ティグアンらしいデザインは先代そのままに精悍なマスクなどで存在感を高めている

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トゥアレグの弟分としてティグアンが登場したのは2007年(日本上陸は2008年)のこと。いわゆるミドルクラスのSUVで、取り回しのよさや優れた実用性などで日本での人気も高く、VW(フォルクスワーゲン)のラインナップの中でも売れっ子である。現行型は3代目で2023年(日本上陸は2024年)に登場した。

ディーゼルとガソリンの2本立て

グレードはエントリーグレードのアクティブと装備を充実させたエレガント、スポーティな味付けのRライングレードはエントリーグレードのアクティブと装備を充実させたエレガント、スポーティな味付けのRラインの3つとし、それぞれに対して、1.5Lガソリンベースの48Vマイルドハイブリッドと2Lディーゼルを用意。計6グレードから選ぶことができる。人気はやはりディーゼルで、力強いだけでなく、ここぞというときの加速力もあってスポーティな走りを楽しめる。

2Lのクリーンディーゼルは力強さと燃費のよさで定評のあるユニット。燃費は15.1km/L2Lのクリーンディーゼルは力強さと燃費のよさで定評のあるユニット。燃費は15.1km/Lと、車格を考えると良好な数値だろう。一方のガソリンは欧州で主流の48Vで気筒休止機能も備え、こちらは15.6km/Lとなっている。ミッションはすべて7速DSGで、ガソリンはFF、ディーゼル4WDとなる。

ディーゼルでは軽油を使用するだけでなく、定期的なアドブルーの補充が必要ディーゼルでは軽油を使用するだけでなく、定期的なアドブルーの補充が必要。アドブルーは排気ガスの浄化に必要なもので、減ってくると警告灯で補充を知らせてくれる。ちなみになくなってしまうとエンジン再始動不可になるので注意が必要だ。

シャープな見た目に大きすぎない程よいボディサイズ

ティグアンらしいデザインは先代そのままに精悍なマスクなどで存在感を高めているプラットフォーム自体は先代のものを進化させて使用しているので、ほどよいサイズ感は健在。3代目で全長と全高がわずかに拡大されているが、パッケージングの向上につながっている。デザインもティグアンらしさはそのままに精悍なマスクなどで存在感を高めている。

また、ヘッドライトは片側1万9200個もの高精細マルチピクセルLEDを使用することで、細かい制御が可能になった。

左右を貫くテールランプなど、リアのイメージもシャープな印象左右を貫くテールランプなど、リアのイメージもシャープな印象だ。

試乗したエレガンスのタイヤサイズは18インチで伸びやかなホイールデザインが特徴今回試乗したエレガンスは18インチで伸びやかなデザインが特徴で、乗り心地などのバランスもちょうどいい。アクティブは17インチ、Rラインは20インチとなる。

ドイツ車らしい快適な車内空間

見た目はオーソドックスだが、クッションはしっかりと効いたシート見た目はオーソドックスだが、クッションはしっかりと効いているのはVW流。座り心地はよく、長距離運転も疲れない。

全長が伸びた分、ゆったり感が増したのが後席全長が伸びた分、ゆったり感が増したのが後席。とくに足元はさらに余裕が出て、大人ふたりが乗っても窮屈感はない。

全グレード、シートヒーター付きで、エレガンスとRラインは後席にも付く全グレード、シートヒーター付きで、エレガンスとRラインは後席にも付く。冬にはありがたい装備だ。

ラゲッジスペースの容量は652Lと余裕たっぷり。最大1650Lまで拡大するラゲッジスペースの容量は652Lと余裕たっぷり。さらに後席を倒せば最大1650Lまで拡大する。フロアに段差はなく、荷物の積み下ろしもしやすい。

ラゲッジ内の100Vのコンセントは全グレードに標準装備100Vのコンセントは全グレードに標準装備。アウトドア、災害時などで活用できる。

荷物を固定するのに便利なフックなど、細かな配慮がされているラゲッジまわりの装備荷物を固定するのに便利なフックなど、細かな配慮がされているラゲッジまわりの装備。ラゲッジ側から後席を倒せるのは楽だ。

電動パワーゲートは全グレードに標準で、はさ込み防止機能も付いている電動パワーゲートは全グレードに標準で、はさ込み防止機能も付いている。

巨大な15インチモニターは操作性、視認性共に抜群!

デザインが一新されたインパネまわり。直線基調でシャープなイメージを強調デザインが一新されたインパネまわり。直線基調でシャープなイメージを強調している。またアンビエントライトはカラー調整可能。

インフォテイメントシステムは刷新され、エレガンスとRラインではディスカバー・プロ・マックスと呼ばれるインフォテイメントシステムは刷新され、エレガンスとRラインではディスカバー・プロ・マックスと呼ばれる。各機能の操作もパネルや音声で行なう。そのおかげでインパネまわりがスッキリとした。15インチのモニターは巨大で、その分、操作性もいい。

メーターは10.25インチと大型でTFT液晶で表示も鮮やかでクリアメーターも10.25インチの大型。TFT液晶で表示も鮮やかでクリアだ。ナビや車両情報などを表示させることもできる。ヘッドアップディスプレイも全車標準装備。

シフトはセンターではなく、ステアリング脇のレバーで行なうシフトはセンターではなく、ステアリング脇のレバーで行なう。ひねったりするので慣れないと戸惑うかもしれないが、慣れればかなり楽。

タイプCのポートは前席用にふたつ用意され、後席にも付くタイプCのポートは前席用にふたつ用意され、後席にも付く。

VW「ティグアン」スペック

VWのラインナップの中でも売れっ子である現行型ティグアンは3代目で2023年(日本上陸は2024年)に登場実用性重視だったティグアンだが、3代目になって内外装のデザイン性が増して、存在感はかなり高まった。実用装備も充実しているのも好印象だ。また、ガソリンのマイルドハイブリッドクリーンディーゼルともに熟成度は高くて、どちらを選んでも不満はなし。

フォルクスワーゲン ティグアン TDI 4MOTION エレガンス

・全長×全幅×全高 4,545×1,840×1,655mm
・ホイールベース 2,680mm
・車両重量 1,750kg
・最高出力 142kW(193ps)/3,500-4,200rpm
・最大トルク 400N・m(40.8kgf・m)/1,750-3,250rpm
・燃費(WLTCモード) 15.1㎞/L
・駆動方式 4WD
・メーカー希望車両本体価格 ¥6,218,000(税込)

問い合わせ:フォルクスワーゲン グループ ジャパン TEL:0120-993-199
公式WEBサイト:https://www.volkswagen.co.jp/ja.html

文/近藤暁史

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