台湾のロケット開発企業の日本法人「jtSPACE株式会社」(本社:北海道石狩市、代表取締役社長兼CEO:劉永裕)は7月12日(土)11:40、北海道スペースポート(HOSPO)から、同社が開発したサブオービタルロケット「VP01」を打上げました。

jtSPACEによる打上げ後の解析によれば、VP01は高度4kmに到達(速報値)し、ランチャーの機能、ロケットシステムの一部の機能(分離機能、2段目再点火機能等)の動作を検証しました。

ロケットの1段目は現在捜索しています。2段目は分離後、ミッションを遂行できないと判断し飛行停止措置をとりました。2段目の機体は射点から北1km未満の当縁川付近の警戒区域内の町有地に落下しました。

今後、jtSPACEにおいて詳細な調査が行われる予定です。


jtSPACEは、宇宙輸送事業の展開を目指す台湾企業tiSPACE(Taiwan Innovative Space Inc.)グループの日本法人です。本打上げ試験ではVP01を高度約100kmに到達させ、ロケットの各性能を確認し、人工衛星を搭載可能な軌道投入ロケットの開発に役立てることを目的としていました。


高度100kmの宇宙空間到達を目指すロケットのHOSPOでの打上げは、2021年7月のインターステラテクノロジズ株式会社(大樹町)のMOMO6号機以来4年ぶりです。また、jtSPACEの打上げは国内初の海外資本によるロケット打上げとなりました。


今回のミッションについては、jtSPACEからのHOSPO利用要請により、大樹町とSPACE COTANが打上げに向けて事前の安全対策や周辺環境調整等を実施しました。

打上げの概要(速報値)

  • 打上げ日時:2025年7月12日(土)11:40

  • 打上げ場所:北海道スペースポート Launch Complex 1 - Launch Pad 12(LC1-LP12)

  • 機体:サブオービタルロケット VP01

  • 打上げ方位角:東南東

  • 打上げ高度:高度4km

  • 打上げ時の天候:晴れ

ロケット 概要

  • 名称:2段式サブオービタルロケット「VP01」

  • 全長:12m

  • 直径:0.6m

  • 重量:1.4t

  • エンジン:固体燃料の合成ゴム、酸化剤の亜酸化窒素(N2O)によるハイブリッド方式

  • 推力:第一段6,500 kgf、第二段1,100 kgf

  • 予測最高高度:約100km

jtSPACE株式会社 概要

  • 代表者:代表取締役社長兼CEO 劉 永裕(リュウ ヨンユイ)

  • 所在地:〒061-3244 北海道石狩市新港南3丁目700番8号

  • 事業概要:独自のハイブリッドロケット推進システム技術を用いて、ロケットの開発から製造、そして打上げサービスに至るまで、一貫した宇宙輸送ソリューションを提供しています。

  • ウェブサイト:https://www.jtspace.co.jp/

北海道大樹町 概要

SPACE COTAN株式会社

  • 代表者:代表取締役社長兼CEO 小田切 義憲(おだぎり よしのり

  • 所在地:北海道広尾郡大樹町西本通98

  • 事業概要:大樹町からの委任に基づくHOSPOプロジェクトの推進業務全般。スペースポートの管理・運営、整備資金調達支援、射場設計、国の認定取得、国内外顧客開拓、ロケット打上げ支援、PR活動など

  • ウェブサイト:https://hokkaidospaceport.com/

北海道スペースポート(HOSPO)とは

HOSPOは、2021年4月に大樹町で本格稼働した民間にひらかれた商業宇宙港です。大樹町ロケットを打上げる東と南方向に海が広がり、広大な土地による射場の拡張性の高さ等の地理的優位性があることから、世界トップクラスの宇宙港の適地として、40年前から航空宇宙産業の誘致を進めてきました。

北海道に、宇宙版シリコンバレーをつくる」というビジョンに向けて、射場や実験場を整え、世界の宇宙ビジネスを支えるインフラとして、航空宇宙産業の発展に貢献します。また、航空宇宙産業による地方創生やビジネス創出を推進します。

現在、人工衛星の打上げに対応した新たな射場Launch Complex 1(LC1)の整備を進めており、整備資金の一部は企業版ふるさと納税制度を活用しています。地域性を活かした地方創生の取り組みで人口減少に歯止めがかかっていることなどが評価され、大樹町は2022年度の内閣府特命大臣表彰を受けました。

また、大樹町とSPACE COTANは、2024年10月に世界5大陸の8商業宇宙港で国際協力に関する覚書(MOU)を締結し、打上げ需要の拡大に応えるため、参加宇宙港とともに射場の国際標準化による相互運用性の確保や運用コスト削減に向けた合理化などの検討を開始しました。

さらに、2025年1月には国の宇宙戦略基金に採択され、ロケットの打上げ高頻度化を目指した射場基盤技術の研究・開発を進めています。


北海道スペースポートの将来イメージ

配信元企業:SPACE COTAN株式会社

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