
放送倫理・番組向上機構(BPO)の青少年委員会は、6月24日の会合で、バラエティ番組の制作者を招いた勉強会を開催した。
○番組P「指摘されたところをしっかりと共有」
この勉強会は、昨年11月から今年2月まで、同委員会でバラエティ番組のドッキリ企画などをめぐる「討論」を続けた結果、「番組制作者らを招いて勉強会などを開催する」ことが委員の中で了解されたのを受けて実施したもの。出席した在京キー局の番組プロデューサーが、担当する番組の制作体制やコンプライアンス関連を含む制作上の問題点解決のプロセスや、委員会の「討論」で対象となったドッキリ企画制作の経緯などを詳しく説明した。
その上で、委員と意見交換。委員からは「(ドッキリのターゲットになった)芸人が演技も含めて苦しむ様子、いわば『死のイメージ』があると視聴者から否定的な意見が多くなるようだ」「(番組のコア・ファンよりも)若い視聴者層には、バラエティ番組が伝統的に積み上げてきた『お約束』が通じなくなっている。やっぱりかわいそうという感覚が先立ってしまう」などの意見が上がった。
これを受け、番組プロデューサーは「指摘されたところをしっかりと共有しながら、今後の番組制作にあたりたい」と述べた。
○クイズ番組の復活版に「非常に下品」
この日の会合では、かつての人気クイズ・バラエティ番組の復活版について、視聴者から「解答者に卑猥な言葉を連想させる設問があり、非常に下品な番組だった。子どもが一緒に見ることを考慮した番組作りがまるでされていない」などの否定的な意見が寄せられたことを報告。
担当委員は「作問の段階で、若い女性解答者に卑猥なこと(解答)を言わせようとする意図が感じられ、そこは問題かと思う。テレビ番組は安心だと思っていた視聴者が安心できず、不安を持たれてしまっているのではないかと感じた」と報告した。
また、幼児向け教育番組の挿入歌の歌詞に「ママが困ったときに変身して現れ必ず助けに来てくれるパパ・レンジャー」とあり、母親である視聴者から「我が家はひとり親家庭だが、歌詞を聞いて3歳の子どもが傷ついている」との意見が寄せられた。
担当委員は「教育番組だからこそ、よりいっそう配慮してほしいということだろう」と見解。別の委員は「ひとり親家庭のみならず、子どもの中には児童養護施設で育つ子もいるし、さまざまな環境がある。いわゆるステレオタイプ的な家族像や固定観念に関しては、番組制作者がそれらを押し付けてはいけないし、そうすることで傷つく子どもがいることを心にとどめ置くべきだろう」と指摘した。
一方で、「ひとり親家庭の場合、こうした問題に敏感なのは確かだが、(番組が)すべてのケースに対応することもできないだろう。それでも『必ず、絶対(パパが助けてくれる)』という歌詞は、行き過ぎかなと感じる」という委員の意見もあった。
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