
5 Nよりも精密な運転体験
ヒョンデの高性能ラインナップを手がけているN部門が開発した2台目のハイパフォーマンスEV、『アイオニック6 N』が、英国で開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて初公開された。
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ヒョンデNの創設者で副社長を務めるパク・ジュン氏はAUTOCARに対し、「アイオニック5 Nがワイルドな性格であるのに対し、6 Nはより精緻なドライビング体験を提供します」と述べた。両車はパワートレインを共有しているが、6 Nはセダンらしい低い車高を活かしたキャラクターとなっている。
6 Nは、最新のフェイスリフト版アイオニック6をベースにしており、前後ともに60mm拡幅されたワイドフェンダーを備える。Nのチーフデザイナー、エドゥアルド・ラミレス氏によれば、6 Nのデザインはすべて、機能のために存在しており、「シルエットを強調する低いノーズ、大型のフロントグリル、整流効果を狙ったN専用ウィングレット、そしてフロントスプリッターと空力バランスを取る大型リアスポイラー」を備えているという。
フロントモーターで237ps、リアモーターで411psの出力を発生し、システム総合出力650ps、最大トルク78.5kg-mの四輪駆動となっている。
N部門のシャシー制御責任者スヴェン・リッシュ氏は「技術的には、完全に新しいクルマです」と語っている。高耐久モーターマグネットにより性能の低下を抑えたほか、84kWhバッテリーを適切な動作温度まで加熱する7kWhのヒーターも新たに採用したという。
特筆すべきは、5 Nよりも重心が低く、トレッドが広いことである。これにより「ハンドリングがはるかに扱いやすく、コントロールしやすくなりました」とリッシュ氏は説明し、「シャープさが格段に向上しています」と語った。
シャシーにおいては、電子制御ダンパー、電子制御LSDを搭載し、新設計の20インチ鍛造ホイールには275/35サイズのピレリPゼロタイヤを装着している。
Nのエンターテイメントは健在
車重や0-100km/h加速タイムは現時点で公表されていない。全長は4.94mと5 Nより220mm長いが、全高が低いため、おそらく車重は5 Nと同程度の2235kg前後になると推測される。
5 Nと同様、6 Nの走行キャラクターはソフトウェアとチューニングによるところが大きい。ブレーキによるトルクベクタリング、ドライブモードを問わず最大出力を引き出す『Nグリップブースト』、擬似エンジンサウンドや擬似シフトチェンジなど、さまざまな演出が用意されている。
さらに、『ドリフトモード』はイニシエーション(開始)に3段階、ドリフトアングル(角度)とタイヤスモーク(ホイールスピンの度合い)でそれぞれ10段階の調整が可能となっている。『Nトラックマネージャー』機能では自分のお気に入りのサーキットを登録し、ラップタイムを記録することもできる。
6 Nは、韓国市場向けには9月より生産が開始され、英国では年内に販売開始予定である。価格については未定だが、パク氏は「6万5010ポンド(約1300万円)の5 Nよりも手頃な価格にしたい」との意向を示している。
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