
この記事をまとめると
■フェラーリからローマを進化させた新型2シーターGT「アマルフィ」が発表
■彫刻的なエクステリアと高度なインフォテインメントを搭載
■V8ツインターボで0-100km/h加速3.3秒の圧倒的性能を誇る
ローマの後継モデルがお目見え
フェラーリが7月1日、ニューモデルとなる2シータースポーツカーの「アマルフィ」を発表した。ちなみにこのアマルフィというネーミングは、イタリア南部のソレント州に位置するアマルフィ周辺のサルレノ湾に面した、世界でもっとも美しい海岸としても名高い、アマルフィ海岸に由来するもの。
高性能なスーパースポーツでありながら、同時にGT(グランツーリスモ)としてのエレガントさや快適さを強く演出したモデルに、フェラーリはここ最近では「ポルトフィーノ」や「ローマ」といった地名を車名として与えてきたが、ついにそれはアマルフィに至ることになった。ちなみにこのアマルフィは、これまでのローマのビッグマイナーチェンジ版として考えられるものだ。
ミニマリズムとダイナミズムを融合させたアマルフィのエクステリアデザインは、使い古された表現ではあるが、あたかもひとつの固体から削り出されたかのような、彫刻的ともいえる美しさを感じさせるもの。もちろんそれはエアロダイナミクスの点においても現在の最先端にあるもので、表現を変えるのならば機能美の究極形が、このアマルフィの姿であると評してもよいだろう。リヤにはアクティブ機能を備えるウイングも採用されている。
一方のインテリアは、これまでのデュアルコクピットレイアウト、すなわちドライバー側とパッセンジャー側のスペースをセンタートンネルによって完全に分割させたデザインだ。
ダッシュボードはその大きさこそ異なるものの、同じコンセプトで左右対称にデザインされており、15.6インチのデジタルインストゥルメントクラスターには、車両の走行状態をはじめとする多くのインフォメーションをリアルタイムで表示。10.25インチのセンタータッチスクリーンでは、やはり各種データが確認できるほか、エアコンやシートの設定を行うこともできる。
パッセンジャー側に備わる6.8インチのサブディスプレイには、ドライバーが得ているものと同様の走行速度やエンジンスピードなどが表示され、さらに容易なドライブフィールの共有を可能にする。
ドライバーが走行中に必要とする操作の大部分は、ステアリングホイールにレイアウトされる各種スイッチで、それを行うことができる。最新のADAS(先進運転支援システム)やアダプティブコントロールなどの操作系も、このステアリングホイールに集約されているから、その機能性は十分に高く評価してよいだろう。
インフォテインメントシステムは、Apple CarPlayとAndroid Autoに対応。スマートフォンのワイヤレス充電や、フェラーリ独自のコネクトシステムが搭載されているほか、専用のアプリを用いて遠隔操作ができるのも大きな特長となっている。
V8ツインターボは1万rpmを許容
アマルフィに搭載されるパワーユニットは、3855cc仕様のV型8気筒ツインターボ。最高出力は640馬力で、レブリミットは1万rpmに設定される。これに組み合わされるミッションは、SF90ストラダーレでのテクニックをさらに進化させたとされる8速DCT。ターボチャージャーのシステムは完全な新開発となるが、スロットルレスポンスの向上と過給圧制御をさらに精密化したことなどで、こちらもさらなる性能向上が図られている。
すべてのギヤで魅力的な加速と滑らかなトルクカーブを実現したとアマルフィがアピールする走行フィールもまた、カスタマーには大いに注目すべきところとなるだろう。
実際にこのアマルフィが実現した運動性能は、最高速で320km/h。0-100km/h加速は3.3秒、0-200km/h加速では9秒という魅力的なものだ。
さらに、こちらも最新技術の投入によって、ローマからさらに大幅な進化を果たしたという、ヴィークルダイナミクスも見逃してはならないアマルフィの魅力。ブレーキ・バイ・ワイヤとABS Evoシステムを核とするそれは、さらに制動力の最適分配のほか、走行中の車体を安定させるために大きく貢献する。
サイドスリップ・コントロールや、こちらも改良された電動パワーステアリングなど、実際の走りのなかでアマルフィのドライバーが感じる走りの進化というものは、相当に大きいだろうと想像できる。
最初に触れたとおり、7月1日にイタリア本国で発表されたアマルフィだが、7月29日には早くもそのジャパンプレミアが東京で行われることが決定した。それはフェラーリが、いかに日本という市場を重視しているかの証明でもある。参考までにアマルフィにイタリアで設定されているベース価格は24万ユーロ(約4115万円)。はたして、日本での価格はどのような数字になるのだろうか。
もちろんフェラーリには、これもまた世界に誇るパーソナリゼーションプログラムも存在するから、実際にアマルフィの購入を決断したカスタマーが、多彩なオプションを活用して、どのように自分自身のモデルを仕上げていくのか。それもまた興味深いところだ。
フェラーリのニューモデル、それはいつも多くの話題と魅力に満ち溢れている。

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