辰巳孝太郎氏

 結果次第では大きく政局が動く参院選は、20日に投開票が行われる。『ABEMA Prime』は政党研究を実施。今回は「日本共産党」をピックアップした。

【映像】辰巳氏「若い人に知ってもらうことが大事」

 1922年に創立し、100年以上の歴史を持つ、日本で現存する「もっとも古い政党」。資本主義を乗り越えた先にある「共産主義」を目指している。国民本位の政治を貫くため、政党助成金を受け取らず、「しんぶん赤旗」の購読料や個人からの寄付などで、活動資金をまかなっている。

 23年間トップを務めた、志位和夫氏が去年退任し、後任には初の女性委員長、田村智子氏が就任。参院選で掲げている公約は、消費税の廃止を目指し、緊急に5%への減税。

 一方、去年の党員数は25万人となり、ピークだった1990年の半分にまで減少。さらに、前回の衆院選では10議席から8議席に減少するという厳しい状況も。日本共産党は、今回の参院選で何を訴え、どう支持を広げていくのか。日本共産党、党衆院国対副委員長の辰巳孝太郎氏に話を聞いた。

■日本共産党に聞く“10の質問”

基本政策

 まずは、各党共通の10個の質問を聞いた。

Q1.党が一番大事にする理念は?

 誰もが尊厳を持って生きられる社会、なりたい自分になれる社会を目指している。

Q2.今回の選挙で一番の推し政策は?

 消費税廃止を目指して、5%への減税、そして責任ある財源で賄っていく。

Q3.党を推している人たちにはどんな人が多い?

 今の政治に不満を持って、大元から政治を変えてほしい、本物の改革をしてほしい、そういう人に支援されてると思う。

Q4.世間のイメージの認識は?どんな党だと思われている?

 お金に清潔で、真面目だと思う。

Q5.党として勘違いされている、誤解されている点はある?

 中国と旧ソ連と名前が一緒ということで、「何が違うのか?」という質問はよくある。

Q6.ネットのアンチに思うことは?

 共産党は全国に組織があるので、アンチの方も生活に困ったら相談にお越しください。

Q7.現時点の情勢調査の受け止めは?

 自民党公明党衆議院選挙に続いて少数になる可能性があり、政治を変える大きなチャンスが来てる。

Q8.政策的に一番近い党、手を組める党は?

 この間で共闘している野党などがあると思うし、一致点で私たちは共闘していく。

Q9.絶対に組めない党はある?(アリ・ナシで)

 自民党、そして排外主義を掲げる参政党も組めないと思う。

Q10.メディアに言いたいことは?

 排外主義、外国人へのヘイト、差別の先導をきっちり批判してほしい。

■「消費税廃止を目指し、まずは5%」

財源

 今回の公約に“消費税5%”を掲げているが、他の党との違いは何か。「消費税廃止を目指して、まず5%だが、国会で聞いてて、辟易したのは、とにかく赤字国債を出すの一辺倒だ。私たちはそういう立場は取らない。もちろん、コロナ、能登半島のときなど、必要な赤字国債は出すべきという立場だが、廃止を目指すから、1〜2年で減税も終わらないといけない。恒久的な財源が必要で、アベノミクス以降で減税優遇されている税制を正して、ちゃんともらい、そこにあてる。減税と財政のことを両立させようと思ったら、赤字国債ではなくて、やっぱり財源だ」と答えた。

 企業の税金については、「法人税がかつて40%あって、安倍さんの前ぐらいまでに28%、そこからさらに下がって、今20%前半ラインまで来てる。私たちは、40%まで戻そうとは考えてなく、28%に上げる。これが基本的な方針で、その法人税の減税をなぜ安倍さんがやったかは、企業の負担を軽くすることで賃金に回してもらう、下請けの企業、中小企業に潤ってもらう、いわゆるトリクルダウンだ。ただ、それは起こらなかった。自民党や政府は、思ったような効果が現れなかったと認めているから、そこぐらいまで上げる」と語った。

 野党で連立政権を組む可能性は、「やっぱり私たちが今回掲げてる選挙の公約だ。暮らしをなんとかしてほしい。消費税の減税を最優先に考えてるから、そこで一致できるところがあればいいんじゃないか」との考えを示した。

■「若い人に知ってもらうことが大事」「視野に入ってないことを脱却する」

直近の選挙と統勢

 日本共産党が、毎回の選挙で統制が拡大していないことについては、「2014年、15年の安保法制の強行採決以降、日本共産党が国政選挙で、多くの選挙区で、いつも全部出すが、出さずに共闘で政治を変える。自民党公明党の政治を終わらせるために、(党への)票が減るが、あえて出さない。本当に政治を変えたくないと思っていたら、そこまでやらない。我々は本気だ」と主張する。

 情勢調査の結果には、「もっと上に行ってほしい」といい、「私はYoutube、Xなどをやっているが、まだまだTikTokやInstagramなどで露出しないといけない。そこの戦略をもっと立てないといけない」。

 また、「もっと若い人に日本共産党を知ってもらうことが大事。やっぱり『イメージが沸かない』、『日本共産党が何を言っているかわからない』。視野に入ってないことを、まず脱却することが大事だ」と語る。

 しんぶん赤旗については、「役割がものすごく大きく、去年の総選挙であのような結果が出たのも、赤旗の裏金スクープがあったからだと思う。大体みんな紙で見ているが、今は電子版もできて、しんぶん赤旗日曜版がある。日本で一番読まれている週刊紙だ」と紹介した。

(『ABEMA Prime』より)

「消費税廃止を目指し、5%への減税」を掲げる日本共産党 辰巳孝太郎氏「若い人に知ってもらうことが大事」「視野に入ってないことを脱却する」