
「商品到着待ち」の状態が一番危ない!
今夏のAmazonプライムデーも大いに盛り上がりました。今回は先行セール含め7日間という長丁場だったこともあり、大半の方が一年に一度の大安売りを堪能できたのではないでしょうか。
すでに「あとは購入商品の到着を待つだけ! 開封が待ち遠しい」なんて人も多いかと思いますが、まさにその状態こそ詐欺師が待ち望んだ絶好のタイミングだということを忘れないでください。
悪意のある人たちにとって、プライムセールなどの大安売り期間は数少ない書き入れ時なのです。なぜなら、いつもはスルーしがちな「ECサイトや宅配業者を名乗るメール/SMS」に目が留まってしまう時期だからです。
宅配業者を騙るフィッシングが急増する!
フィッシング対策協議会の発表によれば、前回のプライムデーが開催された2024年7月は、商品の配送を担うヤマト運輸を騙ったフィッシングが急増、協議会が把握する分だけでも5万4000件以上にのぼりました。同様にAmazonを騙るフィッシングも最低1万件以上報告されたことがわかっています。
また、ブラックフライデーにちなんだセールが盛んだった2024年11月も、4万件以上がAmazonを騙るものでした。そのほかにもJCBやマスターカードといったクレジットカード業者を騙ったものがそれぞれ1万件以上確認されています。
このように、セール期間中はECサイトを騙るフィッシングに匹敵する規模で「宅配業者を騙る詐欺メール/SMS」もバラまかれているのです。
再配達系のメールには要注意!
そうした宅配業者を騙るフィッシングのなかでもポピュラーなのが「再配達」を告げるもの。最近は「置き配」が主流なので、一読するまでもなく疑う人も多いかと思いますが、セール商品の到着を待ち望んでいる人のなかには逆に「なんで置き配してくれないの!」と半ば怒りながら偽Webサイトに誘導されてしまうケースもあるでしょう。
また「置き配」時代に対応して、住所不備などを理由に「配達不能」だと告げる詐欺メールも増えています。どちらにしても偽Webサイトに誘導し、配達用の情報と称して個人情報を入力させる手口に変わりはありません。
なお、こうした詐欺メールにはたいてい「配達の日時制限」が記載されています。たとえば、「再配達手続き期限:7月18日 23:59まで/期限を過ぎた場合、お荷物は発送元へ返送されます。再配達は実行されません」といったものです。
こうした文面を挟み込む理由は、受け取った人を慌てさせて判断能力を失わせるためです。詐欺師側としては、さまざまな疑問が浮かぶ前に偽Webサイトへ誘導したいわけです。
対策は単純! 基本的に無視で良い理由
最近のフィッシングメール/SMSは文面で真偽を判別することが困難です。生成AI技術の発展もあり、日本語がわからない人でもネイティブ顔負けの文章を作れてしまいます。詐欺メール特有の、どこか間の抜けた感がある文章は過去のものと考えるべきでしょう。
とは言え、対策は単純です。今どきの宅配業者は、これまで紹介してきたような「どこかに誘導させるためのURLやボタン」が付いているメールを送信することはありません。SMSも同様です。
ちなみにAmazonはログイン後、トップページの「アカウント&リスト→アカウントサービス→メッセージセンター」と飛ぶことで、Amazon公式が自ら送信したメール一覧を確認できます。
つまり、ここに収納されているメール以外はニセモノだと判断できるわけですね。気になるメールを受け取ったら、必ずここで確認する癖を付けましょう。
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なお、不審なメールやSMSなどを受け取った場合、フィッシング対策協議会に報告することができます。

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