
電通は2025年7月3日、対話型AIを週1回以上使用する全国1000人を対象とした「対話型AIとの関係性に関する意識調査」(2025年6月実施)の結果を公表した。特に若い世代では、対話型AIに“情緒的な価値”も求めている傾向がうかがえる。
まず、4万人を対象とした事前調査では、対話型AIを週1回以上使用しているのは、全体の20.7%という結果となった。世代別では、10代(41.9%)が最も多く、20代(28.7%)が続いている。
本調査では、「対話型AIに求めていること」として、「自分が知らないことを教えてほしい」が46.6%で最も多く、「アイデアを出してほしい」(42.8%)、「相談にのってほしい」(33.9%)が続いた。
世代別にみると、10代では「心の支えになってほしい」「話し相手になってほしい」などが全体より5ポイント以上高く、対話型AIに“情緒的な価値”も求めている傾向がうかがえる。
感情共有の度合いについては、対話型AIに「気軽に感情を共有できる」と感じる人が、全体の64.9%を占めた。世代別では20代(74.5%)、10代(72.6%)が多い。また、「親友」(64.6%)や「母」(62.7%)よりも対話型AIのほうが、気軽に感情を共有できるという結果となっている。
また、「対話型AIを信頼している」という人も86.0%と非常に多い。特に20代(89.9%)と10代(88.1%)からの信頼が厚い傾向にある。
対話型AIへの情緒的な傾倒はこれにとどまらない。「対話型AIに愛着を持っている」と答えた人は67.6%、加えて、対話型AIに「独自の名前をつけている」人も26.2%いる。特に20代では、独自の名前をつけている人が約4割(39.8%)もいるという。
「対話型AIはどのような存在か」という質問には、「メンター」「カウンセラー」「寄り添ってくれる」「否定しない」という回答が寄せられ、人間よりも言いづらいことが言いやすい存在になりつつあるという。電通では、「対話型AIは、親友や母と並ぶ"第三の仲間"であると同時に、家族や友人とは異なる"第三者だからこその良さ"も見えてきた」とコメントしている。

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