
藤川監督がスキのないチーム作りに腐心している(C)産経新聞社
セ・リーグ首位の阪神は7月13日のヤクルト戦(甲子園)に2-1と勝利。
主砲の一発が大きかった。0-0で迎えた6回無死二塁、相手先発ペドロ・アビラのチェンジアップをしっかり捉え、右翼に運んだ。
24号2ランは両リーグトップ、シーズン40発ペースと力強くチームをけん引する。
投げては先発左腕・伊藤将司が7回3安打無失点、8回から石井大智、9回から登板した岩崎優が失点し、1点差としたものの、バックの堅守も光り、1点差の価値ある勝利をものにした。
貯金を今季最多の19に伸ばし、2位巨人とのゲーム差は9.5と再びセ・リーグの貯金を独占。
向かうところ敵なしといった勢いを示す藤川阪神では、このカードで勝利に臨むワンプレーの重みが注目されたシーンもあった。
12日に行われたゲームでは3-2と逆転した直後の4回一死二、三塁の場面。打席に入った豊田寛が遊ゴロに倒れ、三塁走者の大山悠輔が三本間で挟まれ、憤死した後に二塁を狙ってタッチアウトになるというシーンがあった。
2点を追う4回は無死満塁から大山、無死一、三塁から小幡竜平にも適時打が飛び出し3点を奪い、尚もイケイケムード。7番・坂本誠志郎がしっかり送りバントを決め、最高のシチュエーションで豊田に打席が回っていた。無理に二塁に走らなければ、走者も残り、チャンスメイクにつながっていた。次が投手のジョン・デュプランティエであっても、二死からの走塁は慎重を期す必要があり、最悪、5回からは1番の近本光司から攻撃を始めることもできた。
チャンスをしぼませる走塁となったことで、直後の守りから島田海吏に交代となった豊田は翌13日に登録抹消、替わってベテランの原口文仁が昇格した。
豊田の走塁死、直後に懲罰交代となったシーンにはファンの間からも「流れを止めかねないプレーだった」との指摘が上がった。さらに翌日に降格となったことにも“厳しすぎる”という声もありながらも、「より、競争意識が高まるな」「やると思ってました」と藤川球児監督の日頃からチームプレーの徹底を求め、高みを目指す姿勢に理解を示す声も多く上がっている。
凡事徹底を繰り返しながら、あらゆる方面に目を光らせ、スキのないチーム作りを進める藤川監督。果たして、ゴールテープまでこのままぶっちぎるか。球宴まで残り2カード、今週の戦いぶりも話題を集めていきそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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