まさかの電波通信機能付き! 工事現場で見かける「光るカラーコーン」が光のシンクロを行うハイテク装備だった

この記事をまとめると

■工事現場にはさまざまな用品や設備が置かれている

■代表的なアイテムであるカラーコーンには点灯させるためのアタッチメントが存在する

■最新のモデルでは点灯のタイミングを通信で管理できるモノが存在する

カラーコーンは汎用性が高い

 普段クルマを運転していると、道路やその周囲を工事している現場に出くわすことがあると思います。

 たいていの場合は、いつものスムースな流れを阻害されたことへちょっとだけ不満を覚えつつも、「次は迂回しようかな」なんて考えながら通過して、数分後にはもう頭からそのことは除外されているでしょう。
でも、止められているときにちょっと注意して見ると、いろんな工事用の用品や設備があることに気付くはず。

工事現場名物のカラーコーンがサイバー化していた

 ここでは、そんな工事用のグッズのなかから、ハイテクな技術を感じる、カラーコーンの上に載る点滅灯にスポットを当ててちょっと紹介してみましょう。

■ただ点滅するだけのアイテムだけどそこにはいろんな工夫が詰まっていた

 工事現場にあるアイテムといえば、まず何を思い浮かべるでしょうか? そうです「カラーコーン」ですね(※諸説あり)。

 その思い浮かべたカラーコーンはきっと、朱色寄りの赤い色をしているでしょう。というのも、工事現場で実際に使用されているカラーコーンの多くは赤ですが、用途によっては黄色だったり緑だったりと、その名のとおり“カラー”はさまざまです。

工事現場名物のカラーコーンがサイバー化していた

 ただ、カラーコーンの用途は(運転者の)注目を集めて、「そこに避けるべき対象がありますよ」と示すことなので、目立つ色を使うというのがまず第一にあるでしょう。

 日中の用途であれば、まずあの赤や黄色を見落とすことは少ないと思いますが、これが夜間や霧の深いところなど、肉眼で視認出来づらい状況になると話は別。いくら目立つ色でも限界があり、見落とされるリスクは増えてしまいます。

 そのために考え出されたのが、カラーコーンの視認性を補助するための点滅灯です。

 ちなみに点滅灯には、商品ごと、あるいは用途によって名称がいくつかあるようで、たとえば「警告灯」、「工事灯」などが一般的なようです。

工事現場名物のカラーコーンがサイバー化していた

 ひと昔前は、おそらく電池式で赤い光で点滅を繰り返すだけの円筒形のものをよく見かけました。あるいはカラーコーンの間に数珠つなぎのように張られた、透明のチューブの内部に点滅する赤いLEDが仕込まれたものもありました。

 あれのおかげで、夜間や濃霧の状態でも離れたところから工事現場の存在を視認できるようになり、交通の安全にかなり寄与したことでしょう。

 それからいろいろ技術が進歩したのに合わせて、ソーラー給電とリチャージブルバッテリーを組み合わせた長期間可動できるタイプなどが生まれて現場の使い勝手はだいぶ向上しています。

カラーコーンの頭に通信機能を搭載

■点滅が同期する最新モデルも!

 一般的な点滅灯は、点滅の間隔が商品ごとに一定で統一されていますが、そのタイミングはスイッチを入れた時期によってマチマチです。つまり、それを道路に並べたときには点滅のタイミングがバラバラになってしまいます。

 実際、その状態でも夜間や濃霧の状態での視認性は十分に確保できていると思いますが、見ている側はバラバラの点滅を見せられると、なんだか落ち着きませんよね。運転中にそれが目に入ったときには、無意識に気を取られてしまうかもしれません。

工事現場名物のカラーコーンがサイバー化していた

 そこで、「綺麗に同期させられる方法はないものか?」、と考え出されたのが、「株式会社 仙台銘板」が発売する通信式同期工事灯「アイコレクト」です。

 これは、電波で相互に通信を行うことで点滅のタイミングをキレイに揃えてくれる、という同期システムを搭載しています。

工事現場名物のカラーコーンがサイバー化していた

 通信の方式は、2.4GHz周波数帯を使った無線で行っています。この周波数帯は、周波数が低めのため遠くまで届かせやすいという特性から、身近なところでは「Wi-Fi」に使われていたりします。

 操作方法はごく単純で、スイッチを入れれば、先にONになっている端末の信号をキャッチしてそのタイミングに合わせて後続の端末が同調していくという仕組みです。

 そしてもうひとつの注目点が自動点灯開始機能です。

工事現場名物のカラーコーンがサイバー化していた

 いまどきのクルマには、自動で周囲の明るさを検知してヘッドライトを点灯したり、対向車とすれ違うときに下向きにしてくれる機能が搭載されていますが、この商品には、その自動点灯開始のプロトコルを導入した電力消費セーブ機能が備わっています。

 具体的には、自動車と同じく照度センサーが1000ルクスの照度を基準にして、下まわればONに、上まわればOFFにしてくれるという仕組みです。まさにハイテクですね。

■長時間の使用や耐候性なども考慮した設計

 上記のように、ソフトウエアで長時間の使用をサポートしつつ、基本的な電力供給をソーラーパネルで行うことで、管理の労力低減を図っています。これは環境への負荷も減らせるので、エコにも貢献というわけですね。

 また、悪天候や粉塵など、過酷な状況での使用も考慮して、耐侯性能や堅牢製も考えられているようです。

 普段はあまり気にかけていなかった工事現場のグッズが、いつの間にか最新技術を取り入れて進化していたなんて、数年会っていなかった甥っ子や姪っ子が思ったより成長していたのを知ったかのような気もちになりました。

 点灯するコーンを見掛けたら、ちょっとだけ注目してみたいと思います。

工事現場名物のカラーコーンがサイバー化していた

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