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戦略的スタイリングとパッケージング

今、1番トラッドなBMWといえば? 恐らく、G42型の2シリーズ・クーペだろう。長いボンネットの先を、大きすぎないキドニーグリルが飾り、リアピラーの付け根にはホフマイスター・キンクも備わる。望めば、直列6気筒エンジンも選べる。

【画像】戦略的デザインとパッケージング BMW 2シリーズ 4気筒で楽しめるクーペたち 全142枚

後輪駆動で、ボディサイズはラインナップの中では小柄な方といえ、シートは2+2。従来からのブランド・ファンを引き止めつつ、若い世代にもアピールするという、戦略的なスタイリングとパッケージングだと思う。

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BMW 220i クーペ Mスポーツ(英国仕様)

技術的には4シリーズと共有しつつ、価格も高すぎない。英国では、3万6010ポンド(約702万円)からだ。

選べるエンジンは、英国仕様では3種類。220iと230iには、それぞれ183psと244psに設定された、2.0L 直列4気筒が載る。四輪駆動の240iでは、384psの直列6気筒になる。この上には、走りを極めたM2も存在する。

E30型M3とイメージが重なるコークボトル

そんな2シリーズ・クーペは、モデル中期のアップデートを受けたばかり。新しいフロントマスクにサイドスカート、リアディフューザーが与えられ、ホイールとボディカラーの選択肢も更新され、新鮮味が維持されている。

フェンダーラインが膨らみドア付近がくびれた、コークボトルラインは健在。古くからのファンの中には、E30型のM3とイメージを重ねる方もいらっしゃるだろう。

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BMW 220i クーペ Mスポーツ(英国仕様)

現在のBMWは、偶数シリーズは1つ小さい奇数シリーズのクーペやスポーツモデル、とカテゴリー分けされている。つまり、2シリーズは1シリーズの兄弟といえるが、このクーペの場合、グランクーペやアクティブツアラーとは異なり、メカニズムは別物だ。

プラットフォームは、縦置きエンジンに対応したCLARの短縮版。先述の通り、3シリーズや4シリーズの方が、関係性は近い。

小変更でワイドなモニターパネルを獲得

ドアを開くと現代のBMWらしく、ワイドなモニターが出迎えてくれる。今回の小変更で、メーター用は12.3インチ、インフォテインメント用は14.9インチの一体型パネルになり、エアコンの操作系も集約された。アンビエントライトも新しい。

ソフトの操作性は悪くない。しかし、ヒーターの温度調整などは、従来の方がしやすかったことは否定できない。

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BMW 220i クーペ Mスポーツ(英国仕様)

前席側の空間にはゆとりがあり、シートの座り心地は素晴らしい。従来どおり着座位置は低く、調整域も広く、理想的な運転姿勢を探し出せるはず。操作系の人間工学も良好で、ステアリングホイールはリムの太いM仕様が組まれる。

同クラスのメルセデス・ベンツを少し上回る、高品質な内装も変わらない。クーペの2+2だから、後席側の空間は余裕が限られる。長距離を快適に過ごせるのは、小柄な大人までだろう。

走りの印象とスペックは、小変更 BMW 2シリーズ・クーペ(2)にて。


いま1番トラッドなBMW 小変更 2シリーズ・クーペ(1) 肝な戦略的デザインとパッケージング