
この記事をまとめると
■トレーラーは普通のトラックと構造が異なり駆動部分と貨物部分が独立している
■トレーラーは普通の大型トラックとは異なる運転技術が必要
■ジャックナイフやプラウアウトなどトレーラー運転時だけに起こりうる危険な現象を紹介
トレーラー運転時にヒヤッとする瞬間がある
トレーラーは、その独特な構造から普通のトラックとは少し違う運転技術と注意点がいくつかある。そのなかでもトレーラー特有のヒヤッとする瞬間を説明していこう。
前置きとして、トレーラーとトラックで大きく違う部分を説明しておこう。トラックが貨物部分と駆動部分が一緒になっているのに対して、トレーラーは貨物部分のクルマと駆動部分のクルマが独立しているというのが最大の違いだ。
この荷物を積む貨物車部分のことをトレーラーと呼ぶわけだ。そのため、トレーラーというと、駆動部分と貨物部分が一緒になった姿をトレーラーと呼ぶことが多いが、正確には貨物を引っ張るクルマがトラクタ(けん引車)で貨物部分がトレーラーなのだ。
トレーラーの基礎が理解できたところで、さっそく運転時の注意点を解説していこう。
トレーラースイング現象
なんらかの理由でタイヤがロックしてしまった結果、外側にトレーラーが大きくスイングしてしまうのがトレーラースイング現象だ。後部のトレーラーが勝手に左右に動いてしまうので、この現象が起きた場合、近くにいる車両や歩行者を巻き込む危険性が高い。
トレーラースイング現象が起こりやすいのは、カーブでの急ブレーキや極端な悪路の走行中だ。
荷台部分がくの字に曲がってしまうことも
スネーキング現象
スネーキング現象とは、トレーラーの連結部が曲がったまま操縦不能になる現象のこと。通常であればカーブを曲がるときや特定の場所に駐車するとき以外はトラクタとトレーラーはまっすぐな状態なのだが、積載物のバランスが悪いときやタイヤの空気圧の不揃い、スピード超過、道路のうねり、横風などの原因でスネーキング現象が起こるといわれている。スネーキング現象が激しくなると横転してしまう危険性もある。
ジャックナイフ現象
トレーラーの現象のなかでもっともメジャーといえるのがジャックナイフ現象だ。名前のとおりトラクタ(運転席部分)と荷台部分がくの字に曲がってしまうことを指す。この状態がジャックナイフ(折り畳み式ナイフ)の曲がった姿に似ているのが由来だ。ジャックナイフ現象に陥ると、トレーラーは操縦不能になってしまう。その現象が起こる原因はいくつかあるが、おもに急ブレーキ、急ハンドル、急旋回などの急な行動、積荷の偏りといわれている。車種によってはジャックナイフ現象防止のために横滑り防止装置が装着されているものもある。
プラウアウト現象
トレーラーの前輪が滑り、ハンドルやブレーキの操作が利かなくなる状態がプラウアウト現象だ。後部からトラクタ部分が無理やり押されてしまう状態になってしまうため、ハンドルが利かず、まっすぐ進み続けてしまうのだ。プラウアウト現象が発生してしまった場合、ブレーキを解除してハンドル操作で修正するしかないのだが、状況によってはそれすらもできないというケースがある。
ここで紹介した現象はトラックでは起きないトレーラー特有のものばかり。普段は何気なく見過ごしているトレーラーの走る姿だが、じつはドライバーたちはこうした危険な状況が起きないように、細心の注意を払って運転しているのだ。

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