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 グーグル7月14日(現地時間)、AIノートツールNotebookLM」において、専門家が監修した情報コレクションを利用できる新機能「注目のノートブック」(featured notebooks)の提供を開始したと発表した。本機能により、ユーザーは質の高い情報源を容易にノートブックへ追加し、自身の興味がある分野を深く探求できるようになる。

専門家監修の多彩なテーマを探求

 グーグルは世界中の著名な作家、研究者、出版社、非営利団体と協力し、これらの「注目のノートブック」を作成している。提供されるノートブックのテーマは、科学的な探求から実用的な旅行ガイド、専門家によるアドバイスまで多岐にわたる。初期ラインアップには、ベストセラー「Super Agers」の著者エリック・トポル氏による長寿のアドバイス、英経済誌「The Economist」の年次レポート「The World Ahead 2025」に基づく専門的な分析と予測、作家アーサー・C・ブルックス氏の人気コラムを基にしたアドバイスなどが含まれる。ほかにも、イエローストーン国立公園地質学的な解説や生物多様性に関するガイド、オックスフォード大学関連プロジェクト「Our World In Data」が公開する人類の幸福に関する長期的トレンドの概要、心理学者のジャクリーン・ネジ氏による科学的根拠に基づく子育てアドバイス、シェイクスピア全集、世界の公開企業トップ50社の第1四半期決算報告書など、幅広いコンテンツが用意されている。

 ユーザーはこれらのコレクションを、NotebookLMが持つ独自の機能をすべて活用して探索できる。元の資料を読むだけでなく、特定のトピックについて質問を投げかけたり、深く掘り下げたりすることで、出典付きで根拠に基づいた回答を得ることが可能だ。また、事前に生成された音声による概要を聞いたり、マインドマップ機能を使って主要なテーマを視覚的に把握したりすることもできる。

 グーグルは先月、作成したノートブックを一般公開できる共有機能を導入しており、過去4週間で14万件以上の公開ノートブックが作成されるなど、知識共有のプラットフォームとして広がりを見せている。今回の「注目のノートブック」機能と公開共有機能により、専門知識や解説、パブリックドメインの情報を誰もが探索し、共有できる環境が強化される。今後もThe EconomistやThe Atlanticとのパートナーシップを通じて、新たなコレクションを追加していく予定だという。

 今回の発表に際し、パートナー企業は次のようにコメントしている。

 The Economistの社長、ルークブラッドリー・ジョーンズ氏は、「これはThe Economistが結んだ初のAIに特化したパートナーシップです。The Economistの年次特別号『The World Ahead 2025』から選ばれた記事を、NotebookLMユーザーに探索してもらえることを楽しみにしています。この公開ノートブックは、今年を形作ると我々が考える最も重要なトレンドや出来事を検証する、未来志向のジャーナリズムを特徴としています。これはThe EconomistがAIを実験的に活用する多くの方法の一つであり、この協業から学べることを期待しています」と述べている。

 また、The AtlanticのCEO、ニコラス・トンプソン氏は、「未来の書籍は単に静的なものではなくなるでしょう。あるものはあなたに語りかけ、あるものはあなたと共に進化し、またあるものは今では想像もつかない形で存在するようになります。この分野におけるグーグルの先駆的な取り組みに、パートナーとして参加できることをうれしく思います」と語った。

 「注目のノートブック」は、デスクトップ版のユーザーを対象に7月14日から順次展開される。

グーグルのAIノート「NotebookLM」が専門家監修の知識ベースを搭載