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1961年に操業を開始。累計1780万台以上を生産

日産自動車は、経営再建計画『Re:Nissan』で推進するグローバルな生産拠点の見直しの一環として、神奈川県横須賀市追浜地区にある追浜工場における車両生産を2027年度末に終了すると発表した。

【画像】創業は1961年!2027年度で生産を終了する日産自動車追浜工場 全32枚

追浜工場は1961年に操業を開始。累計1780万台以上を生産し、日本のみならず世界各地へ輸出を行ってきた。

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1961年に操業を開始し、累計1780万台以上を生産してきた追浜工場。    日産自動車

同工場での車両生産は、福岡県苅田町にある日産自動車九州へ移管、統合。現在、追浜工場で生産しているモデルや今後生産を開始するモデルは、日産自動車九州で生産する予定となる。

今回の決定は、追浜地区の一部である追浜工場についてのみ。同地区にある総合研究所、グランドライブ、衝突試験場、追浜専用ふ頭など、その他のすべての機能については、今後も変更なく事業を継続する。

日産のCEOであるイヴァン・エスピノーサ氏は、以下のようにコメントしている。

「日産は本日、大きな決断をしました。私にとっても会社にとっても簡単な決断ではありませんでしたが、現状の課題を克服し、持続可能な未来を築くための重要な一歩だと信じています。追浜工場は日産の歴史の誇りであり、その伝統は永く受け継がれていくでしょう。この工場を支えてきた従業員や地域の皆さま、パートナーの皆さまに心から感謝申し上げます。私たちは今後も追浜地域での事業を継続し、地域社会へ貢献していきます。そして、追浜工場の精神を引き継ぎながら、日産本来の価値を取り戻すために取り組んでいきます」

生産終了後の追浜工場については、今後、幅広い選択肢を検討し、最適な活用方法を決定。追浜工場に勤務する従業員は、2027年度末まで同工場での勤務を継続し、その後の雇用や勤務については、方針を決定し次第、従業員にお知らせするとともに組合との協議を開始する予定としている。

グローバルに生産拠点を17から10へ統合検討

『Re:Nissan』で日産は、グローバルの生産能力を350万台(中国を除く)から250万台に削減し、工場稼働率を100%レベルに維持することを目指しる。その実現に向け、グローバルに生産拠点を17から10へ統合するための検討を進めている。

日本については、生産能力やコスト競争力、生産集約による新たな投資発生の有無などの観点から、追浜工場の車両生産を日産自動車九州へ移管し、統合することが、最も効果的であるという結論に至った。

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現在は日産ノートおよびノートオーラを生産している。    日産自動車

本移管により、日本における生産コストを大幅に削減し、工場の競争力を高め、商品利益率の向上に貢献し、将来の成長につなげていきたいとする。なお費用に関しては現在評価中で、第1四半期決算発表時に開示する予定とのことだ。

追浜工場概要
住所:神奈川県横須賀市夏島町1
操業開始時期:1961年10月
敷地面積:54万7606平方メートル(工場敷地のみ)
従業員数:約2400名
生産車種:ノート、ノートオーラ

追浜工場の主な歴史
1961年:操業開始(ダットサンブルーバード生産開始)
1978年:生産累計500万台達成
1984年:追浜専用埠頭完成
1992年:生産累計1000万台達成
2001年:マーチ生産開始
2003年:キューブ生産開始
2007年:グランドライブを竣工、生産累計1500万台達成
2010年:日産リーフ生産開始
2012年:2ライン生産終了
2016年:初代ノートe-POWER生産開始
2021年:現行ノートオーラ生産開始


日産自動車、追浜工場の車両生産を2027年度で終了と発表【1961年から続いた歴史に終止符】