「とても」や「非常に」を表す英語の副詞、いくつ思い浮かびますか? very、too、so……。これらはどれも日常会話で頻繁に耳にする言葉ですが、実はそれぞれが持つニュアンスは大きく異なります。翻訳家・伏木賢一氏の著書『「英語のなぜ?」がわかる本』(青春出版社)より、誰かに話したくなる英語雑学をお伝えしていきます。

ニュアンスによって変わる意味の違いとは?

オフィスに置かれた大きな段ボールの荷物を目にして、

This is very big.

This is too big.

と言うのでは、意味合いが違います。

This is very big.は「とても大きい」と客観的な事実を伝えています。話し手の気持ち、感情など主観が入りません。つまり、オフィスの段ボールは、誰が見ても大きいのです。

This is too big.は「大きすぎる」「あまりにも大きい」といった意味合い。話し手の気持ち、感情などの主観が入った表現です。他人からすれば、オフィスの段ボールは、「いや、それほど大きくないよ」となるかもしれません。

否定的な意味が含まれる「too」

veryとtooの違いはそれだけではありません。This is too big.には、大きいことでマイナスな状況が起きてしまっていることや、大きいことを話し手が否定的に捉えているニュアンスが含まれています。例えば、

This is too big to lift.(大きすぎて持ち上げられない)

というように使います。この構文のポイントは、肯定文でも否定の意味になることです。

「とても」を表すvery/too/so

「とても」や「非常に」を表す副詞には、もう1つsoがあります。veryが客観的な表現で、フォーマルな場面で使われることが多いのに対し、soはカジュアル。日常的な会話でよく使われます。例えば、仲間から誕生日プレゼントをもらって「すごくうれしい」と伝えたいとき、I’m very happy.よりI’m so happy.がしっくりきます。

<Answer> veryもtooも「とても」や「非常に」という意味だが、tooには「あまりに〜」「〜すぎる」という否定的なニュアンスが含まれる。

伏木 賢一 翻訳家

(※写真はイメージです/PIXTA)