不動産サービスで知られるCHINTAIが、家賃7万円以下の条件で賃貸物件を探している人が注目している「東京都の人気エリア」を調査。自治体別・駅別に集計し、それぞれの上位トップ10を公開しています。

【画像】自治体別のランキングを見る

物価上昇の影響は不動産にも

 米や野菜など、さまざまな物の価格が上昇し続けている昨今、物価高騰の影響は不動産業界にも出ているといい、例えば都内の25平方メートル以下の賃貸物件では、2024年4月は6万5000円だった家賃相場が、2025年4月には7万円に達し、1年で5000円も上昇しているそうです。

 そのような背景を踏まえて、不動産情報サイト「CHINTAIネット」の利用者から掲載している賃貸物件に対して届いた「問い合わせ」を集計し、都内の人気エリアを集計。「家賃7万円以下で狙う!お問い合わせ数で見る東京都の人気エリア【自治体・駅別ランキング】」としてまとめました。

自治体別に見るランキング

 自治体別に集計したランキングを見ていくと、東京都の北東部に位置する「足立区」が第1位に選ばれました。「比較的家賃を抑えつつ都心へのアクセスも良好なエリア」であるとして、手頃な家賃とアクセスの良さが人気の理由とみています。第4位の練馬区や第7位の板橋区も同様の理由で高く評価されているといいます。

 第2位に選ばれたのは杉並区で、家賃を抑えつつも複数の路線が利用できるといった「都心へのアクセスの良さ」を求める人から人気が高く、第10位に入った中野区も同様の理由で支持を得ているようです。

 第3位には下北沢や三軒茶屋、経堂などが人気エリアを抱える世田谷区がランクインしており、落ち着いた街というイメージの強さを感じさせます。ほかにも再開発や地域整備が進んでいる大田区葛飾区にも注目が集まっている様子です。

駅別で見るランキング

 駅別のランキングを見ると、阿佐ヶ谷駅荻窪駅八王子駅などを抑えて、江戸川区にある葛西駅が第1位に選ばれました。東京メトロ東西線で都内各所へのアクセスが良好なことや駅周辺の開発が進んでいることなどから、「通いやすく、暮らしやすく、日常の買い物にも困らない、実生活に寄り添った駅」として、利用者から高評価を得ているようです。

 また、第4位に荻窪駅、第6位に阿佐ヶ谷駅、第9位には西荻窪駅がランクインしており、どれも中央線沿線の駅となっています。各駅周辺は「家賃7万円以下の物件が限られるエリア」であるとしつつも、サービス利用者の「条件を工夫しながらでも住みたい」というこだわりが感じられる結果としています。

 第2位の八王子駅、第3位の西八王子駅については、都心へのアクセスの良さと家賃のバランスが取れた地域と評価され、商業施設が充実していることも踏まえて、コスパを重視する層から強く支持されているそうです。

 ちなみに、物件探しの条件としてあげられる要望を男女別でまとめたランキングも発表されています。男女共に第1位は「バス・トイレ別」、第2位は「室内洗濯機置き場」となっており、第3位と第4位は「2階以上」「エアコン付き」が入り、第5位には「独立洗面台」がランクインしています。この5項目は新しい住まいに対する必要最低限の条件として考えている人が多いようですね。

 男女共に基本的な違いはなさそうですが、男性の場合は「ガスコンロ」「インターネット接続可」、女性の場合は「オートロック」「TVモニタインターホン」がトップ10入りしており、男性は利便性を重視する傾向があり、女性は防犯性を重視する傾向があるといった違いが見られました。

【画像】自治体別のランキングを見る