
日本に対して4月に発表した当初の24%を上回る、25%の関税を8月1日から課すと明らかにしたトランプ大統領。強気の姿勢を貫くアメリカ側と度重なる交渉を務めてきたのが、赤沢大臣だ。
【映像】トランプ大統領のトレードマーク“赤い帽子”を被る赤沢大臣
これまで日本は7度にわたり交渉を続けてきたが、現状より高い関税を突き付けられる結果となった。この結果を受け、ニュース番組『ABEMAヒルズ』のコメンテーター、日本大学危機管理学部教授で東科大特任教授の西田亮介氏は次のように述べた。
「全体的に悪くない印象だ。9日に30%~35%の重たい関税を課せられるのではないかと総理周辺では言われていた。そのことを考えると、確かに関税は高くなったとはいえ、予告されていた24%から25%なので、30%と比べるとだいぶ低い水準」(西田亮介氏、以下同)
「まだ交渉の余地が残されているとほのめかされている印象も受ける。発動が8月1日ということは、タイミングを考えると参院選挙の後。これは普通に考えると、日本政府、政権与党に対する配慮とみなすことができる」
この先の交渉どうなる?

では、アメリカ側はもう少しプレッシャーをかけようと思えばできたのか。
「日本政府にもっと厳しいプレッシャーをかけたいということでいえば、もっと高い数字を示したり、参院選挙の前に発動を通告すると日本国内大混乱は必至で、そういうこともできた。アメリカはアメリカでアメリカ国内に向けて当然、日本に対して厳しい姿勢を示さなければならないので、24%から25%に引き上げた。しかし、日本側からみると、これは事前に言われたよりもだいぶ低く、実質は乏しい。ということは、これまでの日本政府の一連の非公開の提案にアメリカは前向きで、もうひと押しほしいけれど、肯定的に受け取っているシグナルではないか」
この先の交渉はどうなるのか。
「この間、日本製鉄によるUSスチールの買収で、アメリカに対して拒否権行使できるような条件を残すなど日米ウィンウィンの成果が出ている。もう1つ残っているのは自動車。日本の主力輸出製品であるのと同時に、アメリカにとっても象徴的な産業であるところで、もう一押し何かほしいのではないか」
「同時に、制約条件があることもよく理解しているはずだ。日本には、アメリカの自動車メーカーのディーラーがあまり展開しておらず、日本でアメリカの自動車を買うことが難しい状況。これはすぐには変わらないはず。何があり得るかというと、やはり非関税障壁とアメリカが呼んでいるものを変えることだろう。例えば日本の場合、自動車税は排気量によって変わってくる。アメリカの自動車は全般的に排気量が大きい。日本では排気量が大きい自動車は高級品、つまりある種の嗜好品だとみなされているので自動車税が高くなっている。これを引き下げたところで、多くの日本の自動車を購入している一般国民は、小さな排気量の自動車を買っているのであまり影響がない。しかし、ここを調整すれば、実質は乏しいものの、アメリカ向けには譲歩している姿勢を見せたりすることになるのではないか」
(『ABEMAヒルズ』より)

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