロック」のメンバーらが優勝報告を実施。ロックロックは「『誰もが、ずっと、安心して暮らせる社会』の実現に向けて、日本生命が地域の方々と共に展開する、これまでにない新しい取組を提案せよ」という日本生命の課題に挑み、廃棄問題と被災地の風化問題に対して同時にアプローチするオンラインショッピングサービス「BUYBUY」を提案。構想を練るにあたっては、実際に能登半島地震の被災地を訪れ、フィールドワークなども実施した。

プレゼン内容の概要を説明したうえで、ロックロックのメンバーらは「私たちはこの経験を通して、ゼロから企画を考える難しさや、相手に伝えるための工夫など、学校の勉強だけでは得られない学びをたくさん得ました」と報告。「何度もアイデアを練りながら、どうすればより伝わるかを考える過程は大変でしたが、そのぶん、優勝したときは大きな達成感を得られました。これからも挑戦し続けられる人間になりたいです」と力を込めた。

「BUYBUY」の構想を受け、山下知事は「これはメルカリのような仕組みなんですか?」「売上の一部を寄付する形になるんですか?」など積極的に質問し、「実際に企業で採用されるようなアイデアを高校生が出せるのはすばらしい。これから社会に出ても、自信を持って歩んでほしい」と生徒らにエールを送った。

表敬訪問を終え、西川先生は「生徒たちのおかげで貴重な機会をいただくことができました。本当に感謝しています。知事にお会いできる機会などはなかなかないですし、生徒たちと一緒に頑張ってきてよかったです」と語り、感慨深い表情を見せた。

「ロックロック」の木下来美さんは「私たちの活動を知っていただけたのが嬉しいです。県知事に直接報告できるなんて高校生活の中でも滅多にない経験ですし、プレゼンにも興味を持っていただけて励みになりました」と振り返る。

もこもこバイターズ」の大西未莉さんも、「本当に良い経験でした。準優勝もそこまで大きなことだと思っていなかったのですが、知事から『自信を持ってこれからの人生を歩んでください』と声をかけていただいて、自分にもっと自信を持とうと思えました」と話した。

さらに「セプトプレス(仮)」の原悠真さんは、「キャリア甲子園を始めた頃は、まさか県知事にお会いできるとは思わなかったので、自分でも感動しています」と笑顔を見せ、「賞を逃して落ち込んでいましたが、『自分に自信を持って』と背中を押していただけて、前向きな気持ちになれました」と語った。
(猿川佑)

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