
この記事をまとめると
■エンジンブローはトラックの大きな故障のひとつ
■直すよりも交換するほうが安上がりだというケースは少なくない
■トラックの中古エンジンやリビルトエンジンについて解説
リビルトより中古のほうが安い傾向にある
トラックは走行距離が一般乗用車とは比較にならないくらい多いものだが、走る距離が長くなればなるほどパーツは消耗し、トラブルも出やすくなるもの。しかし、大型トラックは、走行距離も長いことから平均寿命は70万kmオーバーともいわれている。
そんな長距離の走行にも耐えうるトラックだが、丈夫なぶんだけ故障したときのリスクは大きくなりそうなものだが、実際はどうなのだろう。
トラックの故障で大きなものにエンジンブローがあるが、じつはトラックの場合、エンジンは消耗品として考えられている部分もあり、壊れたら「直す」か「交換する」という選択になる。直すのはもちろん修理という意味だが、修理するよりもエンジンごと載せ替えてしまったほうが安上がりだというケースは少なくない。
その証拠に、トラックの中古エンジンを販売しているサイトを覗くと、たくさんの種類の中古エンジンが並んでいる。そのなかでも中古エンジンとリビルトエンジンにわけられる。今回はトラック用の中古部品をメインに扱う「株式会社シマ商会」のサイトを参考にしてみた。
まず中古エンジンだが、こちらはトラックから降ろされたままのエンジンのため、走行距離が10万kmや20万kmのエンジンも多い。この数字だけ見ると、トラックのエンジンがいかに丈夫に作られているのかがわかる。一方で、リビルトエンジンは消耗パーツの交換などが施された、中古をリニューアルしたエンジンを指す。新品エンジンとまったく同じというわけにはいかないものの、しっかりと整備されているため保証もついている。
もちろん中古とリビルトでは価格にも差があるが、平均的に中古のほうがリビルトよりも割安で買うことができる。
エンジンの載せ替え工賃で100万円!
ただし、中古やリビルトエンジンを手に入れたとしても、トラックのエンジン故障はそれだけでは直らない。そう、壊れたエンジンを降ろして新しいエンジンを積み替える作業があるのだ。これが小型トラックの場合でも載せ替え費用が100万円ほどかかることも珍しくなく、大型トラックになればさらにかかるコストは跳ね上がるのだ。
しかし、トラックは動いてこそ価値があり、利益も生まれる。そこで、問題となるのはエンジンが故障している期間は利益を生み出せないという点だ。
そんな問題を解決するのがいすゞの展開している「E-PARTS」というサービスだ。
これはすでにオーバーホールして新品同様に作られたエンジンをストックしておき、発注があれば即時、出荷するというものだ。このシステムによってエンジンの載せ替えにかかる時間が短縮できることで、スムースにトラックを業務へ復帰させることができる。
また、エンジンだけでなくトランスミッションやターボなど、扱うパーツのジャンルは多岐にわたるため、いすゞトラックのオーナーにとっては非常にありがたいシステムといえる。
トラックを長もちさせるための特効薬はないが、マメなメンテナンスと丁寧な運転によってトラックの故障を減らすことも可能だ。1回の故障で100万円オーバーの費用というのもトラックならではの事情といえるが、エンジンの故障はトラック自体を動かすことができなくなるため、ドライバーのみならず運送業を営む立場からすれば、もっとも遭遇したくない一番のトラブルであることは間違いない。

コメント