庭のブロック塀を破壊し、おしゃれなフェンスを設けた結果がYouTubeで話題です。動画の再生数は記事執筆時点で17万回を超えています。

【画像】DIY後

 動画を投稿したのは、YouTubeチャンネル「じぶん流DIYちゃんねる」の片井さん。社宅退去の定年を見据えて茨城県鹿嶋市にある空き家を150万円で購入。理想の“終の住まい”とするべくコツコツとリノベーションを進めています。

 家の改装が進むにつれ、フェンスや塀とのミスマッチが鮮明になってきたので外構の全面リニューアルを決断。古いブロック塀やフェンスをひたすら撤去し、後は庭の一角に立っている「建築基準法に準拠していないブロック塀」を壊すだけとなりました。

 高さが1.2メートルを超える場合は「控え壁」を3.4メートル以内の間隔で設置する必要がありますが、このブロック塀にはその控え壁がありません。建築基準法が改正されたのは1981年で、この平屋が建てられたのは1984年。そんな違法建築物の先にあるのはお墓です。

 墓地は大切な人をしのぶすてきな場所だと考えている片井さん。塀を破壊して他人のお墓が丸見えの状態となってしまうのは何だか気まずいので、目隠しになるオシャレなフェンスを取り付けることにしました。

 土留めとして使うため、下2段のブロックを残してダイヤモンドディスクでカット。それより上の部分をハンマーで壊していきますが、塀は非常に硬くて少したたいただけでは崩れません。この難敵を攻略する方法はただ1つ。手を動かし続けることです。「やれば、いつかは終わる」と自身に言い聞かせながらたたき続け、ついに全て解体しました。スタートからハードすぎる。

 がれきのうち、大きい物は回収コンテナへ入れて業者に引き取ってもらいます。小さな物は私道の補修に使用。いずれは道路舗装にもチャレンジしたいそうです。

 がれきを撤去したら、オーダーメイドで用意したフェンスの部材を搬入。今回はさまざまなパーツを組み立てて作る方式を採用しました。その数はすさまじく多く、山のように積まれています。この山の中から必要なパーツをいちいち探していては作業が終わりません。

 そこで、メーカーからもらった図面をもとに仕分けリストを作成。組み立てたい気持ちを抑え、まずは仕分け作業を行います。

 フェンスの部品はサイズが細かく分かれており、特に厄介なのは曲線を構成する「ピケット」の部分。並べた際にきれいな曲線となるよう作られているため、それぞれの長さの違いは数ミリ程度。パッと見ただけでは、その微妙な違いが分かりません。

 各ピケットの長さを確認したら、内側にサイズを記入。セットごとに仕分けます。細かい作業ですが、これをやっておかないと交ざったときの判別が大変です。「段取り八分、仕事二分」の言葉を信じ、1日かけて全てのパーツを仕分けました。

 いよいよフェンスを設置する作業に入ります。まずは細長い角材を使い、残しておいたブロックに柱の位置をマーキング。複式シャベルで、柱を立てるための深さ60センチの穴を掘りました。

 穴の底を転圧して固めたら、砕石を敷いて再び転圧。1つ目の穴が完成したところでレーザーレベラーとレーザー受光器を使い、この穴を基準とした「レベル棒」を作りました。

 棒に取り付けた受光器は、レーザー光を感知すると音を発します。この棒を使ってさらに穴を掘り、3時間もの時間を費やして同じ深さの穴を5個設けました。

 楽しみにしていた組み立て作業そのものは、仕分けをしていたこともあってスムーズに進行。「X」字に組んだ木材を使うことで、1人でも柱が立てられます。取り付けた2つの水平器を頼りに垂直となるように柱を微調整したら、パネルを取り付けました。

 フェンスのパネル部分は柱に差し込むだけで簡単に組み立てられる仕様。最上部のレールを取り付けたら、仕分け作業で最も大変だったピケットを差し込みます。同様の作業を繰り返し、お墓に面している側のフェンスを全て組み立てました。

 ここで、砂とセメントを混ぜて「から練りモルタル」を用意。柱の埋設穴に詰めたら軽く散水します。このモルタルは土中の湿気で十分に固まるとのこと。

 一気に残りのフェンスも組み上げ、柱とピケットの上部にキャップの装飾を施せば完成! 庭の一角におしゃれな白いフェンスが出来上がりました。

 庭の印象が一変するDIYに、コメント欄では「うわー! とってもステキなフェンスですね」「すご~い! 1人でなんて本当にすごい!」「センスが良いですね!」「これは大変だわ」「おうちと塀の雰囲気がピッタリ」「ビックリしました」「コツコツ、本当に頭が下がります」「一部完成でも圧巻ですね」「体力と根性に敬服いたします」といった感想が寄せられています。

 片井さんは、この他にも外壁や断熱窓をリノベーションする様子などをYouTubeチャンネル「じぶん流DIYちゃんねる」で公開中です。

動画提供:YouTubeチャンネル「じぶん流DIYちゃんねる」

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