5年前や10年前……。少し前にインターネット上で話題になった投稿や動画を振り返って紹介する企画「昔のインターネット発掘!」。今回紹介するのは2023年にYouTubeで公開されたガンプラ制作動画で、映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」に登場する主人公機「ν(ニュー)ガンダム」がファンネルバリアを展開するシーンを、レジンや電飾を駆使して完全再現しています。

【画像】完成した作品

フィン・ファンネルのバリアを完全再現!

 投稿者は、創意工夫にあふれたガンプラ作品や、ガンプラの開封レビュー動画で人気のYouTubeチャンネル「サボリーマンガンプラ製作部」さん。今回は主役はνガンダムですが、単品は高価で転売されている商品しかなかったため、RG(リアルグレード)シリーズ「νガンダムHWS」に入っているνガンダムを使用します。

 メインイベントは電飾とレジンで再現するファンネルバリアですが、ガンプラ単体のクオリティーアップは欠かせません。まずはRGシリーズ特有の緻密で高品質なパーツをニッパーでカットし、丁寧に2度切りしてからパチ組みしていきます。

 パチ組みだけでも見栄えがいい品質ですが、さらなるクオリティーアップのため基本工作へ。途方もない量のディティールを全て彫り直し、ゲート跡はもちろん、表面の歪みや凹みも丁寧にヤスリで均していきます。

 塗装や墨入れ、デカール貼りを終えて組み立てると、地道な努力が実を結んだハイクオリティーνガンダムが完成。いよいよファンネルバリア作りに入っていきます。

ファンネルバリア作り

 ファンネルバリアは、5基のファンネルを頂点とした四角錐の形状。まずは型枠作りからで、アクリル板テープで貼り合わせ、三角形の一面だけが抜けた四角錐を作り、理想の角度になるように木の土台にセットします。土台に石膏を流し込み、型枠をガッチリ固定してレジンを入れる準備が完了です。

 また事前の準備として、型枠の内側には離型剤を吹きかけ、バリアの中央に配置するνガンダム本体をレジンでコーティングしておきます。

 次に、適切な処理をしたエポキシレジンを5層に分けて型枠に流し込みます。慎重に配置したνガンダムの周囲に、グリーン&ラメで色づけしたレジンを散りばめ、サイコフレームから漏れたオーラがまとわりついているような演出も加えています。

 硬化を待っている間に、色を変更できるRGBライトと、蛍光塗料を光らせるUVライトを仕込んだ台座を制作。完全硬化まで3日待ち、レジンからアクリル板を剥がすと、透明な四角錐に浮かぶνガンダム本体が姿を現しました。完成が近づいてきた!

 丁寧に研磨して透明感をアップし、最後にファンネルバリアの各辺を走るビームエフェクト制作。極細のLEDテープライトを各辺に貼りつけ、ピンクの顔料を混ぜたUVレジンを塗りビーム感を増強していきます。頂点にも別種のビームエフェクトファンネルを取りつければ、全ての工程が完了です。

ついに完成!

 見せ方にもこだわっており、バリアのトップにフックをつけ、台座に吊り下げることで浮遊感を演出。最後の味付けとして、「ダブルフィン・ファンネルにして、もう6個ファンネルを飛ばすのもあり」と土台にも6基のファンネルを取りつけています。

 部屋を暗くして全てのライトを点灯させると、まばゆい輝きを放つファンネルバリアに守られたνガンダムが完成。今まさに戦闘中であるかのような迫力で、制作者さんも「これはヤバいものを作ってしまったかもしれない」と自画自賛しています。

 動画は記事執筆時点で69万回再生を記録。コメント欄には、「凄すぎて言葉が出ない」「まじで何の文句もつけれないくらい完璧すぎる」「褒め称えたい点が多すぎる…サイコフレームが荘厳な上に、光漏れが美麗」「これは間違いなくフィンファンネルバリアの表現としていい」「このプラモ1つで完結しないタイプの工作マジでめちゃめちゃ尊敬する」など絶賛の声が多く寄せられました。

動画提供:YouTubeチャンネル「サボリーマンガンプラ製作部」

【画像】完成した作品