
女優の橋本愛が、大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)で主人公・蔦屋重三郎(横浜流星)の妻・ていを好演している。最初は形だけの夫婦だったが、第26回で真の夫婦に。そして迎えた13日放送の第27回では、ていが蔦重に、米の値を下げる方法を考えるべきだと意見を述べる場面があった。この回の演出を担当した大嶋慧介氏に、夫婦シーンで意識したことや橋本の魅力などを聞いた。
江戸時代中期の吉原を舞台に、東洲斎写楽、喜多川歌麿らを世に送り出し、江戸のメディア王にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く本作。脚本は、『おんな城主 直虎』(17)以来、8年ぶり2度目の大河ドラマとなる森下佳子氏が手掛けている。
ていは、吉原で育った蔦重を最初は嫌っていたものの、「本を愛する」という一点については共通しており、それが2人の絆に。互いに商いのためという形だけの夫婦だったが、気持ちの面でも真の夫婦となり、新たなステージを迎えた。
大嶋氏は、てい役の橋本の演技力を称賛する。
「ていさんは一瞬何を考えているかわからないキャラクターですが、すごくかわいらしくて魅力的なんです。表情を作っていないようなキャラクターなのに、その瞬間、『今ちょっとテンションが上がっているな』『ちょっと機嫌が悪いな』というのがよくわかる」
前半は、小芝風花演じる花魁・瀬川がヒロインとして人気を集めたが、「瀬川とは全然違うベクトルの魅力的なヒロインで、橋本さんならではのていさんだなと思います」と語る。
そして、ていが蔦重に米の値下げについて意見を述べた第27回の夫婦シーンについて、大嶋氏は「2人の関係性が少し近づいているように見えればいいな」という思いがあったと明かす。
「夫婦の関係が少しだけ変わっているので、橋本さんとは『少しだけ旦那さんのコントロールの仕方が分かった感じになったらどうでしょう』というご相談をしました。前回までで『この人こんなすごいところがあって素敵だな』とわかってきて、どこのポイントをつくとこの人はやる気が出るというのがちょっとだけわかったという感じに」
細かな演技については橋本に任せているそうで、「声のトーンなどを変えて、橋本さんの表現で演じてくださっていて、次はどんなていさんだろうと、いつも楽しみにしています」と称えた。
(C)NHK
(酒井青子)

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