名古屋市熱田区の熱田神宮周辺でにぎわい創出に向けた民間の新プロジェクトが始動した。美容機器・健康家電メーカーのMTG名古屋鉄道、地元の有志団体「あつた宮宿会」で組織する「熱田外苑プロジェクト」で、JR熱田駅東側にMTGが商業施設を併設する新本社(熱田区三本松町)を整備、敷地内に劇団四季の専用劇場を移設する。

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 MTG新本社は鉄骨6階建て延べ約1万5,000平方メートル。商業施設に加え、MTGの製品を体験できるミュージアム、瀬戸焼の体験工房、MTGの研究開発センターを併設する計画。施設の設計や監修は著名建築家隈研吾氏が担当する。完成は2027年1月の予定。

 劇団四季の専用劇場は名古屋四季劇場(名古屋市中村区名駅南)が2026年7月に移転する。工事はスタートしており、2026年5月に完成する予定。客席は約1,300。現名古屋四季劇場での公演は2026年2月に千秋楽を迎える「マンマ・ミーア」が最終となり、新名古屋四季劇場で2026年7月から「オペラ座の怪人」を公演する。

 熱田神宮周辺では2024年末、名鉄神宮前駅西口に木造商業施設の「あつたnagAya(ながや)」が開業し、16店が営業しているが、熱田神宮東側に約300メートルのアーケード街が続く熱田神宮前商店街は多くの店舗がシャッターを閉じ、閑散としている。

 プロジェクトに参加するMTGなど3団体は計画場所を地域に開かれた場所とするとともに、商店街など地元の関係団体と連携し、周辺のまちづくりにも協力する方針。名鉄の高崎裕樹社長は「プロジェクトを熱田の未来を創造する機会としたい」、MTGの松下剛社長は「熱田を訪れる人に活力がわく場所づくりをしたい」とのコメントを発表した。

熱田神宮周辺でにぎわい創出の新プロジェクト、劇団四季専用劇場や商業施設