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GT3レーサーとホモロゲーションモデルか

トヨタは、7月10日に英国で開幕したグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて、新型スーパーカープロトタイプを初公開した。

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2022年にコンセプトモデルとして発表された、トヨタGR GT3レーシングカーのホモロゲーションモデルで、今回のグッドウッドでは2台揃ってヒルクライムレースに挑戦した。

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グッドウッドで走りを披露する2台のプロトタイプ(手前がロードカー、奥がレースカーと思われる)    AUTOCAR

まだ詳細は明らかにされていないが、GT3 GRのロードカー(公道)仕様は、LFA、LC 500、RC Fなどの大排気量スポーツカーを手掛けてたプレミアムブランドの歴史を鑑み、トヨタではなくレクサスから販売される可能性が高い。

そのため、LFAの精神的後継車に位置づけられ、『LFR』という名称が採用されるかもしれない。アストン マーティン・ヴァンテージやメルセデスAMG GTなどのライバルとなるだろう。

FIAのホモロゲーション規定により、GT3レーサーと基本ボディデザインを共有するロードカーの販売が義務付けられているため、2026年末頃にショールームに登場する見込みだ。アストン マーティンBMWフェラーリフォードランボルギーニレクサスマクラーレンメルセデスAMGポルシェは現在、GT3のカスタマーレーサーを販売している。

トヨタは以前、GRヤリスのように、「市販車をモータースポーツ用に改造するだけでなく、モータースポーツカーの商品化」を今後も継続すると述べていた。

唸るV8エンジン 片方はハイブリッド?

グッドウッドの坂道を駆け上がるGR GT3(巨大なリアウィング装備)のサウンドは、紛れもなくV8エンジンそのものだ。しかし、並走するロードカー仕様は少し静かで、おそらくは排出ガス規制に対応するためにハイブリッド・システムが搭載されていると思われる。

現在、GRモデルにはハイブリッドが採用されていないが、本格的なテストは行われている。昨年、このプロジェクトに携わるGRエンジニアの山田寛之氏はAUTOCARの取材で、「今後のモデルにはハイブリッドを採用する可能性があります。排出ガス規制のため、将来はモータースポーツ活動でも使用するつもりです」と語っていた。

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V8らしいエンジンサウンドを響かせながら、グッドウッドヒルクライムに挑んだ。    AUTOCAR

トヨタは以前から、GRモデルへのハイブリッドの搭載を検討してきた。2023年、最高技術責任者(CTO)の中島裕樹氏はAUTOCARに対して、「ハイブリッド・システムは、乗用車だけでなく、スポーツカーにとっても優れた環境対応ソリューションです」と語っている。

ロードカーの仕様はまだ発表されていないが、レーシングカーはGT3規定に基づき、最高出力は約500~600ps、重量は1300kg以下となる。ロードカーでは、これにハイブリッド・システムを追加することで、出力は700ps近くに達すると予想されている。

レクサスは欧州市場向けのRCとLCの生産を終了し、後継車の計画に関しては公式にはコメントしていない。しかし、2021年にはコンセプトカー『エレクトリファド・スポーツ』を発表するなど、高性能モデルへのコミットメントを示している。

エレクトリファド・スポーツは、2020年代末までに量産化が予定されており、V8エンジンではなく電気モーターを搭載するEVとなる。しかし、トヨタのGR GT3と同じカーボンファイバー製モノコック構造を採用し、キャビンが後方寄りに配置されたシルエットも同様であることが確認されている。このことから、レクサスは今後5年以内に、同じシャシーをベースに、まったく異なるパワートレインを搭載した2種類のスーパーカーを発売する可能性がある。


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