
コミックの映像化や、小説のコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、BlandocoPalomaさんが描く『異世界引っ越しプロジェクト』をピックアップ。
BlandocoPalomaさんが6月22日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、4,000件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、BlandocoPalomaさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
■異世界人が移住、そしてまるごと引っ越しへ…
ある日、主人公・新関立(にいぜきたつる)は、頭の大きな異世界人と出会う。11年ほど前から増え始めた異世界からの移民は、政府によると世界中で日本だけ。
立は異世界人の迷い人を市役所へ連れて行き、その帰り道に商店街を歩いてると、今度は立が異世界に迷い込んでしまう。そこでスキラという少女に出会う。昔は沢山人が住んでいたという異世界は、今はほとんどの人が別世界へ行ってしまったと言う。
しばらくすると、アオイとナガレという双子が帰宅。双子に立が滞在する部屋を案内してもらっていると、2人は元の世界に早く帰った方がいいと言う。そして、立はこの世界の寿命があと30日で、人々は避難のために別世界へ行ったのだと知る。しかし、スキラは空っぽの街のままこの世界が終わるのは嫌だと思い、再び皆を戻そうとしたのだと語る。寂しそうに話すスキラに、立は異世界から来た人たちがこの世界をどれだけ愛していたか、移住した人たちの様子を話して聞かせる。
そして、ふと「この世界がまるごと引っ越してきても問題ない」と思い立つ。その後、現実世界に戻った立は「異世界引っ越しプロジェクト」の一員として尽力するのだった。
作品を読んだ読者からは、「単行本で読みたい」「素敵な創作をありがとうございます」など、反響の声が多く寄せられている。
■作者・BlandocoPalomaさん「キャラクターがいっぱい登場する、終わりの無い日常系作品を描きたい」
――『異世界引っ越しプロジェクト』は、どのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。
当時は青年誌の担当編集さんがついていて、その方に提出するために描いた作品ですね。
残念ながら没になってしまったのですが……SNS上でたくさんの人に読んでもらえて、嬉しいです。
私は普段、異世界側(いわゆる頭が大きい、デフォルメ体型)の絵柄を描いているのですが……。
「これ、現実にいたらアンバランスで怖いよなあ」とふと思ったのが、この作品になったきっかけです。
ここだけ聞くとホラー作品とかになりそうですが、当時はヒューマンドラマを描くことが好きだったので、そんな方向性になりました。
――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
まず、地球人と異世界人の違いを明確にすることが第一でしたね。
普段は現実の人間に近い体型のイラストを描くことが少ないので、地味に難しかったです。
あとは、この物語の主軸であるスキラの想いを丁寧に描くことを意識しました。
今読み返してみると、他の登場人物の感情も、もう少し掘り下げた方がよかったかな……という反省があります。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
主人公の新関立が「こっちでは毎日人が死んでいる」と伝えたときの、スキラの表情ですね。
私はこういうネガティブな表情が結構好きなのですが……このドン引き顔は我ながらうまく描けていると思います。
スキラが特別繊細な性格をしていることもよく伝えられているんじゃないかなと思ってます。
――普段漫画作品を描かれる際、作品のストーリーやキャラクターなどはどのようなところから着想を得ることが多いですか?
なんとなくパッと思いつくことが多いので、具体的にこれ!と言うのは難しいのですが……。
ストーリーから作り始める場合は、流行りに乗っかることが多いかもしれません。
『異世界引っ越しプロジェクト』も、異世界転生モノが流行ってたので、そこから「逆に異世界人がこっちに転生してきたら?」みたいな発想をしていました。
キャラクターから作り始める場合は、まず世界観から作ることが多いのですが、大抵は自分の好きなものの組み合わせですね。
例えば『ゴースト・オア・トリート!』という作品があるのですが、これは私の大好きな「ハロウィン」と「不思議の国のアリス」を組み合わせた世界観にしています。
なのでキャラクターも、「ハロウィンの仮装×不思議の国のアリスの登場人物」をモチーフに作っていますね。
――BlandocoPalomaさんが今後挑戦してみたい作品などはありますか?
キャラクターがいっぱい登場する、終わりの無い日常系作品を描きたい!と思っています。
今描いている『吸血鬼ヴァン』が、まさにそれですね。
私は飽き性なので今まで短い話ばっかり描いてきたのですが……今回は飽きずに頑張りたいです。
気が向いたら、今まで描いてきた作品のスピンオフとかも描いてみたいですね。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
いつも応援してくれてありがとうございます!
そして、いつも気まぐれに活動しすぎていて、すみません。
方向性はコロコロ変わるかもしれませんが……「マンガを描く」ということだけは一生続けるつもりなので、どうか見守っていてくれると嬉しいです!

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