
サーキット専用モデルBMW「M2 Racing」販売開始
BMWは、カスタマー・レーシングに向けたサーキット専用エントリーモデルBMW「M2 Racing」の発売を2025年7月より開始しました。本モデルは、BMW M社が開発したMハイパフォーマンスモデルで、価格は2100万円です。BMW Mモータースポーツディーラーである東京都のモトーレン東都および大阪府のエルベオートで販売されます。これからモータースポーツに挑戦したいユーザーにとって、理想的な1台を紹介します。
本格的なモータースポーツ入門マシンとして
BMW M2 Racingは、BMW M2をベースに実戦投入が可能な仕様にチューニングされているのが特徴だ。後輪駆動、前後重量配分は理想的な50:50により、俊敏なハンドリングと卓越したロードホールディング性能を実現。レースで高い戦闘力を発揮する。
パワートレインには、2L直列4気筒Mツインパワー・ターボエンジンを搭載。最高出力313ps、最大トルク420N・mを発揮。これに組み合わされるトランスミッションは、モータースポーツ専用ソフトウェアで制御する8速ATで、ドライバーの意図に即応する優れた変速性能を誇る。
シャシーには、BMWモータースポーツ製の溶接式セーフティロールケージを搭載し、DMSB(ドイツモータースポーツ連盟)認定、FIAレギュレーションに準拠した設計が施されている。ルーフにはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を採用し、軽量化とボディ剛性の両立を実現。Makrolon®製リアサイドウインドウやフロントスプリッター、トランクリッド・クイックリリースロックなども装備し、空力性能とメンテナンス性を高めている。
足まわりには、GT3マシン由来のKW製ショックアブソーバー(非調整式)と、前後調整式のモータースポーツスタビライザーを採用。ホイールは10J×18インチのマットブラック仕上げアロイ製で、タイヤにはグッドイヤーの265/660R18サイズが装着される。制動系はBMW Mコンパウンドブレーキとモータースポーツ専用パッドを組み合わせ、さらに冷却効率を高める専用ブレーキエアクーリングシステムを備える。
駆動系には、BMW M2 Racing専用設計のドライブシャフトと、個別冷却システムを備えた機械式LSD(プリロード型)を標準装備。これにより左右輪の回転差を最適に制御し、優れたトラクションと安定性を確保している。
ドライバー支援装備として、10段階調整が可能なMトラクションコントロール、ピットスピードリミッター、レーシング用に最適化されたインストルメントパネルを装備。さらにエアコンも標準で備わっており、長時間の走行でも快適性を保つ点はエントリーユーザーにとって大きな魅力だ。
データ解析機能も充実しており、専用ワイヤリングハーネスとデータロガー用コネクター、最適化されたポートを装備。過酷なレース環境下でも正確な走行データの取得と解析が可能だ。
車両価格は2100万円。右ハンドル、AT仕様で、ボディカラーはアルピンホワイトIIIのモノトーン仕様となる。
BMW M社が展開するMモデルには、「Mハイ・パフォーマンス・モデル」と「Mパフォーマンス・モデル」の2系統が存在するが、BMW M2 Racingは前者に分類され、サーキット走行性能を最優先に設計された、まさに真のレーシングマシンである。
AMWノミカタ
BMWの高性能モデルを手掛けるBMW M社が開発したBMW M2は、1985年に登場し高性能スポーツカーのベンチマークを確立したBMW初代「M3」、および1973年に誕生しそのスポーティな美しさと卓越した運動性能で名を馳せたBMW「2002ターボ」の伝統を受け継ぐ、もっともコンパクトなBMW Mモデルである。従来のM2 CS Racingは3L直列6気筒Mツインパワー・ターボエンジンを搭載していたが、今回の新型では313psを発揮する2L直列4気筒Mツインパワー・ターボエンジンへと変更された。
最高出力、最大トルクともに先代より抑えられているが、冷却性能、耐久性、安全性、剛性の全体バランスをさらに進化させることで、より扱いやすいマシンに仕上がっているのではないだろうか。
このモデルは、年間12戦開催されているBMW & MINI Racingの2026シーズンで新クラスとして正式採用される。M2 Racingがこのレースでどのような走りを見せるのか、今から楽しみだ。
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