
Samsungの最新フォルダブルスマートフォン『Galaxy Z Fold7(SIMフリーモデル)』が、2025年8月1日に発売される。予約は7月17日からスタートし、実機展示は7月10日より「Galaxy Harajuku」や「Galaxy Studio Osaka」「Galaxy Pop-up Studio @Yodobashi Akiba」で順次始まる。
それに先立ち、メディア向けの体験会で一足先に実機に触れられたので、とくに気になったポイントに絞って、その第一印象をお届けする。
(関連:【画像】折りたたみスマホ『Galaxy Z Fold7』製品細部・デザインなど)
◼︎「これが折りたたみ…?」ついに“厚さの壁”を超えてきた
一度持っただけで、「かつてない薄さと軽さ」という謳い文句に疑いの余地なしだと実感した。
『Galaxy Z Fold7』は、展開時で約4.2mm、たたんだ状態でも8.9mm。重さも約215g。カバー画面は約6.5インチへ拡大されていて、前モデルから11%拡大。閉じた状態でも“普通のスマホ”と何も変わらない操作性だ。
『Galaxy Z Fold3』を長らく使用していた自分から見ると、折りたたみスマホ特有の「ゴツさ」のようなものが消えていて、手にした瞬間「もうここまできたのか…」と感動してしまった。フォルダブル=分厚くて重たい。そんな時代は、『Galaxy Z Fold7』にて終焉したといって良いと思う。
一般的な一画面型スマホのような軽快さをちゃんと残しつつ、広げれば大画面という“いいとこ取り”な一台に仕上がっている。
◼︎目をつぶって持てば、もうどちらがiPhoneか分からないかも
『iPhone 15 Pro』が8.25mm、『Galaxy Z Fold7』は折りたたみ時で8.9mm。数字だけ見れば多少差はあるが、実際に手にすると、その差はほとんど感じられないレベルだ。目をつぶって持たされたら、正直もうどちらが折りたたみかなんて分からない。
重量に関しても、『iPhone 15 Pro』が187g、『Galaxy Z Fold7』は215gと、スペック上はやや重い。だが、画面を広げればタブレット級になるということを考えれば、本来のライバルとなる(?)『iPhone 15 Pro Max』は221gなので、比べ方によっては“むしろ軽い”とさえ言えてしまうだろう。
プロセッサーやカメラの進化もたしかにある。だが正直、この圧倒的な“薄さ”のインパクトの前では、もはや副菜のようなもの。「折りたたみって、ここまで来たのか」──そんな言葉が自然と出てくる仕上がりである。7世代目にしてここまでプロダクトの完成度を高めてきたSamsungには感服だ。
今まで「気になるけど、まぁ見るだけでいいかな」と思っていた人でも、今回は手を伸ばしたくなるかもしれない。ただ、256GBモデルで265,750円(税込)から、という価格には、思わず手を引っ込めてしまう人もいるかもしれない。
◼︎ただし、すべてを手に入れたわけではない
これだけ薄く、軽く、美しく仕上げてきたわけだが、その分いくつか削られた機能もある。
まずひとつ目は、「Sペン」の非対応化。スマホ1台で、ポケットにスッと収まって、開けば作業場。まるで一枚の紙が、メモ帳にもノートにもなるような感覚。そんな“使うシーンを選ばない万能さ”を担保していたのが、Sペン対応だった。
今回の非対応について、担当者は「より多くのユーザーの期待に応えた形」と話していたが、活用していた人にとっては受け入れ難い事実かもしれない。
とはいえ、正直、自分もSペンを“使いこなしていた”かというと微妙なところ。開けば小型タブレットのような大画面とはいえ、11インチや13インチクラスのタブレットに慣れていると、どうしてもインプット用としては少し狭さを感じる場面もあった。
Sペンを諦めたからこそ、この驚異的な薄さと軽さが実現できたのだとすれば、その取捨選択はアリだと感じる。ただ、ペン対応の便利さは言うまでもないので、次回モデルでの“復活劇”にも密かに期待したい。
そしてもうひとつ──画面内蔵だったインカメラが、「パンチホール型」に戻った点も見逃せない。『Galaxy Z Fold3』以降、アンダーディスプレイカメラ(UDC)を採用し、カメラの存在を意識させない、より“全画面”に近い没入感が味わえた。あの感じ、ちょっとした未来感があって、個人的にはかなり好きだった。
もちろん、iPhoneのノッチやダイナミックアイランドにすぐ慣れてしまったように、おそらくパンチホールもすぐ馴染むだろう。わかってはいる。でも、アンダーディスプレイカメラには、それを超える“ロマン”が詰まっていたのだ。
おそらく今回の薄型化のために、技術的に折り合いがつかなかった部分なのだろうと想像しつつ、ここもまた、次回モデルでの“復活劇”に期待したいところである。
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そのほか個人的な話をすれば、デバイスは白系で揃えたい派なので、今回ホワイトのカラバリが用意されていないのは少し寂しく感じた(シルバーシャドウ、ミントは近しいカラーリングだがホワイトとは言えない発色に感じた)。とはいえ、ここまで完成度が高いと、そうした小さな不満も飲み込んでしまうくらいの説得力がある。7世代目にして、ようやく“理想のフォルダブル”に近づいたと感じさせてくれる一台だ。
ただ、悩ましいのはここからだ。
というのも、謎の不具合で長年愛用していた『Galaxy Z Fold3』が突然文鎮化してしまったいま、自分にとって『Fold7』はまさに“買い替え候補の大本命”。……なのだが、それにしてもやっぱり価格が高い。
Sペン非対応となった点も含めて考えると、中古価格が落ち着いてきて12万円前後で買える『Galaxy Z Fold5』あたりが、むしろ今ならバランスの良い選択肢にも思えてくる。
進化した分だけ、逆に選択肢が広がってしまう。『Galaxy Z Fold7』の登場によって、フォルダブルスマホ選びはさらに悩ましいものとなってしまったのかもしれない……。

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