
真のサムライを目指す少年・鉄 刃(くろがね やいば)と、彼を支える道場の娘・峰さやか(みね さやか)、そして宿命のライバル・鬼丸 猛(おにまる たけし)らが、伝説の魔剣を巡り激しい戦いを繰り広げる「真・侍伝 YAIBA」(毎週土曜夕方5:30-6:00、読売テレビ・日本テレビ系ほか/Netflix・ABEMAにて最速先行配信、dアニメストア・Disney+・FOD・Hulu・Lemino・TVerほかにて順次配信)。本作は、直後に放送される『名探偵コナン』と合わせて“青山剛昌アワー”としても大注目。6月21日に放送された第12話は、謎の美少女剣士が道場破りにやってくる「大和撫子がやってきた」。(以下、ネタバレを含みます)
【写真】その美貌に武蔵&小次郎もメロメロ…大和撫子の登場シーン
■刃の許嫁!? 道場破りの美少女剣士・大和撫子が初登場
鬼丸(CV:細谷佳正)との決戦を終えたものの、空飛ぶ新たな城で去ってしまった鬼丸を追えず、ヤキモキする刃(CV:高山みなみ)は、宮本武蔵(CV:諏訪部順一)の指導のもと、家事全般を全力でこなすという修行に励んでいた。そんななか、峰道場に一人の道場破りが現れる。その正体は、長い黒髪と紅い袴が印象的な美しき女剣士、大和撫子(CV:千本木彩花)。彼女は、刃に会いに来たと語り、さらには刃とは夫婦の契りを交わした間柄であると宣言する。このとんでもない申し出に、峰さやか(CV:石見舞菜香)たち一同は、ただただ驚愕するのだった。
鬼丸との激しいバトルが繰り広げられた前話とはうってかわり、序盤は峰家の平和な日常が描かれた。鬼丸に勝つため引き続き修行に励む刃とは裏腹に、佐々木小次郎(CV:井上剛)は道場の女の子にモテモテで浮かれまくり、ゲロ田ゲロ左衛門(CV:大西健晴)は峰ふじ(CV:斉藤貴美子)の将棋の相手をつとめ、武蔵は自分が活躍するTVドラマをノリノリで視聴するなど、なんともマイペースなキャラクターばかりだ。一方で、今回新登場となった大和撫子は、道場の練習生たちをコテンパンにするほどの腕前に加え、武蔵と小次郎がメロメロになるほどの美貌をもち、さらに口調は古風、性格も一途と、一見すると非の打ちどころのないキャラクターに見える。しかし、そもそも道場破りをして道場を自分のものとし、そこで刃といっしょに暮らそうと考えている段階でかなりぶっ飛んでいるのも事実で、その思い込みの激しさや飛躍っぷりはしっかりとYAIBAキャラだと言えるのかもしれない。大和撫子についてはSNSでも「これはさやかピンチ!!」「強くて美しいとか最強の恋敵じゃん!」「頑固一徹だなw」などの声があがっていた。
■さやかvs撫子、戦いの行方は?
道場を守るため、撫子と手合わせすることとなったさやかたち。一番手の小次郎は、実力的には撫子を上回っていたものの、いつもの魔剣ではなく竹刀であることを失念していたことで油断して敗北。二番手の武蔵は、戦う直前にぎっくり腰に襲われてダウン。こうして、残ったさやかと撫子の一騎打ちとなるが、その実力差は歴然で、さやかはあっという間に追い込まれてしまう。それでもさやかは道場を守るため、あるいは刃を撫子に取られないため、必死に食らいついていく。最後の打ち合いで、決着なるかと思われたその瞬間、買い物から帰った刃が登場し、それに気を取られた撫子のスキを付く形でさやかが勝利するのだった。
中盤は、薙刀を得物とする撫子のアクションシーンが満載。小次郎の頭を踏み台にジャンプし、天井を蹴って背後に回るという離れ業を見せたり、さやかの攻撃を薙刀で器用にさばいていく姿など、これまでにはなかったアクションが新鮮だ。一方さやかも、実力差はありつつも気迫では負けていなかった。激しく壁に叩きつけられても立ち上がっていく姿には、ナマコ男(CV:市ノ瀬加那)が泣きながら「もうやめるズラ!!」と叫ぶほどで、最近はサポートキャラに徹していたさやかの意地と覚悟を見せつけてくれた。SNSでも「ヒロイン覚醒か?」「これは惚れてしまう」など、絶賛の声があがっていた。
■龍神の玉を求め、新たな旅へ!
撫子のことを一目見るなり「蕎麦屋のボウズ」と叫んだ刃。じつは、6年前にジャングルで出会い、結婚の約束をしたという撫子の認識は間違いだった。「強くなったら、あなたのそばに…」という撫子のセリフを、刃は「強くなったら、蕎麦(そば)をもらってやる」という意味だと勘違いしていたのだ。あまりに壮大なすれ違いに意気消沈し、道場を去ろうとする撫子だったが、刃が「俺といっしょに修行すっか?」と誘うと、撫子は目に涙を浮かべて「はいっ!!」と答えるのだった。
その夜、撫子も加わってすき焼きを囲む一行。するとそこへ、行方をくらましていた刃の父・鉄 剣十郎(CV:小西克幸)が突如姿を現す。剣十郎は、鬼丸のいる浮遊城へ行く方法として、空を飛ぶ力を持つ「龍神の玉」の存在を語ると、偶然にもその玉のありかを示す地図を撫子の父が持っていることが判明。こうして刃たちは、打倒鬼丸の新たな鍵である「龍神の玉」を探すため、再び冒険へと旅立つことを決意するのだった。
撫子が加わり、ますます賑やかとなった刃たち一行。夕食では、撫子とさやかが刃を挟んで両隣に座り、刃がもっと食べるべきか、それとも控えるべきかで言い合いになるなど、さっそくのライバル関係を築いているのが微笑ましい。さらには神出鬼没な剣十郎が久しぶりに登場し、旧知の武蔵とさっそく絡むなど、何かと騒がしい描写が続く。激しいバトルの後には平和な日常、シリアスの後にはコメディと、王道ながらも非常に心地の良い塩梅で進んでいくのが『真・侍伝 YAIBA』の大きな魅力で、まさに1クール目の締めにふさわしい回だった。
◆文/岡本大介

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