
深夜に船へと乗り込み定置網を引き揚げる様子がYouTubeに投稿されました。大量の魚が取れる様子に注目が集まり、動画は記事執筆時点で10万回以上再生されています。
動画を投稿したのは、瀬戸内海に浮かぶ「大島」という離島に住んでいる漁師・まさとさん。自身のYouTubeチャンネル「瀬戸内海の漁師まさと」で漁師の仕事などについて発信しています。
前回は、見習い漁師・ケンさんが法律で捕獲を禁じられている“ある生物”を取ってしまった様子を紹介しました。今回はケンさんが23時に定置網を引き揚げる様子を見せてくれるようです。
ケンさんが動画を撮影し始めたのは22時ごろ。これから船に乗り込んで定置網を回収しにいくそうです。潮もよくてよく取れるだろうと話すこの日の漁では、主にイカを狙っていくとのこと。あれこれと支度してから出航し、漁場まで船で5分ほど進んでいきます。
定置網を仕掛けた場所に到着し、網を引き揚げる準備をしているとハマチがやってきました。このハマチは網からこぼれた小魚を狙っているそうで、船のエンジン音などを聞きつけてやってくるのかもしれないといいます。なかなか賢いですね。
ここでいよいよ網を引き揚げ、魚を船に取り込んでいくことにします。最近はクラゲが多く、クラゲで網がパンパンになってしまうそうです。対策として、網の目を少しだけ荒くすることでクラゲだけが網から抜けるようにしているのだとか。
揚がってきた網はパンパンですが、どうやらエイがたくさん入っているようです。ここからは生きた魚をいかに死なせずにいけすに入れることができるのか、時間との勝負になるとのこと。早速袋の縛っているところをほどき、中身を出して魚を選別していきます。
網から船上に魚を出すと、イカが一斉にイカスミを吐いて船上が真っ黒になってしまいました。この状態ではイカスミとエイの大きな体でどんな魚がいるか見づらいので、エイは次々と海に戻していきます。
手早く選別を進めていくと、狙っていたモンゴウイカの姿が。さらにコウイカ、シリヤケイカなどのイカ類のほか、ハモやマダイ、サワラやマゴチの姿もありました。
ケンさんによると、漁では毎日同じ魚が取れるわけではなく、時期や季節によって取れる魚が変わってくるそうです。今はイカがメインですが、フグやマナガツオがメインになるときもあるとのこと。 また、イカはイカでもモンゴウイカがメインのとき、チイカがメインのときもあるなど、その時々によって顔ぶれが変わるのだそうです。このシーズンはしいて言えばモンゴウイカが多いのだとか。
そんなモンゴウイカは大きいので“目方になる”とのこと。魚は基本的に量り売りであることから、体が大きいモンゴウイカはいい獲物になるのだそうです。その後、サメ、アイゴ、イネゴチ、サカタザメなど食べられるけれど値段が安い魚は逃がしつつ、どんどん選別を進めていきます。
なお、今回のようにイカスミに手を突っ込んで魚を探すときは、エイやアイゴなどに気を付けながら探すのだそうです。というのも、むやみに手を入れるとあっという間にそれらの魚に刺されてしまったり、鋭い歯が生えているハモに食い付かれたりすることがあるのだとか……。
ここで、揚がってきた魚が片付いたことから港に戻ることにします。いつもは逃がしてしまうけれど身が厚くておいしそうなアイゴがいたので、家に持ち帰って食べてみることにしたようです。なお、アイゴには毒針があるため船上で下処理だけ済ませておきました。
自宅に戻り、持ち帰ってきたアイゴをさばいていきます。アイゴは雑食で何でも食べるため、陸から釣った場合は身や内臓が臭く、煙たがられる魚なのだそうです。しかし、今回は沖で捕まえたアイゴなのでいいものを食べている可能性が高いのではないかと考えます。
アイゴを三枚におろして皮を引き、刺身状にカット。食べてみたところ、めちゃくちゃおいしかったとのこと。クセはなく脂が乗っていてうまみもあり、スーパーで売っているタイの刺身よりおいしかったそうですよ。次の漁もカメラを回すので、ぜひ季節による魚の変化に注目してほしいと話すケンさんなのでした。
漁をする中で遭遇したさまざまな魚に、コメント欄では「たくさん取れるのを見てると楽しくなる」「大きなイカがたくさん取れるんだね」「スミで真っ黒で見えにくい中にエイがたくさんいて怖いな」「何が取れるか分からないのが漁業の醍醐味ですね」「けがと事故には気を付けて頑張ってください」といった声が寄せられています。
YouTubeチャンネル「瀬戸内海の漁師まさと」とX(@masato_fisher)では、まさとさんとケンさんが漁師の仕事や海に関する動画、情報を発信中です。

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