
7月13日(日)よりスタートする日曜劇場「19番目のカルテ」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系※初回は15分拡大)。このほど、本作の原作となる漫画を手掛ける富士屋カツヒトが撮影現場を訪問。リアルなセットや出演者の芝居に触れた模様をリポートする。
松本潤、新しい領域の医療を演じる決意「医療従事者の方々にも納得してもらえるような作品にしたい」
■“人を診る”総合診療医の奮闘を描く医療ドラマ
本作は、「しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~」などの作画を手掛ける富士屋カツヒトの連載漫画「19番目のカルテ 徳重晃の問診」(ゼノンコミックス/コアミックス)を原作とする医療ドラマ。脚本は「コウノドリ」シリーズ(TBS系)の坪田文が手掛ける。
物語の主軸となるのは、臓器や患者の性別、年齢にかかわらず、患者の訴えを一つ一つ丁寧にすくい取り、その人の暮らしや家庭環境、心の状態までも含めてその名の通り“総合的に”診察を行う19番目の新領域「総合診療科」。
病気を診るだけでなく、心や生活背景をもとに患者にとっての最善を見つけ出し、生き方そのものに手を差し伸べる魚虎総合病院の総合診療医・徳重晃(松本潤)と医師たちの活躍を描く、新しいヒューマン医療エンターテインメントだ。
徳重を取り巻くキャストには、整形外科の新米医師・滝野みずきを小芝風花が演じる他、冷静沈着なエリート外科医・東郷康二郎役を新田真剣佑、新米内科医・鹿山慶太役を清水尋也、麻酔科医・大須哲雄役を岡崎体育、心臓血管外科医・茶屋坂心役をファーストサマーウイカが務める。
さらに、総合診療科を新設した張本人でもある魚虎総合病院の院長・北野栄吉役に生瀬勝久、科長も務めるベテランの小児科医・有松しおり役に木村佳乃、徳重の恩師・赤池登役に田中泯など、個性豊かな面々が集結した。
■ドラマの世界観に感嘆 セット内の医療機器にも興味津々
スタジオに足を踏み入れた富士屋先生は、思わず「こういう感じなんだ!」とひと言。徳重が問診を行う診察室では、「漫画ではもう少し狭い医局を想定して描いているのですが、この建て付けは便利ですね…!」と、ドラマならではの世界観やリアリティに感嘆の声をあげる。「作画の参考にさせてください!」と、さまざまな角度から熱心に写真を撮り、セット内の医療機器にも興味津々で「この引き出しって開けてもいいですか?」と1つ1つ丁寧にチェックするひと幕も。
さらにこの日は、本作の医療監修を担当する総合診療医の権威・生坂政臣氏との対面も実現。富士屋先生が「以前、生坂先生のカンファレンスを拝見したことがあって…」と語りかけると、生坂先生も「ぜひお会いしたかったんです!」と満面の笑みで応じ、お互いの専門分野とドラマへの熱意が交差する、特別な時間となった。
富士屋先生は徳重、滝野みずき(小芝風花)、東郷康二郎(新田真剣佑)の3人が揃ったシーンのリハーサルも見学。真剣な表情で3人の芝居を見守りつつ、時折うなずきながら温かく見つめていた。また、撮影現場に流れる和やかな空気にも目を細める姿もあった。
その後は、医師たちの休憩室のセットで、リラックスした様子で松本と談笑する場面も。松本が柔らかく優しい雰囲気を持つ原作について富士屋先生に直接感想を伝える一方で、富士屋先生から「ドラマにするにあたって、どう作っていくんだろうと思っていました」「ドラマならではの盛り上げ方・見せ方が、これから楽しみです」と松本に思いを吐露していた。
最後はキャスト3人と記念撮影。松本らと笑顔あふれる1枚に、原作とドラマの絆がより一層深まった一日となった。
■「松本さんを見るともう“徳重だ!”と思ってしまいます」
撮影現場を見て回った富士屋先生は「診察室のセットを拝見して、必要なものがしっかり揃っていて、どこか懐かしい感じもあってうれしかったです。漫画では、旧棟の片隅を改修して使っているような診察室をぼんやりと想定していたので、そんな“隅っこ感”を拾ってくださったのかなと。率直にうれしかったですね。漫画で描き切れなかったディテールを補ってくれているようで、実写ならではの情報量の多さが見ていて楽しいです。
キャストが発表された時から、ドラマ版はドラマ版の『19番目のカルテ』として、きちんと世界を作ってくれていると感じていました。松本さんを見るともう“徳重だ!”と思ってしまいますし、滝野や康二郎たちの姿も含めて、このドラマの世界線がしっかり構築されているなと感じています。
松本さんの演じる徳重については、現場で見ると近過ぎて緊張してしまったので、やっぱり画面越しで見たいですね(笑)。松本さん演じる徳重の言葉のテンポや話し方など、細かな部分がどう仕上がるのか楽しみです」と感想を語った。
18もの専門分野に細分化された高度な日本の医療――。それぞれその専門医たちが診察・治療を行っているが、複雑な症状を抱えどの診療科にかかればいいか分からない患者がいたり、その結果患者が各科をたらい回しにされたり…という課題も生まれている。
そんな数々の問題を解決するために誕生したのが、19番目の新しい科である「総合診療科」。だが、世間的にも医師たちの間でも、まだその存在や意義が浸透していないのが現実だった。そんな総合診療科を、とある街の地域医療の中核を担う魚虎総合病院が新設することに。独断で総合診療科の新設を決めた院長の北野栄吉(生瀬勝久)は、総合診療医の到着を今や遅しと待っていた。
その頃、魚虎総合病院の整形外科では、全身の痛みを訴える女性患者・黒岩百々(仲里依紗)が診察を受けていた。検査で異常はないことが判明したが、百々はたった10分で診察が終わった挙げ句、病名すら分からなかったことにイライラを隠しきれない様子。
同じく整形外科に入院中の老年の男性患者・横吹順一(六平直政)も医師に対する不満を撒き散らし、担当医の滝野みずき(小芝風花)を手こずらせていた。
横吹は、足の骨折で入院しているにもかかわらず「喉が痛い」と騒ぎ、「医者なのに風邪も治せないのか」と滝野に当たる始末。しかし、整形外科医の滝野にとって喉の痛みは専門外であり、別の専門医に任せることしかできない滝野は、横吹の嫌味にも反論できず、もどかしさを感じていた。
時間に追われる医師たち、そんな医師たちに不満を持つ患者たちで、魚虎総合病院はどこかピリピリした空気が漂っている。そんな中、滝野の前に“総合診療医”を名乗る徳重晃(松本潤)という男が現れる。

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