WEC第3戦スパ・フランコルシャンの帰路はグルメを満喫! レース好きな家族との心温まる交流も【みどり独乙通信】

レース好きな家族との心温まる交流

ドイツ在住のモータースポーツジャーナリスト・池ノ内みどりさんは、2025年のWEC(FIA世界耐久選手権)第3戦の取材でベルギースパ・フランコルシャンへ。民宿での会話やグルメなど、ドイツへ帰る道中までの様子をお届けします。

ベルギーでのEVライフとは

世界的に有名なル・マン24時間レースを目前に、その最終調整ともいえる準備レース、WEC(FIA世界耐久選手権)のスパ・フランコルシャンへ取材に行ってきました。ベルギーでも前回のイタリア取材同様、経費削減のため民泊にお世話になっています。民泊の楽しさのひとつは、地元の方と直接お話しできること。

前回のイタリア・イモラではGoogle音声翻訳が大活躍してくれましたが、今回はドイツ語圏のベルギーということで、直接お話できてよかったです。オーナーさんは、ブルーが素敵なプジョーe-2008」というEVカーを所有されていて、毎晩お仕事から帰宅後、敷地内のガレージで充電されています。どうやらベルギーでは新車の車両本体価格がドイツよりも約10%高いらしく、隣国ドイツで購入されたそうです。

近隣には商店さえも一軒もないような村なので、都会と違ってあちこちに充電チャージャーがあるわけではないのですが、「ちょっと心配ではありませんか?」と聞いてみたところ、

「勤務先との往復は走行距離がしっかり分かるので、電費の心配はありません。自宅の屋根に設置してあるソーラーパネルで蓄電しているので、実質的に年間の燃料費はほぼゼロなんです。生活パターンがEVに合っているので、乗り換えて良かったです」

とのこと。まさにEVオーナーさんとしては理想的な生活ですよね。

アルピーヌの活躍に誇りを語る少年

ところで、同じ宿に宿泊していたレース好きなフランス人一家。ご両親とお兄さんは決勝の後は宿泊せず、ご両親は自宅へ、お兄さんはまた別の旅先を目指してバラバラに出発されました。が、次男の方は私が民泊に帰宅したとき、待ち構えてくれていたようにニコニコしながら元気に出迎えてくれました。

「今日のレースは本当に面白かったですね。フランス人として、フランスの自動車メーカーであるアルピーヌが表彰台に立つなんて、本当に特別な気分で誇らしく思います」

と、胸に手を当てて話してくれました。その前日に、3位入賞を果たしたミック・シューマッハ選手にインタビューしたことを話すと、舞い上がっていました。アルピーヌのドライバーやチームの方々も、そんなファンの気持ちを知ったら、さぞかし嬉しいでしょうね。次戦はアルピーヌの母国・フランスで開催されるル・マン24時間レースです。アルピーヌとプジョーは母国での総合優勝を目指していますし、ファンも期待していることでしょうね。

ヌービル選手の故郷でちょっと寄り道

さて、ベルギーから帰る日は日曜日で、大半のお店は閉まっています。私の滞在していた村にはそもそもお店が一軒もないので、隣のザンクト・フィートへ。ドイツ国境に近い小さな町です。ここはWRC世界ラリー選手権)でヒョンデに所属するティエリー・ヌービル選手の故郷。

2024年は日本ラウンドで見事WRC王者の座に輝いたヌービルに、町を挙げて祝賀会が開かれたようです。今もバナーなどで「WRC王者誕生」や「WRC王者出身の町へようこそ」といったものが掲出されているかな? とちょっと期待していましたが、残念ながら見つけられず……。

ドイツベルギーでは日曜日にお店が閉まりますが、パン屋さんやカフェ、飲食店、スナックスタンドのようなお店は開いているので、いつもながらパン屋さんへ寄って帰りました。パンのほかにも、美味しそうなエクレアシュークリームなども購入。素朴な昭和風です。

WEC第3戦スパ・フランコルシャンの帰路はグルメも満喫

そして、レースウィークには毎日早朝に宿を出て夜に帰るクタクタな日々だったため、名物のフリッツフライドポテト)やコロッケを買いに行く時間もありませんでした。なので、帰りに食べて帰りたかったのです。この俵型の牛肉コロッケ、日本のコロッケジャガイモのホクホク感というよりは、ちょっとクリームコロッケに似たクリーミーさがあって、毎回必ず購入してしまいます。そしてもうひとつは揚げソーセージ。ものすごくジャンクな味なのですが、とても美味しいのです。どこへ行っても食いしん坊なことには変わりありません。

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ベルギーに行くと必ず買うポテトと揚げソーセージとコロッケ。どれもジャンクですけどめちゃくちゃ美味しいのです