
参議院選挙についてSNSのX上でどのようなワードに関心が集まっているのか? ANNがすべての投稿を対象に分析ツールを使って調査を行った。
シリーズで分析する10党のうち今回は参政党と日本保守党を特集する。
テレビ朝日選挙本部の秋本大輔記者はこの調査について「Xの全ての投稿を対象に政党名や政策ジャンルなど約100個のキーワードを設定し、分析ツール(Meltwater)を使用して調査」したものだと説明。
そして、注意点として「データはあくまで『投稿数』で『投稿者の数』ではない」「投稿の内容が肯定的または否定的かの区別はなく、あくまで『数』を積み上げて今X上でどれだけ話題になっているかを分析したもの」と補足した。
例えば、この調査によって、公示日である7月3日から15日まで、「参政党」というワードと共に「外国人」「参院選」「日本人ファースト」などの言葉が投稿されていることがわかる(分析画面では投稿数と文字の大きさは比例する)。
この点について秋本記者は「『外国人』というX上で話題になったワードに加えて『日本人ファースト』という参政党のキャッチコピーも含まれている」と指摘した。
「日本保守党」は「外国人」「お願い」と共に投稿されている

同様に日本保守党においては「外国人」「お願い」などのワードが目立つ。
秋本記者は「他党と同じく『外国人』が多いが、それに加えて各候補者の名前も入ってきていることが特徴だと思う。また、『○○候補、投票お願いします』など投稿によってこの時期は『お願い』などのワードが入りやすくなっている」と説明した。
参政党は「外国人問題」について多く発信

次に、参政党の候補者および党の公式Xアカウントがどのような政策発信を行ったのか分析していく。
秋本記者は「やはり『外国人問題』に関する投稿が非常に多い点が特徴だ。投稿の中身は例えば『行き過ぎた外国人の受け入れへの反対』などが見られた。また、2番手、3番手に『消費税』『減税』といった経済に関する用語も比較的多く見られた点も参政党の特徴だと思う。具体的には『消費税の段階的廃止による国民負担の軽減』といった内容の投稿などが見られた」と説明した。
「減税」についての投稿も増加傾向

さらに、政策ワードごとに投稿数の推移を見て「参政党は公示日以降、候補者から一貫して外国人問題に関する投稿がなされた傾向がある。また、『減税』についての投稿も増えてきている傾向はあると思う」と解説した。
「ダントツで『外国人問題』が多い」

続いて、日本保守党の候補者および党の公式Xがどのような政策発信を行ったのかを見ていく。
秋本記者は「こちらもダントツで『外国人問題』が多い。2番目の『関税』の4倍以上になっており、他の党と比べても差がはっきりと出ている。他にも『関税』や『安全保障』といった外交などにも関わってくるような投稿が多いのも特徴だ。投稿の中身としては例えば、政府の関税交渉に対する批判などが見られた」と説明した。
「Xを使っている人たちに対しては『外国人問題』を発信している」

日本保守党の政策ワードごとに投稿数の推移を見て秋本記者は「公示日以降一貫して、『外国人問題』に関する投稿は多かった。消費税に関する投稿も出てきてはいるが、やはりかなり差が開いている。少なくとも、Xを使っている人たちに対しては『外国人問題』を発信しているとはっきり出ている」と述べた。
参政党と日本保守党が「自民党」に言及する理由とは?

続いて、参政党と日本保守党のそれぞれの候補者が、他の党についてどの程度言及しているのかを見ていく。
秋本記者は「どちらを見ても『自民党』がトップになっている。基本的に選挙期間中に他の党の名前を挙げて褒めるということはあまりない。批判対象だったり、あるいは“意識している政党”として見ることができると思う。実際、投稿の中身を見ても、どちらかというと批判的な内容がほとんどだった」と説明。
自民党の支持者を引き込みたい、という狙いもあるのだろうか?
秋本記者は「それもあると思う。実際の投稿では自民党に対して批判的だったり、『我々だったらこうする』というものが多く、ある種保守層の受け皿を狙う戦略としても見ることができると思う」と分析。
日本保守党が参政党に多く言及している点については「日本保守党が『参政党とは方向が違う』などとする投稿も多く見られた」と説明した。
参政党と日本保守党はXを「何かしらの情報を発信するツール」として活用

さらに、X投稿の「種類」についてみていく。
秋本記者は「参政党はオリジナル投稿と引用ポストが比較的多く、Xを『何かしらの情報を発信するツール』として使っている傾向が出ていると思う。また、日本保守党についてはリポストが多い。中身を見ると、例えば他のアカウントの保守的な政策などに関する発信をリポストしたりしている。参政党とは微妙に違うが、日本保守党も情報発信を中心にXを活用している傾向がある」と述べた。
日本保守党の「拡散力」は非常に高い

最後にX投稿の「拡散力」についてみていく。
秋本記者は「表示された数(インプレッション)を並べた。ただし、これはあくまで『表示の数』であり『人数』ではないことに注意が必要だ。例えばXを見ながらスマホをスライドさせている途中にぱっと表示された場合でもカウントされてしまう。それを踏まえて確認すると、圧倒的に日本保守党が多いことに気づく。候補者の数が多ければ多いほど高く出やすいと思っていたが、候補者の数が少ない日本保守党が他党を引き離す形になった。ある意味、個々の発信力がとても強いと言えるだろう。2番目には自民党、3番手には参政党が続く。ただし、注意点がある。この分析では『候補者』を対象としており、他の党を見ると、フォロワーが多い傾向にある『党の代表』のアカウントなどは入っていない。(カウントされるのは)あくまで今回の候補者のXに限っている点には注意が必要」と述べた。
(ABEMA/ニュース企画)

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