俳優デビュー25周年を迎える上戸彩が、15年ぶりとなる写真集「Midday Reverie(ミッドデイ・リヴァリー)」(宝島社)を7月10日(木)に発売。上戸へのインタビューを実施し、台湾での撮影や写真集の見どころ、25年続けてきた芝居への思い、仕事と家事の両立など、さまざまなことを語ってもらった。前編、後編の2回にわたって送る。

【写真】背中が大きく開いたドレス姿で異国の自然に囲まれる上戸彩

■写真集決定に「なんで今の私に?」

――写真集が決まった時の心境から教えてください。

最初の心境は疑問と不安ですね。“なんで?”“なんで今の私に?”“私の写真集を手に取ってくださるのだろうか”っていうのが最初の気持ちでした。

でも、今回私が役者デビュー25周年、写真集が15年ぶりだそうで。私はそういうのに疎い方なんですが、そういう節目に本を残せるというのはありがたいチャンスだと思いましたし、このきっかけを逃したら写真集ってもうやらないんだろうなと思ったので、“このチャンスで”と思いました。

――写真集決定の情報が出てから、ネットでは喜ぶファンの声を多数見ました。

皆さんリアクションしてくださっていますよね、今のところは(笑)。とはいえ、まだそこから買う、買わないはまた別問題で。そこはまだまだ不安です。

■家族の「行ってきな」の声で台湾へ

――撮影場所を台湾にしたのは?

みんなで相談しながら決めました。写真集を出すのにこんなに打ち合わせを重ねたことも初体験で、本当にみんなで細かく話し合いながら、いろいろな方の写真集を見ながら方向性を決めたりしました。

やっぱり私には子供が3人いるので、自分の気持ち的にもあまり遠出ができないので、近場でっていうことで、国内の島がいくつか候補に挙がったんですが、「台湾だったら行けそうだね」となって。海外もコロナからずっと行けてなかったし、家族に相談したら「行ってきな」と言ってくれたので、台湾に決めました。

あと、(カメラマンの川島)小鳥さんは台湾を撮るのがすごくお上手というか、台湾に詳しいので、“じゃあ、台湾で小鳥さんと”ってなりました。

■台湾の思い出は「巨大台風の直撃(笑)」

――台湾の思い出は何かありますか?

まず一番の出来事は台風直撃で…しかも巨大。何十年かぶりの巨大台風みたいで、これ(帰りの便を)逃したら、もう3、4日さらに延泊になっちゃうということで、(滞在期間を)1日削って台風が直撃する前に帰ってきたんです。

それで、スタッフも私も火がついたように楽しくなってきちゃって。もう着られるものを着られるうちに(撮って)、載ってない写真もたくさんあるんですが、それぐらいいろんな所でいろんな衣装を着て、相当な分量の撮影ができました。最初の予定よりたくさん撮れています。

――撮影の前に準備したことなどはあったのでしょうか?

もっと鍛えたかったです。もっと腕もシュッとしたかったし、背中もおなかもシュッときれいにしたかったですね。ハードスケジュールの中に写真集撮影が入ってきて、街中に緑が残っているうちに撮影したいということで、それが映画撮影のすぐ後で、休む時間もトレーニングする時間も全然なくて台湾に行ってしまったので、心残りと言えばもうちょっと写真集用にちゃんとトレーニングしたかったなって。

普段から時間がある時は、体の巡りを良くするような、健康のための運動はやっていたんですけど、鍛えるという運動はしていなかったので、ちょっと悔しさが残っています。

■リクエストするよりオーダーがある方が得意

――川島さんとの撮影はいかがでしたか?

小鳥さんのお名前をご提案いただいて検索したら「未来ちゃん」という小鳥さんの代表作の写真集が出てきたんです。私、「未来ちゃん」が大好きで、“なんでこんな子供の無邪気な顔を撮れるんだろう?”って当時すごく思って。きっととてもすてきな人に違いない、会ってみたいなというところから、実際にお会いして決まったという感じです。

小鳥さんはものすごく柔らかくて、優しくて、穏やかで、マイペースでかわいらしさもある方でした。台湾では、みんなで台湾式マッサージに2日連続で撮影終わりに行ったんですけど、小鳥さんがどんどんむくみが取れていってました…(笑)。

――撮影する中で上戸さんからのリクエストなどはあったんですか?

私は基本的にオーダーがある方が得意で、あまり自分でこうしたいとか欲があるタイプではないから、本当に“小鳥さん、今みんなで楽しんでいるこの姿を収めてください”という感じで撮っていただきました。出来上がった写真を見たら、もう大口を開けて笑っている写真とかたくさんあって、デザイナーさんも選ぶのが大変だったと思います。

■ほぼ素顔…「もう本当にドキュメンタリーでした」

――確かに素の表情を感じられる写真が多いですね。

ほぼ素顔ですね。だから、ちょっと決めているような、格好つけているような写真はほぼないんじゃないかな? 寝起きだったり、すっぴんのところもあるんですけど、普通だったら朝起きて、時間がたって何枚か撮った後に、「じゃあ、そろそろナチュラルメークで」「寝起き風な写真で」っていうのが普通だと思うんですけど、(撮影)日数も1日削れちゃったし、この日しか撮れないという、朝にメークする前に撮るみたいな。もう本当にドキュメンタリーでした。

――それは上戸さんだからできることですよね。

いやいや、あまりきれいに見せようとか、そういう気持ちがこっぱずかしい方で。どちらかというと今のまんま、ありのままを見せたいですね。だから、きれいなものじゃないと思う。

――上戸さんは本当に昔から変わらないなという印象ですし、「ずっとかわいい」という世間の声もよく聞きます。

変わっていますから。本当に変わっています。体も壊しやすくなってきたし、疲れるようにもなってきたし、変わっていますよ。だから、ありがたいです。「変わってないね」と言われることが。

15年ぶりに写真集を発売した上戸彩にインタビュー/撮影:山田健史