冷静さも光る藤川監督(C)産経新聞社

 セ・リーグ首位の阪神に独走気配だ。7月8日の広島戦(マツダ)に6-1と勝利。破竹の9連勝で2位、広島との差を7.5まで広げた。

 強い、強すぎる。初回一死二、三塁から4番の佐藤輝明の2点適時打で先制すると、4回には一死一塁から前川右京にも適時打が飛び出し、さらに加点。最近、好調な5番・大山悠輔も5回に2点適時打、7回にも適時打とこの日は4打数2安打3打点と大暴れ。いよいよ勢いが止まらなくなってきた。

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 先発の才木浩人は毎回、走者を出す苦しい展開ながらも、失点は4回に押し出しによる1点のみ。5回1失点と試合を作ると6回からはニック・ネルソン桐敷拓馬、木下里都、湯浅京己と救援陣を投入。怒涛の継投により、最少失点で広島打線を封じ込めた。

 終わってみれば今季最長の9連勝、2位の広島に7.5ゲーム差と完勝となった。

 初回に先制の2点適時打を放った佐藤輝は打点トップの森下翔太に並び、56打点をマーク。本塁打、打点の2冠に返り咲いた。投手陣の踏ん張りも光る。この試合で1963年以来、62年ぶりとなる9試合連続2失点以内を達成した。

 先発陣ではこの日投げた才木以外にも5日のDeNA戦で3勝目をマークした伊藤将司防御率0.59、すでに2完封をマークしているジョン・デュプランティエが1.31、ドラフト1位左腕の伊原陵人が1.26、リーグトップタイの8勝をマークする村上頌樹が1.76と他球団垂涎のラインアップとなっている。

 そして改めて、先発、救援、打線とすべての分野においてチーム整備をしっかり進めてきた藤川球児監督の評価も高まっている。

 この試合で2本の適時打をマークした主軸の大山には先のDeNA3連戦の初戦に積極的休養を与え、コンディションをしっかり整えさせた。

 特に近年は猛暑との戦いになる中、選手のコンディション維持のために試合前練習で従来のユニホームではなく短パンスタイルも解禁と、細かい目配りも欠かさない。

 コーチ経験もない中、いきなりの監督就任で注目されたが、伝統ある球団の指揮官として歴史を守りながら、新しい風も吹かせて、チームを着々と前に進めている。就任1年目の新人監督が優勝となれば、球団史上初の快挙ともなり、長期政権も視野に入る。

 勝負の鉄則、凡事徹底を繰り返し、失策数は土のグラウンドを本拠地としながらリーグ最少。守りを固め、しっかり勝ち星を重ねる藤川監督の手腕にはファンの間からも「球児監督、1年目なのに凄いな」「落ち着いている」「いよいよ、本物だな」「名将への道を着々と歩んでいる」「チームカラーをがらりと変えるのがすごい」「淡々と普通に勝てるのがすごい」と多方面から称賛の声が続々と集まっている。

 このまま好調を維持できるか。今後の戦いも注目を集めていきそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

藤川球児監督の手腕は「いよいよ、本物」就任1年目で破竹の9連勝 圧巻の投打ラインアップを作り上げる 「淡々と普通に勝てるのがすごい」