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2台に1台がブリザックという現状

ブリヂストンは、乗用車用プレミアムスタッドレスタイヤ『ブリザックWZ-1』を発表した。新たな商品設計基盤技術『エンライトン』を搭載し、9月1日から順次発売される。

【画像】いよいよ、冬タイヤ商戦開幕 ブリザックWZ-1発表会 全14枚

ブリザックは、1988年に誕生した同社を代表する冬用タイヤブランド。現在、北海道・北東北中央5都市における一般ドライバーの装着率で24年連続ナンバー1だという。その装着率は47.1%と、もはや2台に1台がブリザックを履いている状態で、札幌市のタクシーの装着率に至っては79.2%という数字だ。

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リヂストン・ブリザックWZ-1は、9月1日より119サイズに渡って展開される。    ブリヂストン

実際、「最強過ぎて愛車2台ともに装着」しているという北海道在住者は、ブリザックを『我が地、最大の味方』と呼ぶ。全世界でのメーカー累計出荷本数は3億6000万本に達するという、名実ともに日本を代表する冬用タイヤだ。

35年を超える歴史の中で、これまで進化を続けてきたが、今回、コア技術である発泡ゴムが大きく進化しているという。

開発者が「これまでの歴史を塗り替え、新しいステージに至った」と胸をはる『Wコンタクト発泡ゴム』は、空気では反応しないが水に触れることで即時に応答する『親水性向上ポリマー』を採用。滑りの原因だった水をグリップ力に変換するという新しい性質が特徴だ。

それに合わせてサイプ形状、トレッドパターンも変化。これまで『ひっかき効果』でグリップ力向上を測っていたが、今回、『溝に素早く水を流す』という考え方で除水効果を向上させる新しいトレッドパターン『L字タンクサイプ』が採用された。

さらに、『ロングステイブルポリマー』でゴムの柔らかさを持続させ、性能の長持ちを実現。『金太郎飴のごとく』経年が進んでも性能劣化が抑えられているという。

こうした進化は、モータースポーツで培われた分子レベルの配合技術を反映したものだという。

発泡ゴムによる副次的な効果も

この日は、ブリザックWZ-1で試験走行を体験したというレーシングドライバーの佐藤琢磨選手が登壇。

「アイス、雪上、ドライ、ウェットと、すべての場面で、乗っていてとにかく楽しかった」と笑顔で語った。

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「冬道は日向と日陰でもコンディションが違う」と語る藤本美貴さんは、赤と黒ブリヂストン・カラーで登場。    ブリヂストン

「全体的にグリップ感が上がっていて、雪上を走っていてもドライと錯覚するほど。スタッドレスタイヤにとって難しいウェットの場面も『ビタッ』と止まる。ドライの路面では、サマータイヤやオールシーズンと比べても遜色のない静粛性に驚かされました」

これは新開発の発泡ゴムが音を吸収するという副次的な効果によるもので、静粛性も乗り心地も格段に向上したのだという。

さらにその後トークセッションで登壇した全日本スキー連盟会長の原田雅彦さんは、「実際に乗ってみると、思うように止まって思うように曲がる。大事な選手を乗せることもあるので、雪道での安全性はとても重要。北海道ではスタッドレスの履き替えは衣替えと同じレベルで行われています」と、安全のためにタイヤを履き替えることの重要性を強調。

札幌出身のタレント藤本美貴さんも、「大切な家族を守るためはもちろん、歩行者や周りのクルマに乗る方々の命を守る意味でも、安心して走れるタイヤを使用することは大切。私も早く実際に乗って、性能を実感したい」と声を弾ませた。

今回の発表会で何度も繰り返された、同社の製品開発の大原則『タイヤは生命を乗せている』という言葉を、このブリザックWZ-1もしっかりと反映しているのだろう。

登壇したブリザックの開発担当佐々木達彦氏の、「佐藤琢磨選手が性能を試されると聞いた時には、もちろん製品に自信はあるものの、とても緊張しました。でも、実際に体感されて、すごく喜んでくださったということを聞き、本当に嬉しかったです」という言葉に、会場舞台袖に一列に並んでいた同社関係者が一斉に微笑みながら頷いた姿が印象的だった。

王者ブリヂストンの自信作だけに、各メーカーそれぞれ進化が凄まじい中、今年の冬タイヤ商戦は熱いものになりそうだ。


【王者がさらに進化】ブリヂストン冬用タイヤ『ブリザックWZ-1』、9月1日より発売