
この記事をまとめると
■全日本ラリー選手権第5戦「ARKラリー・カムイ」が7月4〜6日に開催された
■2024年に続き三菱トライトンが2台参戦している
■着実なアップデートを重ね表彰台が見える位置で健闘した
北の大地で2年目を迎える三菱トライトン
全日本ラリー選手権第5戦「ARKラリー・カムイ」が7月4〜6日、北海道虻田郡ニセコ町を舞台に開催。各クラスで激しいバトルが展開されたほか、同時開催のXCRスプリントカップ北海道においても、ピックアップトラックやクロスカントリー車両、SUVなどが激しいタイム争いを展開していた。
今大会は既報のとおり、トヨタ・ランドクルーザー250が競技デビューを迎えたこともあって、数多くの注目を集めていたが、それと同時にXCRスプリントカップ北海道で大きなトピックスとなったのが、2台の三菱トライトンだといえるだろう。
昨年のラリー・カムイと同様にKEIrallyprojectが65号車「圭rp×TOYOTIRE×三菱トライトン」を投入したほか、FLEX SHOW AIKAWA Racingが66号車「FLEX翔 TOYOTIRESトライトン」を投入。ドライバーのラインアップも変わりはなく、65号車がモータージャーナリストとしてもおなじみの竹岡 圭選手、66号車はドリフト競技でも活躍する川畑真人選手がステアリングを握った。
しかも、参戦2年目ということもあって、2台はともにアップデートを実施。三菱の開発協力によって、ECUおよびオートマチックトランスミッションのシフトパターンが変更されたほか、タイヤもトーヨーのニューモデル「オープンカントリーのR/Tトレイル」が採用されていた。
これに加えて、竹岡選手の66号車は足まわりを一新したほか軽量化を実施。さらに、川畑選手の66号車も足まわりの最適化やブレーキの強化、リヤまわりの肉抜きによる軽量化を図るなど、細部の熟成に余念がない。
マシンの調子は上々! しかし……
事実、65号車を駆る竹岡選手が「シフトチェンジが早くなっていて、昨年よりもドライビングがしやすくなりました。パフォーマンスとしては確実によくなっていると思います」とインプレッションすれば、66号車の川畑選手も「去年のクルマとはまったく別物です。とてもスムースでアクセルを安定して踏めるようになりましたし、シフトタイミングもDレンジに入れた状態でも高回転をキープできるようになったので、ちょうどいいパワーバンドで走れるようになりました」と好感触を見せていたのだが、2台のトライトンは苦戦を強いられることとなった。
「昨年に比べてクルマは進化しているし、木にぶつかりそうになるぐらい攻めてはいるんですけど、タイムに繋がりませんでした」と語りながらも、66号車の川畑選手はXC2クラスの2番手でレグ1をフィイッシュしたのだが、65号車の竹岡選手は、「確実にクルマはよくなっているんですけど、最後のSSでパンクをしました」とのことにより、5日のレグ1は4番手でフィニッシュした。
一方、6日のレグ2では、「エンジンの調子が悪くなってパワーが出なくなったほか、シフトの変速もあまりしなくなって、思うように走れませんでした。3位を狙える位置にいたので、ちょっと悔しいですね」と竹岡選手が語るように、65号車は4位でフィニッシュ。
さらに、「ドライからウエットに切り替わるところでオーバーランをしてしまって溝に落ちてしまいました。その後、溝から出て再出走することができましたが、トップタイムを出すことはできませんでした」と川畑選手が語るように、66号車もSS7でコースアウトを喫し、5位に終わることになったのである。
このように、2台のトライトンにとって悔しい結果となったが、「表彰台を狙える位置にいるので、次戦までにトラブルの原因を突き詰めて対策したい」と65号車の竹岡選手。
「データは取れましたが、細かいセッティング変更ではトップとの差が詰まらないので、大きく仕様を変更したい」と66号車の川畑選手も前向きに語っているだけに、9月5〜7日、北海道帯広市を舞台に開催される全日本ラリー選手権第6戦「ラリー北海道」でも、同時開催で争われるXCRスプリントカップ北海道に挑む2台のトライトンに注目したいものだ。

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