6月16日よりABEMAにて放送された恋愛番組『今日、好きになりました。ハロン編』(以下:今日好き)。現役高校生たちが2泊3日の修学旅行に飛び出し、運命の恋を見つける同番組には、時に甘酸っぱく、思わず胸がキュンとするような青春と恋模様が溢れんばかりに詰まっている。

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 以下より、7月14日公開の最終話から見どころを紐解いていく。細かなネタバレもあるためご注意いただきたい。

■めい、りょうすけに吐露した「不安な部分」 それでも告白を選んだ理由とは?

 終わるな、ずっとここに居ろーーそう呟きたくなるくらい、最終話を迎えたくなかった“背脂編”もとい『ハロン編』。これまで長年にわたり『今日好き』を観てきて、今回ほど笑いの絶えない旅はなかった。

 特に前回の4話。放送から間もなく番組の伝説に刻まれた“多動バーベキュー”を経てもなお、メンバーの恋模様はデッドヒートを繰り広げている。先週時点でカップル成立がほぼ確定となったおうが(桜我)×あおい(永瀬碧)を除いて、本当に結果が読めない。とはいえ、最後の最後にはしっかりとすべての“伏線回収”がなされる形に。ということで記念すべき最終話は、この言葉をキーワードに旅の思い出を振り返っていこう。

 まずは、りょうすけ(曽根凌輔)×めい(天宮芽唯)。女子から男子への“最後のアピールタイム”を迎えた現状。彼の表情からはまだ、せりな(佐藤芹菜)とめいのどちらが優勢なのか、まったく見当をつけられない。めいの一途な想いは健在で「私のなかの面白い」がりょうすけにはあるらしく、そうした気持ちを形にしようと、特技の折り紙で作ったカーネーションを綺麗な紙に貼り付け、メッセージとともにデコレーションして手渡す。

 めいが折ったカーネーションは、合計3本。その本数もあわせて、花言葉は“愛しています”。本人からの言及がなかったため、本数にも意味を込めたかは定かではないが、めい自身が誰よりも不安であること。そして「めいは変わらないので、待っててください」という言葉が定かであることだけは間違いない。

 さて、告白の結果は? りょうすけはせりなに対して、落ち着いて話せる人だったと、この3日間での感想を伝える。が、告白に応えることはできず。一方、今度はめいから旅を通しての感謝を述べられながらも「私のなかで不安な部分があって。それをさっきまでずっと考えたんだけど……」と、雲行きが若干怪しくなる場面が。とはいえ、それ以上に「楽しい思い出を作っていきたい」という今後の可能性に賭けて、告白することを選んだようだ。

 結果は……「僕も大好きです、お願いします!」で、見事にカップル成立! りょうすけの表情、本当に読めず。ともあれ最後には彼も折り紙を手に取り、「大好きです」のメッセージ付きで完成した“ハート”をお返しするのだった。まずは、ふたりが何度も交わしてきた“折り紙が好き”という話題からの伏線回収である。

■おうが×あおい相思相愛ぶり伝わるアピールタイム “ツインテールおうが”を見逃すな

 ふたつめの“伏線回収”は、おうががあおいに対して“渡したいものがある”と匂わせていたプレゼント。あおいからのアピールタイムで、彼は“金と銀”のどちらがよいかと質問。おうがの渡したかったものとは、今回の旅で好きになった人にだけ贈るため、日本から持参してきたというLEGOキーホルダーだった。この後、自身がそうなのはもちろん、あおいにも「ない」と即答されたわけだが、「なにか不安なこととかない?」「相手がどう不安に思ってるかわからないからさ」という気遣いを見せていたところまで、未来の彼氏として本当にパーフェクトである。

 そんなおうがが相手だからこそだろう。あおいは言葉の切れ目の最後で、視線をいちいち彼の方にやるかわいい素振りを見せながら「いま、ここで、告白する!」と、“フライング告白”を宣言。「おうがくんのリードしてくれるところとか、カッコいい顔とか、趣味が合って会話が盛り上がるところとか、全部好きです」と、3日間で見てきたおうがのさまざまな側面を告白の言葉に詰め込んだ。

 もちろん、このふたりはカップル成立。するとすぐさま、あおいがおうがからしばし離れぬタックルのようなハグを見せたかと思えば、バスケットボールのフリースロー&3ポイント対決で敗れたおうがを彼女がツインテールにする、独特な角度からのイチャイチャを披露。なんというか……いかにも、ふたりらしい光景だなと思えてしまった。“あのポーズ”といえば伝わるだろうが、なにか照れることがあれば、そのたびに両手で顔を覆ってしまう行動の癖までお揃いな似たもの同士。彼らが長続きせずして、ほかのどんなカップルが長続きするのだろうか。本当に幸せになってもらいたいものである。

■“おひな様軍団”がドラクエ状態で入場 もんたの新曲「僕のかわい子ちゃん」生歌披露も

 自身を意識している男子3名を引き連れて、まさしく“ドラクエ状態”での入場となった“おひな様軍団”。「しゅんくん以外はあちらへどうぞ」と、冒頭からキレのある言い回しで、るい(倉田琉偉)&もんた(MONTA)はお預けをくらってしまう。

 ただ、しゅん(倉澤俊)は最終的に、ひな(長浜広奈)のお眼鏡には叶わず。彼は2日目の健闘ぶりがものすごく、おひな様の手を握った唯一の家臣となったわけで、ひな自身も彼といると「自己肯定感がもっと高くなった」と高評価。それでも、しゅんの気持ちに応えることはできず、彼は告白を前に戦線離脱を言い渡されてしまった。

 そんな状況下で、またしても伏線回収が。「ひなに会うの最後だよ。言っときたいこと、言っちゃって!」と、かつての2ショットと同じ言葉を引用して導かれると、海に向かって「ひなちゃんが世界一かわいいので、これから頑張ってくださーい!」と、大声でエールを届ける。それでも「じゃあチェンジで!」と、早々に交代を告げられてしまう悲しきしゅんなのだった。

 続いては、るい。ひなの眼中から外されたところから、奇跡の復活を遂げた男。こちらは、彼が気持ちを絞った結果を話しだそうとした際に「人は言わないで。楽しみにしとくから」「いまのうちに目に焼き付けといて、ひなのこと」と、やたらとひなのテンションが高い。

 その証拠と言えるのか。彼女の方からの申し出で、ハロン湾の熱で喉がカラカラな状態のるいに特技のビートボックスを聞かせろと要求。そのまま自身もビートを刻もうとするが「おっけー!」と早々に切り上げるところまで、初日に一緒に挑戦したマシュマロ頬張り対決然り相変わらずの自由人である。“かわいいからいいですか?”と言わんばかりだし、損切りをする際の思い切りの速さが異常。

 最後は、“マブでラブ”な関係性のうえにある、もんた。ようやく、彼のギターがお出ましだ。しかも驚くことに、準備してきたのは自身が作詞作曲したオリジナルのもの。彼の才能は、TikTokを賑わせているタクシーを戻す”あの曲”ですでに周知されている通りだが、やはり歌が上手い。まだ未確認の視聴者は、彼がYouTubeに公開した今回の曲を聴いてもらいたいものだが、本当に安心して楽しめるクオリティである。

 作詞ができるから、言葉を巧みに操れるのだろうか。このアピールタイムの冒頭、ひなについて「隠してそうなものがいっぱいあるから、だから気になる」と核心を突く一言を残しただけでなく「もしひなちゃんが違う人を好きでも、いちばん心を開いてくれたと思うの」「それだけでオレはうれしい」と、本当に真摯な人柄が言葉選びにそのまま表れてくれる。

 彼の言葉通り、ひなはもんたといるときがいちばん自然体でいられていたと思う。それはたとえば、前述の曲を披露する前、完成した曲をプレイリストに入れると言い出したときのこと。彼から「Apple Musicとかいける?」と尋ねられると「私、Amazon Musicだから」と、“違う、そうじゃない”と言いたくなる切り返しで楽しませてくれた。

 ほかにも、曲タイトルを悩んでいると言われたら「僕のかわい子ちゃん」と、このご時世では秋元康くらいにしかできない芸当の“Jの精神”が詰まった題名を秒速で考えついたり、もんたに最後の最後で「(話すことができて)光栄です、おひな様」と言わしめるなど、この関係性の綺麗な締めくくりを見せてくれたり。なんというか、本物の姫と執事……それでいて生きる世界の違うふたりが想い合うドラマを見ているかのような感覚にさせられてしまった。

■ひな、最後に告白した相手と成立結果は? 「2回目の旅は、一言で言うと疲れました」

 実際のところ、ひなが最後に告白したのはもんたではなく、るいだった。ひなから先に言葉を伝えたのがるいからだったので、『今日好き』方程式からして、後順のもんたと結ばれるものだと思っていた。それでも彼女から最後の言葉を伝えられたとき、もんたは誰よりも暖かい眼差しで、彼女を見つめてくれる。

 「ひなちゃんは、オレの思っていたひなちゃんのまま。ずっとこれから素敵な恋愛をしてくのもちょっと悔しい気もするけど、でもやっぱり会えて、色々な話ができてすごいよかった」。自分に自信はないけれど、ひなは真逆の自信家。そんな彼女から学んだことを、今度は自分の自信に繋げたい。もんたの言葉に、彼の人格者ぶりのすべてが詰まっていたと思う(いま思うと、ここで結ばれなかったことも含めて、ふたりの間にあるドラマ的な関係性をますます特別なものに感じさせてくれたのかもしれない)。

 そして、るいへの告白。ひなが一緒にJAPANに帰りたい王子さまにご指名である。が、返ってきたのは「ひなちゃん、ごめんなさい!」。彼曰く、自身もふたりの女子の間で揺れ動いていたことで、このまま付き合うのは不誠実とのことだった。ひなは告白を終えて「るいくんは完全にひなに落ちてるって思いました」「ひなを選ばないなんて、ちょっとダメですね」と振り返っていたが、おそらく誰もがそう感じたことだろう。それでも、るいの選択だって間違いではない。

 しかしながら、それ以上に間違いなかったのが、この後。

「ひなの王子さまはどこにいるんですか?」
「いないのかな」
「いや、いますね」
「地球はデカいから」

 ひなの言葉が、4コマ漫画のようなオチである。しかもこの後、「2回目の旅は、一言で言うと疲れました。大変だったよ~」と、前回の『マクタン編』を象徴した“疲れました”で旅の総括をするあたり、“鉄板”というものを完全に理解しすぎている。

 地球はデカいし、ひなは偉い。なにより、かつての『今日好き』では地球を超えて、“宇宙の起源”を感じた男子すらいたのだから、ひなが世界のどこかにカムバックした際には、今回以上に奇抜な男子と結ばれてしまうのでは……。悲しいはずなのに、そんな宇宙規模の期待感を早々に膨らまされてしまう、多くの男子陣のみならず、我々視聴者もおひな様に振り回される最高の旅なのであったーー。

(文=一条皓太)

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