
静岡大学では、ウイスキーの空き瓶を用いて実験を行っているという。
いったい何に使っているのか。静岡大学の木村洋子教授によると「ウイスキー瓶を(酵母の)培地を入れる瓶に使っている」という。
その理由について木村教授は「持ちやすいということと、何よりタダ」と研究費不足が原因だとした。ノーベル賞を受賞した基礎研究を支えてきたことで知られる「科研費」の獲得が特に難しくなり、応募した件数のうち3割程度しか受け取れないという。
経団連の筒井義信会長は「科学技術の遅れが、科学技術人材の停滞につながりかねない。さらに産業競争力、国益の低下ということにつながりかねない」と危機感を示している。
ウイスキーは高騰する一方で、研究費は下落。中国(66.1兆円・2021年度)とアメリカ(87.6兆円・2022年度)が研究費を飛躍的に伸ばす一方、日本(19.1兆円・2022年度)は大きな差が生まれている。
注目度の高い科学論文の数でも、1位の中国(6万4138)、2位のアメリカ(3万4995)とは圧倒的な差があり、12位のイラン(3882)に抜かれ、日本(3719)は過去最低の13位となっている。
この件について国際政治学者の舛添要一氏は「これはものすごく深刻。今もう日本経済がガタガタだし、研究開発もダメ。基礎研究ができない。すぐ成果が上がらないので、予算が下りない。もうアメリカ、中国に完全に抜かされて、深刻だと思う」と懸念を示した。
自民党の元衆議院議員・宮崎謙介氏は「もう10何年前に国会議員になった時からずっと言われている話で、当時ずっと予算を1パーセントカットしていくみたいな話があって、その名残からずっと来てしまっているような感じ。実感が湧きにくいものにお金を使わないという世の中の風潮に政治家も流されている。(国力、国益への影響が)めちゃくちゃ大きいので、今からでも無理してでも増やすべきだと思う」とコメント。
舛添氏も同意する形で「AIも中国に負けてしまっている。あれはものすごいお金を中国は基礎研究に使っている。だから、このままいくともっと負けてしまうと思うので、変えないといけない」と主張した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)

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