今週の米ドル円相場の動向に影響を与えそうな「注目の経済指標」について、東京海上アセットマネジメントが解説します。

今週は、6月の米CPIや米小売売上高に注目

今週は、6月の米消費者物価指数CPI)や米小売売上高に注目しています(図表1)。

5月のコアCPI(食品及びエネルギーを除く)は前月比+0.1%と小幅な伸びにとどまり、関税措置による物価への影響が未だ限定的であることが示されました(図表2)。

こうした背景には前述の通り、低関税時に輸入した在庫が残存していることに加え、国内外の企業が関税コストを負担していることが影響していると考えられます。

パウエルFRB議長は1日、ECBフォーラムのパネル討論会で、関税措置による物価上昇が6月、7月にあらわれ始める可能性を示唆したうえで、関税措置がなければ利下げしていたとの考えを示しているだけに、CPIの上昇が限定的となれば、6月の雇用統計公表後に後退した早期利下げ観測が再浮上する可能性があります。

最近の小売売上高の結果を振り返ると、トランプ政権による関税措置発動を前に自動車などを中心とする駆け込み需要が顕在化したことで3月は高い伸びを示したものの、その反動により4月、5月と2ヵ月連続で減少しました(図表3)。

6月は駆け込み需要の反動の影響が和らぐほか、自動車などを除いたコントロールグループは高い伸びを維持することが予想されます。もっとも、6月以降関税引き上げに伴い物価が上昇すれば、消費が下振れるリスクには注意が必要です。

東京海上アセットマネジメント

※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】7月第3週の為替相場にインパクトを与える「重要な経済指標」【解説:東京海上アセットマネジメント】』を参照)。

(※写真はイメージです/PIXTA)