
2022年に放送され、丁寧な作画とキャラクター描写で世界中に“コスキュン”旋風を巻き起こしたTVアニメ『その着せ替え人形は恋をする』。ファンからの熱い声援に応え、3年の時を経て待望のSeason 2が2025年7月5日より放送開始。原作は累計1300万部を突破した福田晋一による大人気漫画。制作はSeason 1に引き続きCloverWorksが担当し、PVが公開されるや否や、その圧倒的クオリティが再び話題を呼んでいる。今回は、そんな熱い期待を一身に背負い、主演を務める直田姫奈と石毛翔弥にインタビューを実施。3年という月日は、二人にどのような変化をもたらしたのか。Season 2の大きな見どころである文化祭編にちなみ、二人のリアルな高校時代の思い出も語ってもらった。
【写真】直田姫奈と石毛翔弥が高校時代の思い出トークで盛り上がる
■喜びからプレッシャーへ。3年分の「待ってたよ」を背負って
ーーファン待望のSeason 2ですが、制作が決定した時の率直な気持ちをお聞かせください。
直田 3年前のイベントでサプライズ発表された時は、心の底から嬉しかったです。でも同時に、この3年間、ファンの皆さんがずっと「待ってるよ」と言い続けてくださっているのを肌で感じていたので、その大きな期待に応えられるだろうかというプレッシャーも日に日に大きくなっていきましたね。海夢ちゃんたちの物語の中では数週間しか経っていなくても、私たちは3年分歳を重ねていますから、「私、まだできるかな?」ってドキドキで(笑)。
石毛 僕もまったく同じです。周りの方からもよく「Season 2はいつやるの?」って聞かれていましたし、とにかく大きな期待感を感じていました。僕がSeason 2のタイミングを知ったのは、自分のスケジュール表にしれっと「着せ恋収録(仮)」って入っているのを見て、「うわ、始まるんだ!」と(笑)。最初の収録から3年くらい経っていましたし、ファンの皆さんのハードルも確実に上がっているのを感じていたので、そこは直田さんと同じく、喜びと同時にプレッシャーもありました。
ーー3年ぶりのアフレコ現場の雰囲気はいかがでしたか?
石毛 圧倒的に変わったのは、収録時の人数の多さですね。Season 1の時はコロナ禍だったので、最大でも4人での収録だったんですよ。なので最初は「着せ恋らしからぬ人数だな」と驚きました(笑)。そのぶん、Season 2のスタートからワイワイと、すごく楽しい雰囲気で始まりました。
直田 私も本当に人が多くてびっくりしました(笑)。でもスタッフさんやキャストさんたちの作品に対する熱量は変わっていなくて、「妥協しないぞ」っていう意識はむしろもっと熱くなっているんじゃないかと思ったくらいです。あと、これは個人的な発見なんですけど、篠原啓輔監督がSeason 1の時よりすごくフレンドリーになっていました(笑)。
石毛 あ、それは僕も感じました(笑)。
ーー(笑)。具体的にはどのように?
直田 収録が終わると必ず外で待っていてくださって、「今日も素敵でした!」って拍手で出迎えてくれるんですよ。Season 1の時はコロナの影響もあり、対面での直接交流は控えていたらしいんですけど、今回はそれが解放されたので(笑)。なので私も「ああ、一緒に作ってるんだな」って感じられて、より強いチームになったなと思います。
石毛 そうですね。Season 1から関わっている皆さんはもちろん、今回から参加されたキャストの皆さんも元々原作ファンだったり、作品が好きな方ばかりなんです。本当に“着せ恋愛”に溢れた、最高の現場です。
ーー3年ぶりにそれぞれの役を演じる上で、感覚を取り戻すのに苦労はありましたか?
直田 最初こそちょっぴり不安はありましたけど、最初の収録で音響監督さんから「そのまんまだよ。その調子でやろう」って言っていただけて、本当にホッとしました。「ああ、私、ちゃんと海夢ちゃんでいれたんだ」って。ただ、『着せ恋』はセリフのテンポが独特で速いので、「うわ、これが着せ恋だった!」って、洗礼を浴びながら感覚を取り戻していったところもありますね。
石毛 僕も最初は少し緊張したんですけど、Season 2の最初の話数で五条くんが「行動力!」って叫ぶシーンがあって、それを言った瞬間「これだ!」と、一気に感覚が戻ってきました。Season 1の「何ですって!?」もそうでしたけど、五条くんの指針になるセリフというのがいくつかあって、今回もそれに助けられました。
■文化祭編とシンクロする!? 二人のリアルな高校時代とは?
ーーSeason 2では「文化祭」が注目イベントとなりますが、お二人の文化祭の思い出は?
石毛 僕の場合、クラス単位で出し物をしたり出店した経験はないんですよね。その代わり、高校時代は演劇専門コースだったので、年に一度、ホールで公演するのが僕にとっての文化祭のような感覚でした。男性が少なかったので、高校2年生からは主人公を演じさせてもらっていましたね。
ーー主人公ということは、つまり座長ですよね。
石毛 そうですね。ただ僕自身は「よしやるぞ!」みたいにみんなを引っ張っていくタイプではなかったので…。とにかく自分が出来ることをひたむきにやって、その熱量が少しでも周りに伝わればいいな、という気持ちでした。そういう意味では、自己主張が苦手な五条くんと少し似ているかもしれません。
直田 それで言うと私は「THE文化祭」っていう感じでした。生徒会に入っていたので、クラスの出し物と運営を掛け持ちしていてめちゃめちゃ忙しかったですし、さらには「○○ちゃんと○○くんをくっつけるぞ!」みたいなことを裏で画策したりもしてて(笑)。
石毛 仕事量エグいですね(笑)
直田 たしかに。でも当時はそれが楽しくて、絵に描いたような“青春”でしたね。
ーーSeason 2における、新菜と海夢の関係性の見どころを教えてください。
直田 Season 2では、海夢ちゃんの五条くんへの恋心がよりはっきりした方向に進んでいきます。Season 1でもすでにいろいろな妄想はしてましたけど(笑)、それがもっと積極的になっていきますね。
石毛 五条くんは恋愛経験がないから、自分の感情が何なのかまだ分かっていない。喜多川さんがぐいぐい来るのに対して、五条くんはなかなか気づかなくて。Season 2では、そんな意図せぬすれ違いがすごく面白くて、そして尊く描かれているなと思います。
――Season 2では魅力的な新キャラクターも多数登場します。お二人がとくに注目しているキャラクターはいますか?
石毛 これはもう絶対に見てほしいんですけど、宇佐見さんです! Season 1の時からいつ登場するのかずっと楽しみにしてたんですよ。果たして出るのか、出るならどういう形かなと思っていたら、「なるほど、こう来たか!」と。現場でキャストさんにお会いした際には、直田さんと二人で駆けつけて「待ってました!」って(笑)。
ーー宇佐見さんのこととなると急にテンションが高くなりますね。
直田 でも本当にこのテンション感で伝えましたよね(笑)。きっとファンの方も楽しみにしていると思うので、ぜひ期待していてください。あと個人的には(姫野)あまね(CV:村瀬歩)様も注目です。原作を読んでいる時から「このキャラクターの村瀬さんしかいない!」って勝手に“オタク”として想像していたんです。そしたら、アフレコ現場で本当に村瀬さんが演じられていて……。その時はもうただのオタクとして「あまね様を演じてくれてありがとうございます!」という気持ちでいっぱいで、超幸せな気持ちになりました(笑)。
ーーでは最後に、放送を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。
石毛 Season 1のピュアピュアな物語から、Season 2はキャストも増えて、より熱く、キラキラした青春のストーリーになっています。もちろん、喜多川さんと五条くん二人の物語もそれ以上に深く描かれています。3年間待っていただいた期待に応えられる作品になっていると思いますので、ぜひ放送を楽しみにしていてください。
直田 Season 2は、高校生らしい青春の甘酸っぱさもあれば、ラブコメ全振りのキュンキュンするシーンもあって、本当に振り幅の広い作品になりました。見ているうちに、きっと二人の恋を応援したくなるはずですので、もう没頭して見てください! この夏はぜひ“着せ恋”一色にしてもらえたら嬉しいです。
■取材・文=岡本大介

コメント