
少子高齢化により、働く世代が減る一方の日本。老後、年金だけに頼ることができない現代世代が、子どもを育てながら老後資金を用意するにはどうすればよいのでしょうか。で本記事では、伊達有希子氏の著書『夫婦と子ども2人、世帯年収650万円。どうしたら家が買えますか?:マンガでわかる!一生お金に困らないライフプランのつくり方』(大和出版)より、老後資金2,000万円を無理なく準備する方法について解説します。
老後2,000万円を確保する、最もシンプルな方法
それでは老後についても考えてみましょう。
35歳で第一子を産んだAさんを例に考えてみます。子どもが4年制大学を卒業するのは22年後で、ご自身は57歳になっています。もし、ライフプランをシミュレーションした結果、教育費を払ったあとにご自身の老後費用が足りないことがわかったとしても、22年間という時間があればいくらでも対策が取れます。
さらに、これからの生活に余裕が生まれれば、その余裕資金で投資に取り組み、資産を増やすことだってできるかもしれません。時間を味方につければ、教育費をしっかり準備した上で老後資金を準備できる可能性もあります。年金だけに頼ることはできず、十分な老後には2,000万円の貯蓄が必要、と言われていますから、実際に老後のための2,000万円をどのように準備するかを見ていきたいと思います。
35歳から毎月3万円を利回り4%で資産運用すると…
例に挙げたAさんは、子どもが生まれた35歳の時点で毎月3万円積立を始めるとします。預貯金で貯めた場合、30年後の65歳時点で貯まっているのは1,080万円です。
でも、もしその毎月3万円を想定利回り4%で資産運用していたとすると30年後は2,082万円です。老後2,000万円問題があっさり解決してしまいました。このように毎月3万円を捻出し、時間を味方につけて長期で資産運用することができれば老後2,000万円は怖くありません。
想定利回り4%なんて無理!と思うかもしれませんが、投資信託という商品を例に挙げると、過去20年間の先進国株の年率利回りは5%、先進国債券は5.4%というデータが出ています。もしもっと長期で運用するなら、4%ならいける?かもしれませんよね。
ここまでの例をまとめると
「月3万円を捻出する=収支をコントロールする」
「30年間続ける=時間を味方につける」
「想定利回り4%=資産運用する」
という3つの対策を組み合わせることで老後2,000万円は確保できています。
伊達 有希子 フィナンシャル・プランナー

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