
■VRデバイスと著名ストリーマーのタイアップは、間口を広げる契機になるか
著名なストリーマーを起用したVRデバイスのPRがにわかに増えつつある。
(関連:【画像】アニメキャラがゲーム実況 『ぷにるはかわいいスライム』の主人公・ぷにるが『8番出口』をプレイ)
まずは、去年『VRChat』界隈に旋風を巻き起こしたスタンミを招いた「Meta Quest」のタイアップ企画『スタンミクエスト』。スタンミを司会に招き、k4sen、らいじん、しゃるる、JapaneseKoreanUG、じゃすぱー、たぬき忍者らが2チームに分かれ対決するゲーム企画だ。
スタンミのVR配信と同様、ゲーム画面と実際に遊ぶプレイヤーを合わせて表示する画面構成で、「VRデバイスで遊ぶ様子」をわかりやすく示しているのがポイントだろう。にぎやかなリアクションを見せる参加者に対し、一足先にVRにハマったスタンミが地に足ついた解説役としても機能しており、バラエティとしてちょうどいい塩梅の番組だった。
対して、「PICO」はつるおか(かものはし)ともこうを招き、『VRChat』のボクシングで対決する企画を実施した。こちらも、『VRChat』上の画面をメインで映しつつ、モーショントラッカーを装備した両者の姿も映しており、どちらも似た構成を採用している。ボクシングのルールがこの上なくシンプルなこともあり、見ていてよりわかりやすいのはこちらだろうか。
また「PICO」は、『VRChat』ユーザーの暮らしぶりにフォーカスしたショートドラマの投稿を始めている。これはVRネイティブの姿を紹介することで、ユーザーが「VRデバイスを使い続けた先」を見せるPRのように見える。上記のボクシング企画と合わせて、VRデバイスの利用イメージを発信することで、少しでも「わからないもの」という先入観を払拭する戦略だろうか。
ちなみに、「Meta Quest」シリーズからは『Meta Quest 3S』が、「PICO」シリーズからは『PICO 4 Ultra』が、Amazonのプライムデーにてセール販売されていた。このあたりを見越した展開だった可能性もありそうだ。
■ホロライブが『VRChat』で大規模ゲーム大会企画を開催
『VRChat』進出が続くホロライブは、大きな動きを見せた。夏の複合企画『ホロナツパラダイス』にて、『VRChat』上で行うゲーム大会『ホロナツクイーン決定戦! in VRChat』を開催すると発表したのだ。
企画内容は、『VRChat』で人気を得ている3つのゲームワールドの特別仕様版を用いて、多数のホロライブ所属タレントがゲームを楽しむというもの。26日が本番だが、それまでは任意の練習期間が設けられる。タレント以外がアクセスできる公開ワールドも発表されており、これまでのホロライブの『VRChat』展開の中でも、おそらく最大規模だ。
3Dモデルを用いたバラエティ企画は専用スタジオがクオリティ面では最適ではあるが、多人数かつ本腰を入れたゲームシステムを用いるとなると、『VRChat』の採用にも意味が出てくる。直近の進出成果が、どのように大きな花を開くか、注目したい企画だ。
■『ぷにるはかわいいスライム』の主人公がVTuberとしてゲーム実況?
アニメ2期がスタートした『ぷにるはかわいいスライム』は、番組放送直前に不思議な企画を仕掛けてきた。主人公・ぷにるが、YouTube上で『8番出口』を実況プレイしたのである。
配信そのものは、アニメ本放送の前座と放送後の感想戦と告知を兼ねたものだったが、前座としてはなかなかシュールだ。ぷにる本人がプレイし、異変にはしっかりおののく、アニメ本編ではおそらく拝めない光景が広がっていた。
配信画面の構成はいわゆるVTuberのゲーム実況に近い。アニメやゲームキャラクターのVTuber的運用は、VTuber黎明期から見られる事象ではあるが、2025年は特にVTuberと説明せずともこうした企画が打てていることに環境の変化を感じる。
ちなみに、謎の『8番出口』実況の翌週には、担当声優・篠原侑と“共演”する動画も公開されている。映像を見るに、とにかくライブ感全開の収録が行われたように見え、こちらもややシュールではある。しかし、アニメ単体だけよりは引きが強いのも事実。作品の世界観にマッチする範囲で、こうしたキャラクター運用は増えていくだろうか。
(文=浅田カズラ)

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