詳細画像はこちら

人がクルマを操る

アルピーヌは、A110の次世代モデルに、物理的なボタンを重視した新しいコックピットデザインを採用する予定だ。ドライバー中心のレイアウトで、今後すべてのモデルに展開されるという。

【画像】現行車のインテリアはどんな感じ?【アルピーヌA110 Rチュリニを詳しく見る】 全52枚

来年発売予定の第3世代のA110は、EV専用モデルとなり、アルピーヌ専用設計のインテリアが採用される。また、デジタル操作系よりもアナログのスイッチギアを優先する。

詳細画像はこちら
現行型アルピーヌA110のインテリア

アルピーヌのデザイン責任者であるアンソニーヴィラン氏は、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおける新型SUV『A390』の発表の場で、次世代コクピットではドライバーの没入感を重視し、注意散漫を最小限に抑える方針を明らかにした。

「将来のA110を皮切りに、まったく新しい新世代のコックピットへと移行します。これまでと同じ要素を維持しつつ、さらに進化させていきます。これは今後発売されるすべてのクルマに採用される予定です」とヴィラン氏は述べた。

ホットハッチのアルピーヌA290は、ルノー5をベースにしているため、コックピットはルノー5とほぼ同じだ。一方、A390もルノーメガーヌEテックと似た構成で、ほとんどの車載機能は12インチの縦型タッチスクリーンで操作する。

ヴィラン氏は、「顧客はテクノロジーを求めている」ため、このようなスクリーンが今では当たり前になっていることを認めつつ、アルピーヌのドライバー重視のモデルには、より従来型で物理的なアプローチが必要だと述べた。「そのため、デジタル要素を最小限に抑え、物理的なボタンを数多く採用します」

「スクリーンを数多く配置するというトレンドがありますが、正直なところ、運転に集中したい時はスクリーンに目を向けることはありません。重要な機能に直感的にアクセスできる必要があるのです」

「ドライバーと機械との間には感情的なつながりがあり、機械を操作するのは人間です。スクリーンが機械を操作しているわけではありません」

スポーツカーを購入する人は、自分で操作したいと思うものです。勝手に動くようなクルマは望ましくない。クルマを操りたい。自分で動かしたい。自分なりのルーティンがある。自分の好みに設定したい……」

「クルマが運転したり、操作したりするのではありません。その逆です」とヴィラン氏は語る。

レトロな要素は一切ない

また、ヴィラン氏は新型A110のエクステリアデザインについても触れ、1960年代の初代モデルに大きく影響を受けた現行型とは異なり、「レトロな要素は一切含まれていません」と明かした。

しかし、「A110のコード(記号、符丁)」は受け継がれるため、現在のミドシップエンジン車の後継車として認識できるだろうという。その代表例としては、4灯式のヘッドライトと、ずんぐりしたミドシップのシルエットが挙げられる。ただし、「フォルム」はA390に近く、鋭く尖ったノーズ、流線型のルーフライン、膨らんだアーチなどが特徴となる見込みだ。

詳細画像はこちら
新型A110の予告画像。シルエットとヘッドライトの形状が確認できる。    アルピーヌ

ヴィラン氏は、全高は現行のガソリン車と同程度になることを強調し、EVでは一般的な床下にバッテリーを配置するのではなく、座席の後ろに配置するか、マセラティ・グラントゥーリズモ・フォルゴーレのようにT字型に配置するつもりであることをほのめかした。

「車高は低く保ちます。車高を低く抑えることが非常に重要なのです」と同氏は言う。

ヴィラン氏は新型A110の発表時期については明言を避けたが、現行型は生産終了まであと数か月しか残っていない。アルピーヌとしては、この象徴的なモデルの不在期間をできるだけ短くしたいと考えているはずだ。


■EVの記事
アルピーヌ 「物理ボタン」重視のインテリア、新型A110に採用へ 操作感を優先
テスラに対抗、新EVブランド『IM』英国上陸 約800万円でセダンとクロスオーバー発売へ
急速、普通、ビジター、カードなどEV充電のあれやこれ【ヒョンデ・コナ長期レポート#15】
中国の新ブランド『ジェイクー(Jaecoo)』 高級コンパクトSUV、年内に英国発売

アルピーヌ 「物理ボタン」重視のインテリア、新型A110に採用へ 操作感を優先