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 将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2025」予選Bリーグ・2位決定1回戦、チーム天彦 対 エントリーチームが7月12日に放送された。エントリーチームは、リーダーを務める宮嶋健太四段(25)を筆頭に奮戦するも、佐藤天彦九段(37)ら実力派メンバーが力を見せつけ、最終スコア5勝3敗でチーム天彦が勝利した。この結果、チーム天彦は2位決定戦へ進出。エントリーチームは敗退が決まった。

【映像】チーム天彦メンバーが見せた晴れやかな笑顔

 優勝候補のチーム天彦が、堂々の2位決定戦進出を決めた。チームをけん引したのは増田康宏八段(27)。初戦に登板するとエントリーチームの山崎隆之九段(44)、村田顕弘六段(38)、宮嶋四段と全員から勝ち星を飾り、3戦全勝をマークした。

 前試合で藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋聖、棋王、王将、22)から白星を挙げたチーム天彦の広瀬章人九段(38)は、第3局で宮嶋四段に敗れたものの、第6局では山崎九段に完勝。4勝3敗とチーム勝利に王手をかけた第8局を佐藤九段に託した。

 佐藤九段は今期のABEMAトーナメントで個人未勝利とあり、この一戦では是が非でも勝ちたい一戦だった。エントリーチーム・山崎九段と激突した一戦では、「さすがに結果を出さないとマズイなという気持ちで」臨んでいたという。序盤は山崎九段のペースで進行したものの、一瞬の隙でチャンスを捉えて勝利へとつないだ佐藤九段。「負けが続くときりがなくなってしまうところがあるので、泥にまみれても勝つしかないという気持ちだった」と強い気持ちが白星に繋がったことを振り返っていた。

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 また、振り飛車党へモデルチェンジした佐藤九段だが、エントリーチーム戦では3局すべてで居飛車を採用。「フィッシャールールであまりにも勝てなさ過ぎて…(笑)。でもこれは振り飛車の問題ではなく、個人のスキルの問題。チーム戦でこの負けっぷりはマズイなと思い、居飛車をチューニングしてきました」と振り飛車を封印した理由も明かした。

 5勝3敗で2位決定戦への進出を決めたチーム天彦。佐藤九段は「自分は結果が出ず、ここで終わってしまうんじゃないかと思ったが、メンバーの2人が頑張ってくれたおかげで自分にもチャンスが巡ってきた。結果的に2位決定戦に進出できて良かった」と晴れやかな笑顔も見せた。次戦は、チーム藤井VSチーム永瀬の敗者と予選突破をかけて戦うこととなるが、厳しい戦いとなることは必至。超難関のBリーグを突破することはできるのか、その戦いぶりから目が離せない。

ABEMAトーナメント2025 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が8回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士7人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全8チームで行われる。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

「泥にまみれても勝つしかない」チーム天彦、エントリーチーム破り2位決定戦へ進出!佐藤天彦九段が勝負決める/将棋・ABEMAトーナメント2025